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不適切にもほどがある最終回 アップデートしなきゃいけませんか?①

 第9話で渚をこれでもかと痛めつけられるのを見てモヤモヤと考えているうちに最終回を迎えてしまいました。

 職場内での「パワハラ」に「モラハラ」といろいろと考えさせられ、令和の働き方への恐怖をまざまざと感じさせられました。妊活をしている女子社員が悪いのか?それともドラマなのかで裁かれるように渚が悪いのか?いろいろなシチュエーションを考えさせられるけど、私はジャッジできる立場にありません。そんなことをあれこれ考えているうちに最終回を迎えてしまいました。

 弁明の余地はあるにせよ「居ないものとして考える」というのは、結構な言葉の暴力かもわかりません。私もそれなりの人生においてそのような言葉を投げかけられることはままありました。本当に予定が合わずに自分抜きで進めていただくために気を使って声をかけていただき、それを素直に受け取り恐縮した時もあれば、自分が戦力外通告を受けたかのように、その言葉が心の中にとげが刺さったように感じたこともあった。やる気を失った私は本当に居ないものとなった。自分の能力が不足しているのを呪い、何気ない上司の言葉が刃となって突き刺さったこともあった。

 9話では令和の取り巻く環境が渚にとって逆風でしかなかった。自分が生まれる前の、おじいちゃんとお母さんが健在だった昭和に行くことができたらどんなふうに見えるのだろうか?

最終回までとっ散らかってもいいじゃない(ネタバレ注意)

 7話でエモケンに小川市郎が「最終回が決まっていないなんて最高じゃない! とっ散らかったっていいじゃない」これは最終回までのフリだったのか。1995年で市郎と純子は阪神淡路大震災で死んでしまう。それを知った市郎はどうするのか?「タイムパラドックス」に従うのか、それとも抗い自身と純子は助かる道を選ぶのか?

 その運命をしっかり聞いて泣いていたムッチ先輩は令和に行って何をやらかすのか?はらはらしたけど、結局何も起きなかった。

 サカエの昭和での恋の行方はどうなったのか?タイムパラドックスでキヨシは?井上は?タイムマシンは結局どうなる?と笑いながらもハラハラしながら見ていたが、最終的にサカエが令和に戻ったので安森先生の恋は終わってしまった。

 そして小泉今日子は何しに来たんだ。彼女をおばさん呼ばわりすることが、最大のコンテンツであったが、いろいろととっ散らかっていた。クドカンが遊びに遊びまくって考察班も大いに盛り上がった。小泉今日子は何しに来たんだ。市郎と純子は結局どうなるのか?一瞬現れたあの人物やあのセリフは何かの伏線だったのか?伏線となって回収されることもあれば、ただの遊びだったものもある。

 1話から9話まで散らかしまくったが、最終回で収まるところに収まりました。

 それにしても冒頭から笑わせてくれます。えっ?市郎と渚は昭和に行ったんじゃないの?というツッコミは脇に置いといて、磯村勇人が下手くそなあいみょんを泣きながら熱唱しております。「失恋ソングは賄い飯」イヤー言いえて妙です。賄い飯は飲食店でアルバイトにふるまうための料理です。飲食店でアルバイトする一人暮らしの大学生にとって夕食が付くというのは、かなりありがたいですね。平成初期に学生アルバイトをしていた私にとって時給の大小よりも食事が付くことが魅力だったりしたのを覚えています。私は実家にいましたが、大学生で一人暮らしをしている友人たちは総じて食事には苦労しておりましたから、賄い飯ってありがたいものです。しかし、賄い飯はお金を取ってお客様に提供できるものではありません。その日の残り物です。かといって残飯というには言葉が強すぎます。

 言葉を選ばずに言えば、磯村勇人の歌は「くそ下手」です。だからってジャイアンのような扱いはしにくいです。あいみょんのドライフラワーを歌うことに対して渚は心から拒否をしています。ここまで下手じゃないけど、私のカラオケは賄い飯のような感じです。もちろん音楽で勝負するようなセミプロからすれば下手ではありませんが、仲間内でのカラオケやキャバクラでのカラオケではそれなりの評価をいただき、とりあえず気を使ってくれています。ですが下手とは断罪されないけど、雑談が始まったり飲み物をお替りするタイミングになります。ガールズバーで歌った時には悪口は言われないけど、でかい声で話をする他のお客さんにかき消されるぐらいです。採点ゲームだったらジョイサウンドで90を超えるぐらいですね。まあ、下手じゃないけど対して盛り上がらないよねっていうレベルです

 渚をかばうために命懸けのミュージカルを演じた犬島ゆずる、彼にお別れをするためにお義父さんである小川市郎がお見舞いにくる。「ゆずるが市郎に挨拶→一郎が全力で反対する→でもすでにできちゃっている→錦戸亮のダンスに市郎のタックル→1995年に仲直り→一郎と純子は震災で亡くなる→2024年に会いに来る」というループを繰り返します。錦戸亮の「結婚の許しを乞うダンス」にやっぱり笑いました。

 オープニングからいろいろと情報を入れてくるので、なかなか本題に入ることができませんが、ようやく市郎と渚が最後のタイムマシンでようやく昭和に行きます。令和の世の中に痛めつけられている渚に昭和の景色を見せることが目的ですが、市郎にはもう一つのミッションが残っております。地上波のおっぱいにすっかりご満悦のキヨシを令和に戻すことです。燃料は後1回分しかないということで、なぜか井上の所属する大学の学生が人力でバスを動かし、「ムツゴロウ王国崩壊」を胸に秘めてようやく市郎の渚は昭和に向かいます。自動運転のバスのはずだが、マネキンは外に放り出されております。

2度目の親子対面(渚と純子)

 喫茶スキャンダルで渚と純子が親子の会話をしております。純子が母(18歳)で渚が娘(34歳)です。(渚にとって)理不尽ともいえるパワハラの処分が下されて休職している身ですが、純子が言うには相手の子はあんまり気にしていないはず、誰でも自分本位に考えてしまうことがある。たまたまその時だけだったのことだ。もらえるはずのない母からのことば、渚の胸に深く染み渡ったことでしょう。それにしてもナポリタンが上手い、令和のナポリタンは味が落ちたのか、泣きながら「もっと本気で普段通りやりなさいよ」とマスターに激を飛ばす。結局マスターはマスターだったか。クドカンのことだからいくつも匂わせポイントを用意するものだが、ここは回収しなかったな。

 もう一つのミッション謎の転校生キヨシもいつまでも地上波のおっぱいを見ているわけにはいきません。純子や佐高くんとお別れしなくてはいけません。渚とともに令和に帰ります。

「おっぱいみせてくれてありがとう」と晴れ晴れとした表情で令和に帰ります。ムッチ先輩のキャラ変と共に純子のお仲間もそろってキャラ変しスケバンは絶滅に向かう。そしてなぜかムッチ先輩とお仲間が付き合うことになる。この中に秋津君の母親がいたのか。他にも触れたいことはいくつもあるがそれにしても情報量の多いドラマだ。それにしてもバスに乗り遅れた二人はいったい誰だ?なんか見たことあるぞ。

 こうして、無事に昭和に戻ってきた小川一郎、令和に戻ったサカエとキヨシ、半年間にわたる不思議な体験を経て、これからどう生きるのか?

続く






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