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【Vol.1親の心得】Ep.5:中学受験の本番が始まったらロボットのように動く

中学受験の本番が始まる1ヶ月ぐらい前から親の精神状態は普通ではなくなり、特に受験初日の1週間ぐらい前になると落ち着いていられなくなってきます。
傍から見ると挙動不審者のように映るかもしれません。
これは受験する本人達も同様で、生まれて初めて受験に臨む不安からか塾の雰囲気も殺伐としたものになるようです。
そして、受験初日の夜を迎えて一番合格したい学校の結果が『不合格』だったとき、本人も親も精神崩壊に近い状況になります。
そのような状況になったとしても、次の日も、その次の日も中学受験は続くので、冷静にどの学校を受験するのか決定して出願手続きをしなければなりません。
この状況に備えるために、受験本番に向けた準備と、受験本番がスタートした後の動き方についてお伝えしたいと思います。

<ポイント>
・受験本番の計画は常に最悪のケースを想定する
・精神状態が通常であるうちに受験本番の計画を立て終える
・受験本番が始まったらロボットのように機械的に動く

1.中学受験の本番を冷静に迎えるために

中学受験の本番が近づいてくると、「志望校に合格できるだろうか」、「全落ちしてしまうかもしれない」、「受験当日を元気な状態で迎えられるだろうか」とどちらかというとネガティブなことを考えるようになってしまうと思います。
子供の偏差値が志望校に届いていない状態だと、その不安も余計に増幅されてしまうかもしれません。
ポジティブに行動しようとしてもどうしても不安が先行してしまいがちです。
そのような状態のまま中学受験の本番に突入してしまうとまともな判断も出来なくなってしまう可能性があるので、冷静に受験初日を迎えるためには事前に必要十分な準備を終えておくことが肝心です。

2.受験本番での最悪のケースを考える

受験本番の計画を立てる時には常に最悪のケースを想定して検討することがポイントだと思います。
最悪のケースというのは
・全部の学校が不合格になる
・病気、怪我、メンタル不調などで受験できない日程が出る
というようになる場合で、この状況を想定しておくことで悪い結果が発生しても冷静な対処が可能になります。

全部の学校が不合格になる場合については以下のようなことを考慮に入れるようにします。
・首都模試の偏差値30~40台前半あたりで、定員割れで確実な安全校になり得る学校を受験日程に複数組み込む(可能なら受験2日目まで)
・英検などを持っている場合、加点条件のある学校を受験日程に組み込む
・確実な安全校が見当たらない場合は、専願入試のある学校の受験を検討する(学校の個別相談で合格基準をしっかりと確認しておく)

病気、怪我、メンタル不調などで受験できない日程が出る場合については以下のようなことを考慮に入れるようにします。
・2/10頃までできるだけ休みの日が発生しないように受験日程を組む
・複数の受験日がある学校は全日程を受験日程に組み込む
・コロナ入試のある学校を受験日程に組み込む

他にも考慮したほうが良いポイントが見つかった場合は、それを受験日程に組み込んでいきます。
もし望んでいた結果が出たならば、取り越し苦労だったとして片付ければ良いだけです。
悪い結果が続いても、想定内ということで落ち着いて対処できるでしょう。

しかし、最悪のケースを想定せずに実力相応校ならどこか合格できるだろうぐらいの前提で受験日程を組んだ場合は、悪い結果が出続けた途端に破綻して相当に慌てることになります。
こうなると一度も訪問したことのない学校を突然受験しに行くような状況になる可能性もあります。

3.心に余裕があるうちに受験日程を作り上げる

受験本番が近づいてくると多かれ少なかれ心に余裕がなくなってきます。
心に余裕がなくなってくると、落ち着いて物事を考えられなくなってきますから、どんなに遅くとも受験初日の1~2ヶ月ぐらい前には受験日程の軸になる部分は完成しておいた方が良いと思います。
首都圏では1月10日の埼玉受験が受験初日となるので、この2ヶ月前の11月頃の完成が一旦の目安です。
埼玉受験や千葉受験(1月20日スタート)は模擬試験代わりに受ける予定で、受験初日は2月1日という場合は12月頃の完成が目安です。
多くの塾では11~12月には受験日程の提出を求めてくると思うので、それに間に合えば良いでしょう。

