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パンが天然酵母を育ててパンを焼く話②〜捨て種を活かせ〜


※前回のお話はこちら
https://note.com/pan_ist_oishii/n/n0c08e9b244fc

ハローえびばで🦐ビョンッビョンッビョンッ

深夜にノリと勢いでサワー種を始めたところ、毎日種の半分を捨てて新しい粉と水を足さなければならないことを知ったSemmel。(この工程は酵母への餌やり=フィードと呼ばれる)

しかもレシピの2倍の量で仕込んでしまったため、捨てる量もそれだけ多くなる。

人間、時には勢いも大切ですが、基本的には綿密な下調べが必要ですよねえ......。

今手元にあるのは、ライ麦粉入りの種200gと、薄力粉入りの種200gの2種類。

24時間ごとに半量(100gずつ)を捨ててフィードをするから、一日に200gの捨て種が出ることになる。

食べ物を捨てるなんてとてもできないので、これはタッパに溜めておく。
常温で放置しておくと酵母の活動が活発になるため、捨て種は冷蔵庫で保管することにしよう。

ではここから私の必殺ぐるぐるGoogleタイムである。

「サワー種 捨てる 活用」「捨て種 レシピ」などで検索しまくる。

なにがなんでも、食べ物を捨ててなるものか!!!!

あの瞬間の私は、確実に全身から闘気を放っていたことだろう。スカウターも壊れんばかりの検索ぶりだった。

調べてみると、やはり私のように、捨て種を本当にゴミとして捨ててしてしまうことに抵抗がある人も多いようだ。

実に多くの捨て種活用レシピが見つかった。

すばらしい。先人の知恵に感謝。巨人の肩を踏み踏みして肩凝りをとってさしあげたいところだ。
We stand on shoulders of giants.
Wir sind Zwerge auf den Schultern von Riesen!

↑↑↑
使い方間違ってる?合ってる?

ということで今回は私が実際に行った捨て種活用法を紹介しよう、

1、普通のイーストを使うパンに使用(イーストと酵母の併用)

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捨て種ってなんじゃいなというと、要するに粉と水である。

粉と水の割合はいつも1:1。なので、100gの種は50gの粉と50gの水みたいなもんである。

では、普通のパンのレシピ、例えば強力粉500g、水350gを使うパンに捨て種を使えるのではないか?

理論上は、強力粉450g、水300g、捨て種100g(粉50gと水50g)でほぼ同じものになるはずだ。
捨て種が初期のほとんど酵母が育っていないものか、完成間近の酵母つよつよかでも変わるだろうが、一応酵母の存在を考慮して、レシピより若干イーストを減らしてみる。

出来上がりは写真の通り。

サワー種で焼いたパンは酸っぱくなるそうだが、このパンはいつも通りの味がした。酵母の育ち具合か、全体に占める種の割合にもよるのだろうか。

イーストをいつもより若干減らしたが、発酵不十分にはなっていなかったので、これはもしや酵母パワー?


2、ピザ🍕

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ピザって10回言ってみて
↓↓
ピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザ
↓↓↓
ここは?💪
↓↓↓
“Elbow.”

           〜完〜

はい、では捨て種を使うピザを焼いてみました。
発酵にはイーストを使います。
パンは一次発酵と二次発酵がありますが、ピザは一次発酵だけなので手軽でいいですね。手軽足軽カンガルー。

4種のピザを焼いてみました。

・キノコのピザ
オリーブオイルでニンニクとキノコを焦げる手前まで炒め、オイスターソース+塩胡椒で味付け

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・ツナたまピーマンピザ
炒めた玉ねぎ、ツナと生のピーマン

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・The⭐︎ピザ
ざ・ぴざ。ピザっていったら100人中90人くらいが思い浮かべそうなやつ。
ピザソースとかベーコンとかピーマンとか。

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・明太チーズ
高カロリーにして正義。そん正義。

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ピザを焼く際、いきなりオーブンにいれるのではなく、フライパンの中で生地を伸ばして底面を少し焼いてから焼くといいらしい。
窯焼きピザみたいになるとか。

確かにうちのオーブンは上火のみなので、フライパンで底を焼くといいかも。

種にはもともと全粒粉やライ麦粉が入っているので、いつも食べるような真っ白な小麦粉100%の生地とは少し味わいが違った。

明太子は正義!痛風がなんだ!明太子は正義!Икра ура!!

