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逃げ恥|自尊感情を切り口にみてみる。

このドラマのキーワードの一つは、
やっぱり「自尊感情」だと思います。

平匡さんが、壁をつくったり、
自分中心の行動をしたりしてしまうのは
自尊感情の低さが理由のように見えます。

第4話でも明確に指摘されていました。

みくりM「平匡さんは、他の男性の影が見えると、すぐに壁をつくる。おそらく、自尊感情の低さゆえだ」
(中略)
みくりM「平匡さんは、こと恋愛において、自尊感情がまったく満たされないままに、ここまできたんじゃなかろうか」

これが、第8話でみくりさんが家出し、
平匡さんが反省するまで続くのかなと。

自尊感情とは?

自尊感情とは「自分に価値がある」と
感じられる感覚のこと。

自尊感情の低い人の特徴は以下の通り。

・周囲に認められていないような気がする
・「自分にはできない」と思いやすい
・自分が嫌い
・周囲への嫉妬が激しい
・努力に疲れ、最終的には無気力になる

平匡さんの風見さんへの嫉妬や、
みくりさんから好かれるわけない、
という思い込みは、まさにこれ?

(参考)https://woman.mynavi.jp/article/170630-26/

平匡さんが例に取り上げられている記事も。

…自分を決めつけることで、傷つかないようにしているのです。2016年にヒットしたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の中で、主人公の津崎平匡が「プロの独身」を自認していたのも同じようなことです。

https://toyokeizai.net/articles/-/155966

第1〜4話を自尊感情から考える

逃げ恥分析(4:3).001

縦軸は上がハッピー、下が絶望のイメージです。

第1〜2話は、ビジネスライクな二人で、
特に問題は起こっていない様子。

第2話の最後、平匡さんがみくりさんに
「恋心のようなもの」を抱いてしまう。

第3話の平匡さんは、みくりさんと距離を置き、
理由は明言していませんが

津崎M「あの日から、胸の奥がざわざわする」
津崎M「いつか。みくりさんが辞職して、誰かと本当の結婚をしたとしても。僕はこのまま、一人なんだろうな」
津崎「都会的な、風見さんのような…かっこいいよなあ…」

といったセリフから、
・みくりさんは自分より風見さんの方が好き
・みくりさんは自分を好きになってくれない

など自尊感情の低さがうかがえます。

このときは、みくりさんの
「平匡さんが一番好き」発言によって
平穏を取り戻しました。

第4話でも再び、風見さんとの
みくりさんのシェアをきっかけに

津崎M「好意をもった相手に、受け入れられたことがない」
津崎M「いっそ、手放してしまえばいい」
津崎M「愛される人は、いいなあ」

といったセリフが並び、
自尊感情の低さが現れています。

今回は、みくりさんが戦略的に
恋人作戦を行って、解決を図ります。

第5〜7話のストーリーを自尊感情から考える

逃げ恥分析(4:3).002

ハグの日スタートにより、
平匡さんの自尊感情も少しは高まった様子。

ところが新婚旅行では

津崎「一緒にお風呂とかそういう冗談を軽々しく言わないでください!」
津崎M「僕がプロの独身だからいいようなものの!」
津崎M「耳栓とアイマスクでみくりさんの気配を完全に断って、眠ることに成功した」

自尊感情の低さから「プロの独身」を意識し、
自分中心な行動でみくりさんを傷つけてしまう。

さらに自分のことばかり考えている平匡さんは
気持ちが安定してキスまでしちゃう一方、

津崎M「プロの独身とは人を簡単に好きにはならないし発展しない、むしろ発展させないことが重要だ」
津崎M「重ねてお願いしておこう。どうか、なかったことにしてもらえませんか。」

など、みくりさんが自分を好きにならない前提。
みくりさんが好きなのに、素直に言わない。

みくりさんの誘いを拒絶してしまい、
振り回されたみくりさんは疲れてしまいます。

第8〜11話のストーリー

逃げ恥分析(4:3).003

みくりさんの家出によって、
初めて自分を省みた平匡さん。

津崎M「自分の気持ちでいっぱいで、僕は、みくりさんが残していってくれた料理を、手に取ることもしなかった」
津崎「拒絶されたみくりさんがどう思うかということは、まったく頭にありませんでした」

自分の自尊感情の低さに気づき、
みくりさんを振り回したと後悔。

その後、平匡さんの「好きですよ」発言で
ついに二人は両想いになりました。

初めての夜、なかなかうまくいかず
今度は逃げ出してしまう平匡さん。
それでも帰ってきて、成長がうかがえました。

そして最終話。
今度は、面倒な自分が嫌になったみくりさんが
自尊感情の低さから、壁を作ります。

みくり「平匡さんだって面倒ですよねこんな生活。私と暮らす前みたいに、外部の家事代行業者に週に一度頼む程度のお給料はあるはずです。一人なら」

その壁を壊すのは、今度は平匡さん。

津崎M「みくりさんが、閉じたシャッターは、いつか、僕が閉じたものと同じかもしれない」
津崎M「何度も何度も、あきれるほど、見捨てずに、ノックしてくれたのは、他の誰でもない。みくりさんだ」

まとめ

第3〜7話までは、
自尊感情の低い(さらに恋愛ベタな)平匡さんが
・みくりさんとの間に壁を作る
・みくりさんの気持ちを考えず行動する

これを、みくりさんが、解きほぐしていきます。

第8話で平匡さんが反省し、成長する。

第10話で、今度はみくりさんが
自尊感情の低さをあらわにして扉を閉める。

そしてこのシャッターを、平匡さんが開けて、
ついに、本当の夫婦としての生活が始まり、
ハッピーエンドとなりました。

***

それぞれのキャラクターの生き方からも
分析してみたいと思っています。

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