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“街にハマる”とは“自分ごと”が増えること。そっと背中を押してくれる場を作る【ハチコク社】
東村山編集室 地域ライターのオキタリホです。
本日もわたしの【休日をたのしむらやま】な、とある1日をお伝えしたいと思います。
お付き合いのほどよろしくお願いいたします。
東村山歴38年の私。
幼稚園から小・中・高と市内の学校に進み、社会人になり一旦お隣の東大和市へ移り住むも5年ほどで戻ってきてしまった。
今も実家は出ているが市内在住。
ずっといるから住みやすいのか、都心にもアクセスが良いので特に不便さを感じないのか、結局この土地に落ち着いてる。
“どうせならもっとこの街をすきになりたいなぁ”
とぼんやり考えていた。
街の楽しみ方や、街との関わり方。誰かに話を聞きたいなと思った。
そこで今回は【ハチコク社】の仲幸蔵さん・福田忍さんにお話を伺うことにした。
おふたりのオフィスがある百才(ももとせ)はいつでも誰もがふらっと訪れることのできる雰囲気だ。
みんなで雨戸をあけてちゃぶ台を囲んでお話してみた。
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仲さんは東村山生まれ東村山育ち、高校まで市内で過ごしたわたしと同じ根っからの東村山市民だ。
が、フリーライターとして“るるぶ”の編集に関わり、全国を飛び回っていたため、この街は寝に帰る為の場所で全く興味がなかったそう。
10年ほど前に地元の友人が市内でイベントを開催にすると聞き、遊びに行ったところ、仕事柄いろんな地域のイケてるお祭りを見てきた仲さんは地元との落差を感じて悔しかった。
“どうにかならないかな、、?”とイベントを通じて東村山に関わりはじめることになる。
仲さんが携わった“フラッシュモブズ”がバズり、NHK等のメディアに取り上げられた。
更に深く街のイベントごとに関わりたくさんの人と知り合いになった。
“楽しいな”と感じた。
仲さんは仕事をほったらかして東村山にのめり込んでいった。
“街にハマった”のだ。
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忍さんは大阪生まれの東村山育ち。イラストの仕事がしたい!と専門学校に進み、アシスタントを経てイラストレーターとして働き始める。
仕事は順調だったが、自身の中で葛藤があり1年ほど語学留学の為イギリスへ渡った。
戻ってからは“決まりごとがある中で更に良いものを生み出す”デザインの仕事が楽しくなり、デザイナーとして個人で仕事をするようになったそう。
結婚・出産を経て東村山に戻ってきたが、地域との関りはほとんどなかったという。
2011年の東日本大震災で仕事がなくなり不安でいっぱいになっていたが、
そんな中母親の友人が市議選に出馬することになり、仕事がなく手が空いていたこともありお手伝いをすることになった。
国政よりも市政は身近に感じられ“自分たちで街は変えられるんだ!”と知ったことで忍さんは“街にハマった”。
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震災当時Twitterを通じて繋がりを持つ人たちが増えていたこともあり、忍さんは地元の後輩が地元を盛り上げようとしていたことを知り、参加するようになった。
同年代が“街を変える”方法として、エンタメやイベントというおもしろいことで賑わいを作って盛り上げていることに共感したそう。
そこで先に参加していた仲さんと忍さんは出会ったのだ。
街にハマりまくって沼化していた仲さんは、「なんでこの街に“るるぶ”がないんだろう」と思った。そして「ないなら作ってしまえ!」と動き始めた。
るるぶ東村山の企画をし、出版社と出資者を探しているところで商工会と出会い、青年部に入った。
るるぶ東村山は商工会から発行されることになり、メイドイン東村山でみんなで一緒にやりたいと思っていた時に忍さんがデザイナーの仕事をしていることが分かり、一緒に組むことに。
るるぶのインパクトは強く、すぐに次の仕事に繋がった。
大きな仕事を受けるために、法人化し【ハチコク社】が誕生。
特に計画は立てず、行きたい方・やりたいことを優先していた結果がこうなったという。
今は紙媒体の企画・制作や、イベントの企画・運営が軸となっているが、地元の企業から「何かしたいんだけど?」とふわっとした相談が来ることも多いという。
きっとみなさんが“ここに来たら何か面白いことができるのでは?”誰かと繋げてくれるのでは?”と期待しているのだ。