理想としては多くの学校で入試説明会やプレテストが始まる9月頃までに受験日程は完成させておいて、入試説明会の内容やプレテストの結果を受けて微調整を行うような進め方が良いと思います。
そして、受験する可能性のある学校の入試説明会には、上位から下位まで万遍なく足を運んで学校のことを確認しておいてください。

4.受験期間はロボットのように動く

受験本番が始まると、ほぼ毎日のように入試と合否発表が繰り返しやってきます。
特に、合否発表については『合格』の瞬間もあれば『不合格』の瞬間もあるため悲喜こもごもの日々となります。
そのような状況下では落ち着いて物事を考えて行動することが難しくなる場合もあるので、適切な行動を取るには事前の準備がとても重要になります。

受験本番が始まったら予め準備しておいた受験計画の通りにロボットのように機械的に動くようにします。
そこには感情が入り込む隙きを与えず、淡々と事務的にこなしていきます。
・2/1午前のA校が『合格』の場合は2/2午前はチャレンジ校のB校を受験する
・2/1午前のA校が『不合格』の場合は2/2午前は安全校のC校、2/2午後は実力相応校のD校を受験する
というような事前に決めた判断ロジックに従って出願手続きを進めます。

5.まとめ

我が家は1月の埼玉受験、2月の東京受験を経験しました。
第1志望校は埼玉の難関校(チャレンジ校)、第2志望校は東京の中堅校(チャレンジ校)、第3・第4志望は埼玉の中堅校(実力相応校)、第5・第6志望は埼玉の下位校(安全校)を設定して、埼玉受験に臨みました。
第1・第2志望校はチャレンジ校で偏差値に開きがあったため、合格の可能性は低いと見ていました。
そのため、実質の第一志望校は第3志望の埼玉の中堅校でした。
第3志望が不合格になった場合は、東京受験で実力相応校2校、安全校2校を受験する予定としました。
この計画の骨格は7月には作り上げていて、9月からの合不合判定テストの結果を見て微調整を続けていき、11月には最終版が完成しました。

受験計画を作成する上で一番注意したところは1/11までに『合格』することでした。
1/10と1/11の受験校候補は第3~第6志望の4校です。
この4校の各日程の募集人数、前年の合格者数、プレテストの結果、合不合判定テストの結果などをインプットとして検討を重ねました。
第3志望はYT50偏差値ギリギリだったので合格可能性は約50%です。
第4~第6志望はプレテストで合格の結果をもらっており、偏差値的にも余裕があったので、合格の可能性は高いと見ていました。
1/10に第3志望を受験するか、合格の可能性の高い第4~第6志望のいずれかを受験するかが最後まで悩んだ部分ですが、最終的には下記の日程を組みました。
・1/10午前:第3志望(普通クラス)
・1/10午後:第3志望(上位クラス)
・1/11午前:第5志望(特待)
・1/11午後:第3志望(普通クラス)
・1/12午前:第4志望(特待)
・1/12午後:第4志望(特待)

1/10の夜にその日の午前・午後の両方の合否発表がありましたが、結果は『不合格』でした。
この結果は家族全員にとても大きなショックを与えましたし、私は1/10に第3志望を受験させたことをとても後悔しました。
娘は「大丈夫」というようなことを言っていましたが、明らかに落ち着きのない様子で、夜もあまり眠れていないようでした。
このままでは受かるものも受からないと考え、1/11午後の第3志望受験は取りやめて、第6志望受験に切り替えて出願手続きを取りました。

1/11の結果は翌日1/12の朝に合否発表があり、結果は2校とも『合格』でした。
これで私も妻も落ち着きを取り戻せましたし、娘は第4志望の受験中でしたが昼食の時に『合格』だったことを伝えると「ほっ」とした様子でした。
この時に落ち着いて受験を乗り切るためにも『合格』を早いタイミングでもらうことがとても重要なことだということを思い知りました。
この直後、第3志望の学校から『繰り上げ合格』の連絡があり、長い時間をかけて家族で取り組んできた受験の努力が報われたと感じました。

志望順位に関係なくどの学校でも『合格』という結果はとてもうれしいものですし、心を落ち着かせてくれます。
早いタイミングで『合格』を勝ち取れるように、親はいろんな状況を想定して受験計画を立てることを心掛けてください。


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