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海のはじまり4話 痛めつけられた有村架純がやっと清算された

 この話は45歳のバツイチ子無しの男が、ネタバレ全開で感想を述べております。不適切な言葉や的外れな感覚を持った表現があるかもわかりませんが、それを踏まえて楽しんでいただければと思います。

第1話

第2話

第3話

 今クールの月9ドラマの脚本がsilentチームの生方美久さんが脚本ということで、かなり期待してドラマを楽しんでおります。4話まで見る限りでは、やっぱり「海のはじまり」はとんでもドラマだと思っています。

 私は月岡夏(目黒蓮)の立場になって考えてしまいますが、やっぱり彼のおかれた立場はとんでもストーリーと思ってしまうのが正直なところです。
 しかし、さすがは生方美久脚本であり、ありえないシチュエーションでありながらも一つ一つの描写があまりに丁寧でリアリティーが高いので、大映ドラマを見ているようなツッコミはできなくなっています。

 むしろ、登場人物それぞれのキャラクターに感情移入をさせながら、自分の気持ちに正直にいろんなことを感じております。

 そもそも、ある日元カノが訃報を聞いてお葬式に参列したら、知らない女の子が自分を見ている。元カノの妊娠中絶の同意書にサインをしたはずが、実は中絶をしないで一人で子供を育てていた。それが自分の娘であることを自分は全く知らなかった。

 元カノが亡くなってしまった後、これから父と娘として生きていく。

 「海のはじまり」のシチュエーションを何度も振り返っても、やっぱりありえない。私はバツイチ子無しの45歳のいい大人であり、全くありえないシチュエーションだが、それでも月岡夏を通して感情移入しながらドラマを楽しんでいます。

 有村架純をいろんな感情でみていた

 第4話では、元カノの南雲水季(古川琴音)と現カノの百瀬弥生(有村架純)の対比が鮮明に描かれていました。

水季は何でも自分で決めてしまうタイプで、夏に内緒で子供を育てるという状況は、やはり現実離れしていると感じます。

しかし、水季のような独特の感性を持ち、何でも自分で決めるキャラクターなら、そのようなこともあり得るかもしれません。

一方、4話までに夏の現カノである百瀬弥生の印象は大きく変わりました。

弥生は賢くて面倒見が良いため、私のような優柔不断な人間から見れば、理想の彼女に思えました。彼女がいれば、人生のパートナーとして導いてくれるだろうと感じます。

それに、弥生は彼氏に突然娘ができたことにも動じず、落ち着いて先回りして考えているように見えます。

しかし、弥生も中絶の過去があり、夏がかつて中絶に同意したことへの罪悪感を軽く感じさせてしまいます。

そして、夏以上に海ちゃんの母親になりたがる弥生の態度には違和感を覚えます。大竹しのぶが言う「あの子は母親になれる顔をしている」という自信にも苛立ちを感じます。

弥生は確かに賢くて頼りになりそうですが、時には彼氏に対して上から目線になることがあり、それがイライラの原因になります。

相手に考える時間を与えずに決めさせようとする弥生の態度は、本当にイライラさせられます。

私も夏のようなタイプで、思慮深いとも言えるし、優柔不断で決められないとも言えます。そんな私にとって、弥生のように即決で物事を決める人がありがたいと感じることもあれば、急いで決めようとする態度に反発を感じることもあります。

結局、私が別れを選んだのは、私の優柔不断さと元嫁のてきぱきとした性格が合わなかったからです。

そんなわけで、有村架純にイライラさせられたことを考えると、生方美久が彼女を全国の男の敵に仕立て上げているようにも感じます。

これまでの話から、有村架純はモブキャラではなく、立派な主人公であったと言えるでしょう。

水季と弥生のコントラスト

 4話はここまでの伏線を回収するかのように、夏くんの元カノ水季と今カノ弥生の対比を鮮明に描いております。

 水季はご存じの通り、とても変わった感性をお持ちであり、海ちゃんを一人で育てたいきさつも強引ながらも納得させられました。

 そんな変わった感性の水季もやはり、子供を産むのか墜ろすかは随分悩んでおりました。母の朱音(大竹しのぶ)の心配しており、「子供を産んで育てるのがどれだけ大変かわかってるの?」という言葉に激しく反応してしまいます。「あなたを産むのにどれだけ大変だったと思っているの?」と親から言われたら、ありがたいと思うべきだろうけど、ムシャクシャしている時だったら「知らねーよ」と返してしまう気持ちもわかります。

 そんな水季を後押ししてくれたのは父親でした。当たり前ですが、男は子供を産むことはできません。なので、子供を産むことの大変さは理解できないです。

 しかし、理解ができていないからこそ純粋に思ったことを伝えることが重要だとわかります。「孫が生まれるのが、凄い楽しみ!!」という、お父さんの素直な気持ちが、大きな後押しになりました。

 なんも考えていない変わった感性だと思われていた水季も、やっぱり悩んでいたと思われ、なんだかんだ家族に恵まれていたんだと思います。

 それでも謎が残ります。

 子供を産むと決めてから、「夏くんより好きな人ができた」といって別れを選んでしまうのか?

