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入院:乳がんと診断されて【6】
7月1日が手術日のため2日前の6月29日に入院した。普通は手術日前日の入院でいいのだけど、私は血液をサラサラにする薬を飲んでいるため、外科手術の際は数日前から薬を飲むのを止めて、代わりに点滴で血液の濃度を維持する必要がある。
コロナ禍で入院中の面会は禁止、病室にも入れないため入院当日はナースステーション(と今でも言うのだろうか?)前まで荷物を運んでもらい、家族とはそこでお別れ。退院まで会うことはできない。
病室に入り諸々の説明を受ける。いつも飲んでいる薬を看護師さんに預け、これまでの既往歴を説明。これまで受けた手術や麻酔についても話す。
一通りの説明が終わるとパジャマに着替えて入院生活が始まる。
ベッドに横になった頃、看護師さんが点滴を持ってきていざ注射!この点滴注射がハードなミッションである事を大抵の看護師さんは想定していない。
私は極端に注射針を刺すのが難しい。採血ですら苦労するのに点滴となるとその難易度は一段と上がる。
「右利きだから左が良いですよね〜」
と言いながら看護師さんは左腕を確認。
「…」
左腕の両面をさすりながら首を傾げつつ
「いつも左ですか〜?」
「そうですね、右はもっと(血管が)出ないので…」
「一回右も見せてもらって良いですか〜」←まだ希望を持った声。
右腕を差し出す。
「……。ほんとですねー。。。」←これは難しいやつね…と認識する看護師さん。
やっぱり左か!と決心した(であろう)看護師さんは再度左腕を確認。何度も同じ場所を触っては首を傾げる。
そしてやっとこさココだ!と目星を付け
「ちょっとチクッとしますねー」
……。
「ごめんなさい、抜きますねー」←やっちまった看護師さん。
そう、失敗。
でもこれはいつものこと。一回で成功する看護師さんはなかなかの腕の持ち主なのだ。(上から目線ですみません。)
一度失敗してしまった看護師さんは、もう失敗はできないと、より緊張してしまい、2回目も失敗。
こうなると大抵の場合ヘルプを出し先輩看護師さんが登場する。
今回も別の看護師さんがやってきてバトンタッチ。
「あー、左はもう刺せないですねぇ。利き腕で申し訳ないけど右でも良いかなぁ?」
もちろん、良いかなぁと聞かれたところで私には選択の余地はない。右手を差し出し、後は成功を祈るのみ。
この看護師の中村さん(仮名)、「あー、血管出ないねぇー」と言いながらも一回で成功。やっぱり注射の達人のようで、この後も入院生活の中で何度も登場することになる。
やっとの思いで点滴が私に繋がれた。私の利き腕と繋がれたこの点滴がここから約1週間、私の相方となる。
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