取材が大好きな仲さんは、「取材を通じて人脈は自然と広がる」という。
人を頼り、ご縁を大切にする。
仲さんのそういう姿勢が人に伝わるのだと思う。
わたしも仲さんに取材してもらったことがあるのだが、仲さんは取材した相手のことを“友だち”という。わたしのことも友だちと言ってくれている。
なんだか距離が近く感じられて嬉しいのは私だけではないはず。
そんなお友だち達に常に支えられ続けてきた、というふたり。
法人化するにあたり、事務所を探していたときも「ここ空いてるよ!」と百才を紹介してもらったり、百才のお庭のクラウドファンディングを実施したときも、おふたりが結婚された後のお庭を使った披露宴も、すべて支えてくれる人たちのおかげだったと振り返ってくれたけれど、支えてくれるきっかけになったのはきっと街を楽しんでいるおふたりの気持ちのこもった姿勢と言葉が先にあったからだったのではないかな、と素直に感じた。
ハチコク社のオフィスがあり、運営もしている百才は“誰にとっても開かれた場所”でありたいとおふたりは言う。
子どもも大人も、おじいちゃんおばあちゃんや外国籍の方もみんなが交じり合って楽しい雰囲気、文化が生まれるような場所にしたいと思っているそうだ。
「少し前は何かしようとすると、地縁コミュニティーの力が強くハードルが高いイメージがあったが、それを軽やかに飛び越えていく人が増えた。
そういう人たちの手助けをしたい。スモールスペックで自分のやりたいことをしたり、関わりたいときに自分が好きなことで関われる場所が増えていくと、すごい決意をしてハードルを飛び越えなくても地域に関わっていけるのでは。ちょっとした勇気だけで関われるようにしたい。」
百才でも今後小さいマルシェやイベントを定期的に開催していくという。
「3人集まればイチになるし、誰かが街に関われる仕組みができたらうれしい」。
チャンスを待っている人の背中をそっと押してくれる場所になる。
“街にハマる”とは?と質問したら、
「休みの日に遊びに行こう!というよりも、仕事や日常に絡んでいる地域のことにハマることなのではないかな?
スポットではなく、地域と関わり合いが増えると“自分ごと”になる場所が増えるし、例えば知っているあの人がやっているイベントとなるとお天気も心配になる。雨が降りそうだったらあぁ、あの人頑張ってたもんなぁ、天気になってほしいなぁと思う。それってもう自分ごとになっていて、人にやさしくなれるんじゃないかな。」とアドバイスしてもらった。
きっと誰しもが色んな顔を持っている。
お母さんの顔、働いている時の顔、趣味での顔。
その中で地域の顔を持って、そこに自分の好きなことや得意なこと、やりたいことがくっつくだけで広がっていく世界があるのだ。
実際わたしにも“家族の顔”、“友だちの顔”、“ハンバーガー屋さんの顔”、“東村山編集室地域ライターの顔” 、、、色んな顔を持っていることに改めて気づいた。
お店での顔や地域ライターの顔はこの1年でわたしの世界を広げてくれたし、豊かにしてくれたと感じる。
仲さんの言い方でいうなら友だちが増えたし、市内のお店や活動のことも知る機会が増えた。
もうとっくに“自分ごと”になる場所や人が増えていたのだ!
そうか、わたし“東村山にハマった”んだな。
なんだか照れくささもありつつ、自覚すると更にやりたいことや関わりたいことが溢れてきているから不思議だ。
この街に住む“違う顔が欲しい”、“何かしたい”、“こんなことが好き”という方は、ふらっと百才を訪れてみるといいかも。
少しだけ勇気を出して暖簾をくぐるってみれば、
そっと背中を押してくれる人が、そこにいるはず。
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“縁ひらく庭”をコンセプトに掲げる、文化複合スペース。
コミュニティラウンジとカフェスタンド、アトリエ、ハチコク社のオフィスのある母屋と、「食」と「暮らし」をテーマに、暮らす人、訪れる人、働く人が交わる場として、営業許可付きのシェアキッチン「木づつみのえん」を備えている離れがある。
住所:〒189-0003 東京都東村山市久米川町4-46-1
電話:042-306-3350
母屋の出店情報は百才(@momotose100)のInstagram
離れの出店情報は木づつみのえん(@kidutsumi_no_en)のInstagramよりご確認お願いします。
photo:natsumi
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