 水季の感性はおかしいと思っていますが、子供を産むことへの決断には全く違和感を感じません。感性がおかしいから彼氏と別れて、一人で子供を産むということが成立すると思っていました。

 夏くんだったら、いくら望んでいない出産だとしても、「一緒に産んで一緒に育てる」ことを選んでしまうでしょう。水季をほんのわずかでも理解をするならば、あまり人に気を使いたくないというところでしょう

 結果とすると、まわりまわって迷惑かけまくってる結果になっている気がします。

 一方で、弥生さんはちょうど同じような時期に妊娠中絶をしております。

 設定は、夏くんより2つぐらい年上といったところで、夏くんと水季が大学3年の時に妊娠が発覚だとしたら、そのころ弥生と「浅井悠馬」は社会人2年目にして妊娠が発覚したという。

 社会人2年目というのは、新しい環境にようやく慣れ始めたとはいえまだまだ不安定なキャリアである。そんな時に結婚の前に出産が出てきたら、ライフプランが大きく崩れてしまう。

 それでも弥生は新しい命と共に新しい生活のことが頭の片隅にあった。しかし、「浅井悠馬」はやはり非情だった。回想シーンで登場するだけの存在だからかもしれないが、ホントに嫌なやつに感じた。このシーンは男も女も「浅井悠馬」に好意を抱く奴はいないだろう。

 ただ、そんな立場になってしまったら私も「浅井悠馬」のような考えに至るかもしれない。

 社会人2年目って人生の中でも、かなり重要な時期である。1年目は右も左もわからずに、上司や先輩たちについて教わるばかりの立場だ。2年目でそのような立場から卒業し、独り立ちをするのだがやはり慣れないものは慣れない。私が仕事において最も苦労が絶えなかったのは2年目~3年目だ。しっかり責任はついてくるけど、上司の方が多く気苦労が絶えない。その後の10年目20年目とステージが変わって見え方も変わってくるけど、やっぱり大変ではあったが・・・・

 一方で最も浮かれてしまい楽しかったのもこの時期かもしれない。何しろまとまった金を使うことができるようになり、行動範囲も広がって悪いことばかり覚えたのも3年目から5年目ぐらいかな。

 ずばり、「まだまだ遊びたい時期」であり、楽しく好きなように生きていきたい時期である。これは40歳を超えた人間の価値観かもしれないが、入社2年目の結婚って早すぎるのです。

 結婚のイメージって26~29歳が適齢期なのでしょうか?

 ハッキリ言って誰がそんなこと言いだしたのかわかりませんし、こんなことを明文化されたって誰も共感しません。けど、なんか知らないけど日本の社会にはそんな空気が残っている気がします。

 うっかり口に出したらハラスメントだけど、新人や入社2年目が結婚したと聞いたら「もうかよ。はやいなあ」って考えちゃいますし、30前に結婚したという話なら普通のことだと思いますが、それを超えると結婚できない人って考えてしまいます。

 私も35歳までに結婚したいと思いながら、無理やり33で結婚して間に合わせたぐらいです。

 そうなると入社2年の出産は完全に予定外であり、非常ともいえる決断に見えたのでしょう。

 私の感情を素直に伝えさせていただくと、「浅井悠馬」にはいっさいの同情もなく、ふざけた野郎だと思いました。ドラマからはここで退場してもらった方がよいと思います。下手にトラウマとかなんだとか言わないでほしいし、かといって開き直られると本当に嫌いになります。

 そうなると弥生はつらい過去を背負うことになります。

 おそらく、今の弥生を形成しているなんでもテキパキと考えてしまうこと、すべてを先回りして決断しようとすることは、生まれつきの性格ではなく、この時を境に形成されたと考えられます。

 なんでも先回りして考えることは、ヘタレの男子にとって頼もしく感じるが、時として同性にやられる以上にイライラさせられてしまいます。

 3話で感じた物凄い違和感は、目黒蓮が男を代表してピシャリと言ってくれました。ヘタレだと馬鹿にしていましたが、こういうところはさすがです。

 海のはじまりの最大の謎は、夏と弥生といった性格の全然違う二人がなぜ付き合えているのかでした。あんまり納得できていないけど、その謎もある程度は回収されております。

 顔が目黒蓮ということを差し引いても、月岡夏という男はあんまり女性からモテるタイプではないでしょう。しかし、ああいうタイプの男は100人中1人からは好かれて、その1人と確実に付き合うことができる男だと思いました。

 そういうタイプの男は案外周りにいるかもしれません。万人からモテる奴って幻想なのかもしれませんが、学生時代には周りの男が万人からモテるような奴ばかりに見えて、そうでない自分が変なこじらせをしてしまった気がします。

 若干自惚れのような自己分析をすると、私も100人中1人から好かれるようなタイプだった気がします(自分で言ってて恥ずかしい)。ただ、その一人を私があまり興味持たなかったので、全然モテないように感じていたかもしれない。(やっぱりうぬぼれているか・・・・)

 そんなこんなで4話が水季と弥生をしっかりと対比させながら、ここまでの謎を回収させてきました。

 これから夏休み、朱音の家で海ちゃんと1週間接することになります。海ちゃんを育てるというにはおこがましい、これから全然違う生活が待っています。

 いったいどうなるのか




 

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