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【保存版】香港における風水の立ち位置とは?徹底解説します。

中華圏でしばしば耳する「風水」ですが、どんなものなのか実のところよくわからないのが現実ではないでしょうか。今回は、風水の解釈や香港における立ち位置をお伝えします。

風水とは

風水で一番大切なのは、「気」 とよばれるエネルギーの流れで、しばしば空想上の生き物、「龍=ドラゴン」にたとえられます。日本では、家を建てるときや引っ越しをするときに方角や間取りなどで話題に上がることがありますが、 決して占いやおまじないではなく、「気」という自然のエネルギーの流れを読んで生かすためのテクニックです。

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本来は中国の歴代の皇帝たちが、都やお城や寺院の建築、戦の戦術など、国家レベルの重要な意思決定をするために使われて発展してきた技術です。現代の地理学・天文学・地政学・統計学・環境学・中医学などにもつながっています。

風水は今から3,000年近くも前の中国から伝えられる「陰陽五行」つまり「陰陽思想」と「五行思想」に基づいています。 

「陰陽」は、ものごとを 「陰」 と 「陽」 のカテゴリに分類し、その調和や波動によって現象を説明するもの、「五行」はすべてのものを「木Wood・火Fire・金Metal・土Earth・水Water」 の5つに分類してその関係で説明するものです。

陰陽というと有名なのは太極図(たいきょくず)ですね。真ん中の勾玉の模様は見たことがある人も多いのではないでしょうか。

陰陽太極図

太極図は「陰」と「陽」を表すもので、黒色の影は「内に蓄える静的なエネルギー」、白色の陽は「外に放出する動的なエネルギー」を表しています。
それは善悪や優劣というものではなく、表裏一体で循環するもの、陰が強くなれば陽に 陽が強くなれば陰になるように、その周期やバランスに着目し、分析し、予測し、行動の指針とする考え方なのです。

「五行」の図はこちらです。

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「木Wood・火Fire・金Metal・土Earth・水Water」に、それぞれ方角や色や季節などをはじめ、そのほかにもさまざまな要素を帰属させて、その関係性によりものごとを説明しています。五行の関係性には生かし合う「相生(そうしょう)」の関係と、打ち消し合う「相剋(そうこく)」の、2種類の関係があります。

相生(そうしょう)では、木は燃えて火になり、火は燃えて灰となり土を作り、土の中から金属が産出し、金は融解し水になり、水は木を育てる、という、生かし合う関係性です。

相剋(そうこく)では、水は火を消し、火は金属を溶かし、金属は木を傷つけ切り倒し、木は土を利用し押しのけて成長し、土は水を濁し流れを止める、という、打ち消し合う関係性です。

風水では5つの要素の相生(そうしょう)と相剋(そうこく)の関係でものごとを説明しているのです。

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少しずつ分かってきましたね。次は色と風水の関係性です。

色について

それぞれの色の代表的な意味について簡単にご紹介します。色も、風水の重要な要素です。

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・赤は、風水でも強い力を持つ火の色。そして、活性化の運気、ギャンブル、ラッキー、おめでたいなどの意味
・黄や金は、金運アップ、事業成功、リッチな生活、ときめきなどの意味 
・青は仕事や信頼そして意思疎通という意味
・緑は健康、幸福、成長の色
・黒は、邪気を払い、守りを固める力があるといわれる色
・茶は、土の気、土台、自然を表す色
・白は、リセット、純粋などの意味
香港の街中の看板やネオンでは、赤や黄色の原色を多く使っていますが、デザインとしての色使いというよりも風水的な意味合いが強いといえます。

さらに風水では数字にも意味があり、香港では発音も含めて縁起を担いでいます。

数字について

1(yat1):始まり、No1。 運気が生まれる大吉の数といわれる。
2(yi6):調和、調整。易(yi6)と発音が似ているので、簡単・シンプル という意味もある
3(saam1):成長、社会性。 生(saang1)と近い発音なので、life=生きること に掛けたりする
4(sei3):緑、土地、地盤。 風水的には、人間関係の安定 を表す
※一般的には、死(sei2)と発音が近いのでよくない数字とされていますが、水(seoi2)と発音が似ているので、「水」は「お金」だからOKとしてしまう説もあり…。 
5(ng5):魔除け、厄払い、禁止、中心。 災難から身を守る力がある
6(luk6):才能、向上。出世、昇進など、仕事運を得る数字と言われている。樂(lok6)と発音が近いので、楽しい・楽という意味を加えたりします。
7(chat1):充実、絶対。 そのまま 「ラッキー7」 の意味を持たせたりしています。
8(baat3):循環、繁栄。 發(faat3)と発音が似ているので、富・財の意味を掛け、お金が回る非常に良い数字、金運の象徴的数字として扱われています。
9(gau2):生命力。悪い気を消す力を持つといわれる。久(gau2)と同じ発音なので「長寿」と掛けたりもします。

数字

1~9まで1つ1つに意味をもたせて、車のナンバーなど色々な場面で参考にしているようです。香港人かなりのこだわりをもって数字と向き合っているんですね。

今回は風水の基本となる部分と、香港での意味の捉え方をお伝えしました!色に数字にかなりのこだわりを垣間見ることが出来ました。次の記事では、実際にこの風水を用いて街づくりや建物を建てた結果、静かな戦いとなってしまった香港・中環(セントラル)の街の様子をご紹介します!

最後まで読んでいただきありがとうございました🐼

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