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Dune ダッシュボードを見るWeb3投資の真実:VC動向と売却リスクを見極める

Web3プロジェクトへの投資判断を行う際、VCファンドの動向や市場リスクを正確に把握することは重要です。@dyorcryptoさんが整理したDune AnalyticsのVC Printerダッシュボードは、未実現利益やベスティングスケジュールをリアルタイムで分析し、投資家に将来の売却リスクや市場動向を予測するための情報を提供します。この記事では、VC Printerの使い方と投資判断に役立つポイントを解説します。

Dashboard URL:

https://dune.com/dyorcrypto/coinlist22

ダッシュボード概要

このダッシュボードは、Web3プロジェクトに対するVC(ベンチャーキャピタル)の投資パフォーマンスを追跡し、ROI(投資収益率)、現在の価格、未実現利益、供給状況などを分析します。これにより、投資家は将来の市場動向を予測し、情報に基づいた投資判断を下すことができます。

VC Printerとは?

VC Printerは、VCファンドが様々なWeb3プロジェクトにどのように関与しているかを追跡するダッシュボードです。このダッシュボードでは、未実現利益やベスティングスケジュールをリアルタイムで計算し、個人投資家が将来の売却リスクを認識できるよう支援します。

メソドロジー(Methodology)

  1. Average Investor Round FDV

    • 計算方法: 総調達額 ÷ 割り当てられた供給割合

  2. Unrealized Profit (in Multiples)

    • 計算方法: 現在の市場FDV ÷ 平均投資家ラウンドFDV

  3. VC Dominance

    • 投資家供給割合が中央値を上回ると「HIGH」、下回ると「LOW」

  4. Dump Pressure

    • 未実現利益が中央値を上回ると「HIGH」、下回ると「LOW」

主要項目とその意味

  1. VC Returns - Past Cycle Benchmark

    • Project: 投資対象プロジェクト名

    • ATH ROI (X): 過去最高の投資収益率

    • Current Price: 現在のトークン価格

    • Lead: リードVC名

  2. VC PRINTER

    • VC Dominance: 投資家供給割合が中央値を上回るとHIGH、下回るとLOW

    • Dump Pressure: 未実現利益が中央値を上回るとHIGH、下回るとLOW

    • Supply: トークンの総供給量

    • Circ. Supply: 流通供給量

    • Next Investor Unlock Date: 次の投資家アンロック日

    • Supply Unlock: 次のアンロックで供給されるトークン量

    • Lead: リードVC名

    • Vesting Type: ベスティングの種類とスケジュール

    • Investor Supply% in Cap table: 投資家供給割合

    • Raised Amount: 調達金額

    • Avg Investor Round FDV: 投資家ラウンドの平均FDV

    • Market Cap: 現在の市場キャップ

    • Current Market FDV: 現在の市場FDV

    • Unrealized Profit (in Multiples): 未実現利益

注目ポイントとインサイト

  1. 投資家供給割合(Investor Supply%)

    • 高い供給割合は、VCの影響力が大きく、トークン市場に対する支配力が強いことを示します。高い割合には注意が必要です。

  2. 未実現利益(Unrealized Profit)

    • 高い未実現利益は、VCが利益確定のためにトークンを売却するリスクが高いことを示します。高い未実現利益は市場への売却圧力を示唆します。

  3. 次の投資家アンロック日(Next Investor Unlock Date)

    • アンロック日付が近づくと供給が増え、価格が下落する可能性があるため、注意が必要です。

  4. ダンププレッシャー(Dump Pressure)

    • 高いダンププレッシャーは、VCが大量にトークンを売却する可能性を示唆し、市場価格の下落を引き起こすリスクがあります。

データの見方と判断ポイント

  • 供給動向の監視: 次のアンロック日と供給量を監視し、市場への影響を予測します。

  • VCの動向確認: 高い投資家供給割合と未実現利益を持つプロジェクトは、VCの売却リスクが高いことを示します。

  • 長期的な視点: 短期的な供給増加と価格変動に注意しつつ、プロジェクトの長期的な成長ポテンシャルを評価します。

例: MANTAプロジェクトの詳細分析

  • VC Dominance: HIGH

  • Dump Pressure: LOW

  • Supply: 1.0b

  • Circ. Supply: 250.0m

  • Next Investor Unlock Date: 2025-01-19

  • Supply Unlock: 6.52M

  • Lead: Polychain

  • Vesting Type: 1年クリフ、月次2.7%アンロック、36か月

  • Investor Supply% in Cap table: 24.1%

  • Raised Amount: $60.4m

  • Avg Investor Round FDV: $250.9m

  • Market Cap: $262.2m

  • Current Market FDV: $1.0b

  • Unrealized Profit (in Multiples): 4.18倍

インサイト

  • 供給割合が高い: VCの支配力が強く、将来的に売却リスクがあることを示します。

  • 次のアンロック日: 2025年1月19日には注意が必要です。この日に供給が増え、価格が変動する可能性があります。

  • 未実現利益: 4.18倍の未実現利益は比較的高いですが、ダンププレッシャーがLOWであるため、すぐに大量の売却が起こるリスクは低いと考えられます。

結論

このダッシュボードを活用することで、VCの動向やトークンの供給スケジュールを把握し、将来の価格変動を予測するための有益な情報を得ることができます。特に、次のアンロック日や未実現利益に注目することで、VCの売却リスクを見極めることが重要です。

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