これは美味しかったのでまたやろう。余ったら冷凍できるし。

ちなみに私はアメリカタイプの厚いもちもち生地よりイタリアタイプの薄いクリスピー生地が好きですが、皆さんはいかがですか?


3、パンケーキ

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\パパパパーン/
\パパパパーン/
\パパパパン パパパパン パパパパン パパパパン パパパパ-パーパーパパパパパパーパパーパパン/

メンデルスゾーンの結婚行進曲は置いといて、捨て種を使ったパンケーキを作ってみました。

朝ごはんに食べようと思ったら、前日の夜に生地を仕込んでおくらしい。

材料の粉や水と種を混ぜ合わせたが.....レシピには粉をふるうという指示がなかったのでふるわずに入れたところ、ダマッダマである。あらまあ、あだまあ。

うえ〜、明日焼く前に一度ザルで濾さないとな......と思いながら私は床についた。

しかし翌朝起きてみると、あのダマが消えているではないか!

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あと、表面に泡がぽこぽこ浮いていて、酵母の活動で生まれたガスの跡だろう。

そういえば、ケーキの時は必ず粉をふるうが、パンのレシピでは粉をふるうものを見たことがないな......。

酵母パワーか。すごいぞ酵母パワー。

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すごくもちもちのパンケーキで美味しかった。

残りは冷凍していつか食べよう。


4、お好み焼き

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まあいうて粉と水ですからね、粉物に使えないはずがない!

そして、どうしてもパンケーキやパンばかりだと「こんなに炭水化物とっていいのかしら......」と罪悪感が募るが、お好み焼きは野菜ですからね!(?)

捨て種に卵や出汁粉、千切りキャベツや青ネギ、天かすなどを適当に混ぜる。
生地の具合を見て、必要なら水と薄力粉を足す。

うちでは、水の一部を牛乳にしている。これでお好み焼きが美味しくなるらしい。

普段は山芋のすりおろしも入れるが、あいつ、ぬるっとしてるし手がかゆくなるので.......種を使って焼くともちもちになるらしいし......豆太ァアア......だから今回は山芋は割愛しましょうかね。

焼き上がったのを食べてみると、普段よりとろっとしているような気がする。(加熱が不十分というわけではなく)
そして確かになんだかもちもち......もしもし......allo allo?
これが、酵母パワー?

お好み焼きも多めに焼いて冷凍しておくとのちのち助かりますね。

そしてふところが深いので、ニンジンとかピーマンとかキノコとか、その時ある野菜を入れても何ら問題がない。すばらしい。


5、バナナブレッド

完熟したバナナが要るらしい。

ここで化学の授業を思い出す。

まだ青いバナナと熟したリンゴを同じ袋に入れて密閉しておくと、リンゴが出すエチレンでバナナが早く熟すらしい。
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なんか全然効果なかった。仕方ないから別のバナナ買ってきて、あんまり塾してないけどバナナブレッド焼いた。

やはり、捨て種に含まれる全粒粉・ライ麦粉のおかげで少し個性的な味に仕上がる。全粒粉ってなんか茶色い粒々みたいなのあるしね。

これも冷凍しておいて朝ごはんやおやつに使える。


以上が、私が実際にやってみた捨て種活用方法だが、他にも無数のレシピがあるようだ。

先人のおかげで、一切捨て種をゴミ箱に放り込まずに済んだ。

前述の通り、要するに粉と水なので、粉と水を使うものならなんでもいけそうだ。

餃子とかヒンカリとかペリメニとかボーズとかピエロギとかマントゥの皮にも使えないかなあ.......誰か試してみてください。ぷりぷりダンプリング🥟🥟🥟


※おまけ

あまりにも紹介しづらい捨て種活用レシピ……塩やニンニク、ハーブを混ぜてオーブンで焼き、切り分ける、クラッカー……。

いや、レシピは悪くない、たぶん私が悪いんだけなんだ、上にチーズふったらチーズクラッカーみたいで美味しいかなと思ったし、ちょっと生地の厚みが均一にならず、一部薄いところができて焦げただけなんだ……。

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なんか禍々しい魔界の食べ物を錬成してしまった……。


つづく

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