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【Vol.1親の心得】Ep.4:子供の学習面、健康面、メンタル面の状況を把握し、中学受験の目標に近づけるように仕向ける

Ep.3で中学受験における親の仕事は、下記の2つに集約されるとお伝えしました。
1.子供の様々な状況を考慮・想定しながら、中学受験のスケジュールを作成・進捗管理すること
2.子供の学習面、健康面、メンタル面の状態を把握し、目標へ近づく行動をとれるように仕向けること
今回は二つ目の中学受験の目標管理・行動管理・課題管理についてお伝えしたいと思います。

<ポイント>
・第一志望校、併願校、偏差値などの目標を明確にする
・主要テストの試験対策、やり直しの取り組み状況を把握する
・子供の学習面、健康面、メンタル面の課題を把握して対策を考える

1.中学受験の目標達成のためにすべきこと

中学受験の目標は当然のことながら第一志望校の合格です。
しかし、第一志望校に合格できるのは受験生全体の3割程度と言われています。
第一志望校については、知名度のある難関校だったり、住んでいる地域の上位校だったり、簡単には合格できない学校を選んでいるケースが多いために、受験者全体の7割は第一志望校に合格できないのでしょう。

そのため、第一志望校だけでなく、実力相応校を中心とした併願校を第二の目標として設定することで、私立中高一貫校への進学という現実的な目標を達成させることが必要になります。
この目標達成のためには、以下の観点で子供の状態を把握することが必要と考えています。
1)目標管理:第一志望校を含む受験する可能性のある志望校を明確にする
2)行動管理:テストに対する事前対策、やり直しの状況を把握する
3)課題管理:学習面、健康面、メンタル面での子供の課題を把握して対策を考える

2.中学受験での目標を明確にする

中学受験の目標である志望校は、数ある学校の中から本人の希望やご家庭の方針に合う学校を選んでいくことになりますが、それを把握・整理するために「志望校候補リスト」を作成します。
しかし、志望校選びは手当たり次第に学校を調べてもなかなか整理するのが難しいので、我が家は以下のような手順で実施していきました。
1)志望校を選ぶための方針を決める
2)方針に合う学校をリストアップする
3)リストアップした学校に訪問して受験校候補とする学校かどうか確認する

志望校を選ぶための方針は、ご家庭ごとに様々なことを検討すると思いますが、我が家は下記の方針を設定してこの条件に適合する学校をリストアップしていきました。
・通学:自宅から学校までの通学時間は1時間30分以内、電車の乗り換えは1回以下(志望校選定の必須条件)
・共学・別学:女子校もしくは女子比率の高い共学校(娘の希望)

また、受験するかどうかの参考情報として、以下の情報についても調べましたが、受験案内や学校ホームページなどでは書かれていない場合は合同説明会、学校説明会、個別相談に出向いて確認します。
合同説明会は多くの学校が参加しているので、一度に複数の学校の情報を収集できて便利です。
・学校の特徴:その学校ならではの特徴は何か(学校説明会で学校が一番アピールしているところ)
・日々の学習:宿題のボリューム、確認テストの頻度、補習の内容など
・英語:授業内容、英検などへの取り組みなど
・ICT:授業でのPC利用、プログラミング教育、タブレット端末の利用など
・大型休みの学習:夏期講習や冬期講習の内容・料金など
・入試:スライド合格の合格最低点はどれぐらいか、繰り上げ合格になる条件は何か
・学校の生活・設備:制服、校舎、教室、体育館、グラウンドなど子供が気に入っているか
・高校募集:高校募集がある学校について高校入試の偏差値がどれぐらいか
・高入生との混合:高校から入ってくる生徒とのクラス編成があるか
・系列大学:優先入学制度や推薦制度のある系列大学があるか
・学費:中学3年間の学費がどれぐらいか
・進路:大学合格実績のボリュームゾーンはどこか
・偏差値:チャレンジ校、実力相応校、安全校のうちどこに当てはまるか
他にも確認するポイントはあると思いますので、必要に応じて学校に確認してもらえれば良いと思います。

中学受験に取り組む当初から第一志望校が決まっている場合はその学校を第一志望校とすれば良いですが、特に決まっていない場合は志望校候補リストを作成する過程で本人が一番行きたいと言う学校が第一志望校になると思います。
そして、第一志望校以外の学校のうち実力相応校、安全校に相当する学校が併願校候補になります。
特に、安全校については受験結果が思わしくない場合に急遽受験校にする場合もあるため、柔軟な併願パターンを準備できるように絞り込み条件をきつく設定せず幅広くリストアップしておくことをお勧めします。(我が家は通学に関する条件を必須条件としたので、この条件に適合する学校はすべて志望校候補リストに含めました)

3.テストの対策・やり直しの状況を把握する

受験勉強の基本は「できなかった問題をできるようにすること」です。
これは中学受験に限らず、高校受験、大学受験、資格試験、定期テストなどにも共通して言えることなので、一生使える考え方になります。
この「できなかった問題をできるようにする」という行動は誰に言われるまでもなく自然と習得する子もいますが、出来ていない子に定着できるようにしてあげるのが親の仕事です。

