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バンクシーとパレスチナ(「バンクシーって誰?展」レポート)

こんにちは。駐日パレスチナ代表部です。

先日、現在、東京・天王洲で開催されている「バンクシーって誰?展」に行ってきました。

正体を明かさずに世界各地に作品を残すミステリアスなストリートアーティストとして有名なバンクシー。ユニークなアイディアで現代社会が抱える問題を風刺する彼の作品には、多くの人が強い印象を受けていますよね。

今回取り上げる「バンクシーとパレスチナ」というテーマですが、パレスチナがこの世界的アーティストに関係していることはご存知ですか?今回は、そんなバンクシーとパレスチナの関係について、「バンクシーって誰?展」のレポートも交えてご紹介します。

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("Love is in the Air (別名: Flower Thrower)"バンクシーのウェブサイトより)

バンクシーが初めてパレスチナに作品を残したのは2003年のことです。  ヨルダン川西岸の街ベツレヘムのガソリンスタンドの壁に、彼の代表作の一つである "Love is in the Air (別名: Flower Thrower)" を描きました。これは、何かを投げようとしている青年の手に花束を持たせた作品です。紛争下にあっても、敵意ではなく愛を持とう、というバンクシーの平和への願いが伝わってきます。

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("Kitten" バンクシーがYoutubeに投稿した動画 "Make this the year YOU discover a new destination"より)

こちらは、2015年にガザ北部の街ベイトハヌーンにて、破壊された家の壁に描かれた「Kitten(子猫)」という作品。周囲の様子には似つかわしい可愛らしい子猫の絵には、「ガザが破壊されていても、人々はネットで子猫の写真しか見ない」という皮肉が込められています。

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("The Walled Off Hotel" パレスチナ観光庁ホームページに掲載の写真)

ウォールアート以外にも、バンクシーは2017年にベツレヘムで「ザ・ウォールド・オフ・ホテル(壁に囲まれたホテル)」をオープンさせました。このホテルはその名の通り分離壁の目の前に建てられ、部屋の窓から分離壁とイスラエル軍の監視塔が見えること、部屋に日光が入るのは一日たったの25分であることから、「世界一眺めの悪いホテル」と言われています。バンクシーの世界的な活躍に伴い、世界一眺めが悪くても人気のホテルとなっているようです。

バンクシーがパレスチナに残した作品は数多くあり、今回の記事でその全てをご紹介することは出来ませんでしたが、上記で触れた作品は「バンクシーって誰? 展」にて展示されています。「バンクシーって誰? 展」では、ただ作品が飾られているわけではなく、それぞれの作品の周りには、その作品が描かれた周囲の街等の様子が再現されていて、パレスチナゾーンもかなり雰囲気が作り込まれていました。まだの方には是非ご覧になっていただきたいです。

今回、新型コロナウイルス感染症対策を踏まえ、混雑を避けて平日に行ってきました。平日であればゆったりと見られるようです。会場では感染症対策も徹底されていましたが、足を運ばれる際は是非お気を付けてくださいね。

イベントについての詳しい情報は、こちらのイベントオフィシャルホームページをご参照ください。

「バンクシーって誰? 展」

会期:2021年8月21日(土)〜2021年12月5日(日)

会場:寺田倉庫 G1ビル

開館時間:11:00〜20:00 (金・土・祝前日は21:00まで。最終入場は閉館時間の30分前)



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