見出し画像

パニック症について(すぐ使える漢方など)

こんにちは、櫻井です。
今日はパニック症(パニック障害ともいいます)のお話です。

パニック症

極度の不安によっておこるパニック状態を主な症状として、不安神経症と呼ばれている疾患の一部です。

不安は、誰しもが経験する不快な感情の一つで、不安を感じる場合、危険が迫っている、心臓がドキドキして落ち着かない、胸が締め付けられて息苦しいなど、精神面と身体面の両方に症状がみられます。試験の前日、プレゼンの前など明確な理由があって、その時だけ感じるのは正常な反応ですが、何が不安なのか分らない場合や、意味もなく不安感が続く場合は対策が必要な状態です。このような不安は、鬱や精神病性障害、気分障害などでも見られますが、このパニック症の不安は、精神病性障害などに比べて重くはなく、仕事や日常生活も出来ることもありますが、当の本人の悩みはとても深いものがあります。

パニック症は、身体症状(動悸、頻脈、胸苦しさ、息苦しさ、めまい、ふるえ、しびれ、発汗、吐き気、腹部の不快感など)をともなう強い不安の発作が急速におこり、数分から数十分続いたのちに収まるのが特徴です。

きっかけは無くても不安症状は起こりますし、あっても起こります。検査をしても体にはどこにも異常が認められず、発作のない時にも「また起こるのではないか」という〝予期不安″があります。そのせいで、もし発作がおきたら逃げられない、助けてもらえない、恥をかくなどと、場所や状況を恐れ、一人で行動したり、電車(特に急行や特急など)やバス、他人が運転する車、高速道路、映画、病院、歯医者、劇場、会議など、すぐ移動できないようなところシチュエーションを避けるようになります(これを″広場恐怖″といいます)。それらの症状は比較的抗不安薬や安定剤、抗うつ薬などが効きやすい症状と考えられています。

おおきな精神的ショック、悩み、心配事、ストレスなど、精神的原因と考えられるものがある場合もありますが、まったくそういったものが存在しない場合もあり、過労や睡眠不足など、体の不調がきっかけになることもあります。大体、人口の3~5%の人がかかっていて、男性より、女性に多いとされています。

治療方法は

まずこれは病気なんだ、対策が必要なんだということを本人と家族が自覚することが第一歩です。単なる気のせいとか、気にしすぎとか、性格の問題とか、自律神経の問題と軽く考えてしまい、放置してしまうことで症状はより難しいものになります。しかし、病気だと強く認識しすぎてしまって、落ち込み、行動が出来なくなってしまう、鬱のようになってしまう、薬漬けになってしまうことも問題になっており、なかなか厄介です。

西洋医学的には抗不安薬や抗鬱剤を使い、まずパニック発作を引き起こす「不安感」を起こさないようにする処置がとられます。いきなり襲ってくる根拠のない不安がなくなることで、日常生活を普段通りにおくることが出来るようにします。それで徐々に自信を取り戻していきます。乗り物や外出に関しては、段階的に慣らしていく心理療法(認知行動療法)などがとられています。

中医学的パニック症 漢方薬は?

ここから先は

3,502字 / 1画像

¥ 300

サポートして頂いたお金で、新しい本を買ったり、講習会に参加し、知識を広げて皆様に必ずや還元します!!