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どうでもいい惑星の人

どうでもいい惑星の人

ある惑星に、**「どうでもいい星」**という名前がついていた。その星に住む人々は、どんな質問をされても「どうでもいい」と答えるのが常だった。

「今日の夕飯は何がいい?」と聞かれれば「どうでもいい」、どこへ旅行に行きたいかと尋ねられれば「どうでもいい」と。

彼らは、まるでロボットのように、与えられたものを受け入れて生きていた。新しい服を買おうが、どこかに引っ越そうが、何の意見も持たない。それはまるで、自分の中に意見というものが存在しないかのように。

その惑星の住人、ロムは、いつも周りの意見に同調していた。新しいゲームを買おうと友だちに誘われても、「どうでもいい」と答える。どこへ遊びに行こうかと相談されても、「どうでもいい」と答える。心の中では、「別にどっちでもいいや」と思っていた。

ある日、ロムは、宇宙の図書館で古い本を見つけた。そこには、様々な惑星の文化や歴史が書かれていた。そして、ある惑星の人々のことが書かれていた。「この惑星の人々は、それぞれが異なる価値観を持っている。その価値観こそが、その人を特別なものにしている」と。

その言葉を読んだロムは、初めて自分の心に何かが芽生えるのを感じた。彼は、今まで自分が「どうでもいい」と言っていたのは、単に自分の意見がないからではなく、自分の価値観が確立されていないからだと気づいたのだ。

それからロムは、積極的に自分の意見を言うようになった。「この映画は面白いと思う」「僕は赤い服が好きだ」など、小さなことでも構わない。自分の意見を言ってみると、周りの人たちは意外にもそれを尊重してくれた。

ある時、ロムは、新しい宇宙船の設計図を考え出すことになった。彼は、自分の意見を積極的に出し、他のメンバーとも議論を重ねた。そして、彼のアイデアが採用された時、ロムは大きな喜びを感じた。

「どうでもいい星」の住人たちは、少しずつ変わり始めた。彼らは、自分の意見を持つことの大切さを知り、様々なことに興味を持つようになった。そして、多様な価値観が尊重される、豊かな惑星へと生まれ変わっていった。

教訓

「どうでもいい」と答えることは、必ずしも悪いことではない。しかし、それは、自分の意見がないのではなく、自分の価値観が確立されていない可能性がある。自分の価値観を持つことは、自分自身を深く理解し、豊かな人生を送るためにとても大切なことだ。

物語のポイント

  • 「どうでもいい」という状態: これは、単なる無関心ではなく、自分の意見がない状態を表しています。

  • 価値観の発見: 宇宙の図書館の本を通して、自分の価値観の重要性に気づくという設定は、自己発見の過程を象徴しています。

  • 変化と成長: 主人公のロムは、自分の意見を言うことで、周囲との関係性や自己肯定感を高めていきます。

  • 惑星の変化: ロムの成長は、周囲の人々にも影響を与え、惑星全体の変化を引き起こします。

この物語は、読者に「自分の価値観を持つことの大切さ」と「多様性の尊重」というメッセージを伝えています。

#パンダ大好きポッさん