秘訣って簡単
多様な価値観を尊重する3つの秘訣:
傾聴し、理解する
自分を知り、意見を伝える
対話し、互いを理解する
メモに残したり、意識して実践したり、周囲と共有したりすることで、これらの秘訣を忘れずに、より良いコミュニケーションを目指しましょう。
これを家族の物語にしました。
夕飯の時間がやってきた。家族が食卓に集まり、今日の出来事を語り合う。しかし、妹の表情はどこか浮かない。
「どうしたんだい?」父が心配そうに尋ねる。
妹は口を開く。「友達がみんなで映画に行くって誘ってくれたんだけど、門限が早くて行けないんだ…」
「またか」母はため息をつく。「もう高校生なんだから、自分のことは自分で決めなさい」
妹は反論する。「お姉ちゃんはもっと遅くまで出かけてたじゃん!なんで私だけこんなに厳しいの?」
「お姉ちゃんはしっかりしてたからよ」母は譲らない。「あなたはまだ心配なの」
「ちょっと待ってよ」兄が仲裁に入る。「妹の気持ちも分かるけど、お母さんの心配も分かるよ。二人とも、落ち着いて話してみよう」
妹は不満げながらも、映画に行きたい理由を説明し始める。友達との時間を大切にしたいこと、映画の内容に興味があること、そして、もう子供扱いされたくないという思い。
母も、門限を早くした理由を語る。夜遅くに出歩くことの危険性、学業への影響、そして何より、娘を心配する親心。
父は、二人の話を真剣な表情で聞き入っていた。
「なるほどね」兄が口を開く。「妹はちゃんと自分で時間を守れるって自信があるみたいだし、映画の内容も勉強になるみたいだ。お母さんも、妹の安全を心配してるんだよね」
「…そうよ」母は少しだけ表情を和らげる。「でも、夜遅くに出歩くのはやっぱり心配なの」
「じゃあ、妹がちゃんと門限を守れるって約束したら、今回は特別に許可してもいいんじゃないかな?」兄が提案する。
「どう思う?」父が母に視線を向ける。
母は少し考えてから、「…わかったわ。でも、ちゃんと約束守るんだよ?」と妹に念を押した。
「やったー!」妹は満面の笑みで喜ぶ。
「ほら、お互いの気持ちをちゃんと話せば、分かり合えることもあるだろ?」兄は満足そうに微笑む。
「そうだね。みんな違って、みんないい。それが家族ってもんだ」父も優しい笑顔で頷いた。
その夜、妹は約束通り門限を守って帰宅した。映画の感想を家族に熱心に語り、楽しい時間を共有する。
母は、少しだけ成長した娘の姿に目を細め、父はそんな二人を温かいまなざしで見守っていた。
家族はそれぞれ違う価値観や考えを持っている。しかし、お互いを尊重し、理解しようと努めることで、より良い関係を築くことができる。
この日の夕食は、家族にとって、そんな大切なことを再確認する機会となった。
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