できない問題をできるようにするためには、科目・問題によってやり方は変わってきますが、基本的には間違えた問題をできるまで繰り返し取り組んで解き方、考え方、用語などを覚えていくということをやります。
この「できるまで繰り返し問題を解く」という行動を継続できれば、「できない問題」が少なくなっていくので、自然と得点や偏差値は伸びていきます。
逆に、この行動を継続できないと得点や偏差値は伸び悩んで、成績は現状維持もしくは下降傾向になっていきます。

上位クラスの子であれば自分でどんどんテキスト・問題集を進めて、わからない問題があれば先生に質問して課題を解決していく子が多いので、親が関わる部分は少ないと思います。

一方で、下位クラス、特に最下位クラスの子はそういう訳にはいきません。
どんどん問題に取り組めるほど処理能力が高くないので、すべての問題に取り組もうとすると時間的に無理が出てきます。
予習シリーズであれば基本問題のみ、できる単元の場合は練習問題までを取り組み範囲として、地道に知識・解き方・考え方を理解して積み重ねていく必要があります。
また、問題の本質を捉えるのが苦手なので、解けない問題に遭遇してもわからない箇所がわかりませんから適切な質問をすることができません。
どこでつまづいているのか親が気づいて、解けるよう導いてあげる必要があります。

テスト前には出題範囲のテキスト、問題集、過去問など、テスト後にはテストで間違えた問題を対象に、できない問題をできるようにしていく必要があります。
その対応状況を見て、問題を取捨選択をしたり、子供がつまづいている箇所を見極めてアドバイスしたりして、できる問題を少しずつ増やしていけるようにしてあげてください。

4.学習面、健康面、メンタル面の課題を把握して対策を考える

中学受験を進めていると、日々いろいろな課題に直面します。
特に、学習面、健康面、メンタル面の課題は成績に直結することがあるので、子供の状態をきちんと把握して中学受験に支障が発生しないように対策を考えるのが親の仕事です。

中学受験では学習面の課題が一番影響が大きいです。
主に成績が伸び悩む、偏差値が低下するという事象として顕在化しますが、我が家の場合は以下のような課題がありました。
・毎日勉強する習慣が定着しない
・処理能力が高くないため1問あたりに掛ける時間が長くなり、必要な勉強量をこなせない
・問題の本質を捉えられないため、わからない問題を理解するのに時間がかかる
これらの課題は子供の個性や成熟度が関わってくるので、1日に10時間ぐらい勉強したり、四六時中付きっきりで指導すれば解決するものでもなく、最後まで偏差値に影響する大きな課題でした。
やはり中学受験は早熟な子が有利になる勝負なので、普通の子が中学受験に臨む場合は上記のような課題が付きまとうかもしれないという覚悟が必要かもしれません。

健康面は、受験本番のタイミングで体調不良にならないようにするというのが最大のポイントです。
受験勉強がうまくいっても、入試日に体調不良になってしまっては、すべての努力が無駄になります。
我が家は小学校に通うことが病気になる最大のリスクだと考えたので、冬休み明けから小学校への登校は見送りました。
実際に同じ小学校の中学受験組は登校していなかったようです。
受験初日の数週間前からは体調不良になるリスクを極力排除して、万全の体調で入試会場へ行けるようにお膳立てをしてあげてください。

メンタル面は、中学受験に取り組んでいる期間は常に気にかけておく必要があります。
我が家の場合は、小学校から帰ってきて塾に行く直前に突然塾に行きたくないと言い出したり、もう勉強したくないと泣き出したり、いろいろなことがありました。
でも中学受験はやめたくないというので、原因を突き止めることは非常に難しかったのですが、学校での友達との関係、塾での友達との関係、塾の先生との関係、宿題の取り組み状況など、様々な要因が複合的に影響していたようでした。
中学受験のことなので、家族でとことん話をして、塾の先生に相談して解決策を探るということをしました。
とにかく受験初日を無事に迎えられるようにするため、子供が不安に思っていることを取り除くように親は動いてください。

5.まとめ

我が家の第一志望校は自宅から一番近い私立中だったのですが、そこが県内上位の難関校で、YT50偏差値で15程度の開きがありました。
完全な記念受験でしたが受験日程的に併願校と被らなかったため、予定通り受験はしましたがやはり不合格となりました。

一方で、私の中で実質の第一志望校として考えていたのは、第三志望の中堅校です。
ここはYT50偏差値が12月合不合判定テストの偏差値とほぼ同じでしたので、合格の可能性が50%程度でしたが、結果は無事合格となりました。
実質の第一志望校ですし、娘も気に入っていた学校なので、2021年4月からはこの学校に進学予定です。

一般的に見れば中堅校にやっと受かったという結果で成功とは言えないのかもしれませんが、娘は難関校に合格するような成熟した子ではなく普通の子ですし、私も娘も結果に満足しているので家族としては大成功の中学受験でした。
この結果の要因としては、以下のことが大きかったと考えています。
・子供の状況にあった目標(併願校)を設定して、適切な受験日程を組めたこと
・子供の課題を把握して必要以上のことには取り組まず、実質の第一志望向けの対策に切り替えたこと

上記でご紹介した内容は概要レベルのものなので、細かい部分については別の記事でご紹介していければと思います。
難関校を目指せる子は子供に任せて親は見守るというぐらいで丁度良いのだろうと思いますが、中堅校に届くかどうかぐらいの子だと親の動き方がとても重要です。
この記事でご紹介した内容を参考にして受験成功の一助になれば幸いです。

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