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NHK短歌テキストに掲載された短歌をこちらに。
2021年9月からNHK短歌に投稿をしています。掲載された短歌をこちらにまとめます。上が最新です。初の掲載は2021年11月に投稿して2月号に載った佐伯先生の回。嬉しかったなあ。初の入選は2023年12月25日の放送でした。またテレビで紹介されたい。
2023年6月号〜12月号
試着室ではしゃべりたくなるあとふたりくらい自分がいればいいのに
私からわたしに変わる高速のFMが途切、れて、しまうとき
隠してたひとつひとつが開いていく祭りの後の醒めた夜道に
ジグザグの迷路のように書く吾子の楽しくなって伸びていく糸
店員と同じ色したポロシャツのままそわそわと古書店にいる
ミステリーときどきポテチ平日の夜たんたんと過ぎ去ってゆく
遠巻きにみている路上ライブでは近くに寄れる人もまぶしい
ひなたからうなだれて行く森陰に涼風としてヒメギス鳴けり
日常は溶けずに層を重ねたりアイスの後に食む塩せんべい
口喧嘩をしている部屋で無関係そうに佇むガラスの花瓶
潮風を含んだままの子を肩に抱えて家のスロープ上がる
聖域を拡げるようにゆっくりとデスクに揺らしゆくハーブティー
おまえしか見えない宙を見上げつつ掴んだ漢字をドリルに刻む
何をしてあげられただろう自転車のカゴの絵本に雨染みていて
この人はずっと峠にいるんだな茶屋の女将が差し出す煎茶
ファミレスに大人2と書く空白はまわりが埋まっているから白い
個性とはしょうがねえなと言われつつ伸ばしてもらった枝葉の蕾
現実と夢のはざまを縫うように光を知った飛び魚は飛ぶ
思い出して何かを探すふりをして実際きみをみつけるあくび
あっちむいてほいを無限にせがまれて風呂の波まで暮れゆく夕べ
はこべらにあたたかき雨しみてゆく歩道を踏めり傘をひらきて
2022年6月号〜
NHK短歌、2022年度完走しました。
— 鈴木ベルキ (@pandakirinkaba) April 20, 2023
毎号の掲載には至りませんでしたが、出来過ぎな結果です。
初めての入選もとても嬉しかったです。
栗木京子先生 秀歌2、佳作2
笹公人先生 秀歌1、佳作2
江戸雪先生 佳作10
佐佐木定綱先生 入選1、佳作4
合計22首
1年間ありがとうございました。#NHK短歌
黒板の今日のメニューを拭いてから今日のメニューの上書きをする
ともにみた星座は今も輝いて違う神話が語られている
先輩に貸した千円札で今レモンサワーを奢られている
ただ雪が降るだけなのに思い出の雪になったら溶けるだろうか
折り畳み傘の襞からこぼれ落つ冷たくも温かくもない水
ジンゴーベージンゴーベーと子の歌うスマホに繋ぐイヤホンジャック
あの頃の何でもなれる気がしてた私に会える梅のおにぎり
👆初めてテレビで紹介されたのです!嬉しくてこれまで言っていなかった家族や親戚に伝えました。
行き先を決めずに散歩することも君と歩けば冒険になる
クリームをはみ出さないで食べているあなたの過去をもっと知りたい
曇りのち晴れのち嵐の生き方をしているお前がうらやましくて
どどうどどう腕より大地につながって耕運機から春揺り起こす
正解のない口論は打ち切ってあなたの好きなウェルダンで焼く
同僚の出世話に耳すましオリーブオイルが多めにかかる
明らかに一枚カードが浮いていて励ますように抜き取るジョーカー
初めての佳作秀歌でした!ありがとうございます。
同じものを食べて育ったはずなのに弟の方が馬券が当たる
心臓がもう一つある天気図の君のあたりをいく高気圧
おまえんちのカレーがうまいと何杯もおかわりをした子とまだ呼ぶ母は
君が今生きている今日僕だけの記念日として植えるアネモネ
ささやかな怒りも海に行くまでのふたりのロードムービーになる
加速して衝突をする素粒子のごとき言葉を君に言いたい
いちめんの夏を散らして泣く手持ち花火の香が漂っている
去り際に笑顔だなんてずるいだろう混ぜないでおくアイスカフェオレ
2021年9月号〜
NHK短歌は2021年9月から投稿を始めて、4首掲載いただきました。毎号というのは難しいですね。
— 鈴木ベルキ (@pandakirinkaba) April 21, 2022
佐伯裕子先生 2回
佐佐木頼綱先生 2回
でした。ありがとうございました。
一球の重みを知った夏の日のコンクリートの隙間のたんぽぽ
もう僕のいる場所じゃない校庭に響く音楽室の縦笛
蝉止んで玉砂利を踏む音ふたつ水羊羹に匙ふたつ置く
喋ったら負けのルールで1時間笑い転げるお泊まり会で
初めての掲載でした!
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