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NiziU/Boom Boom Boom が、小説のなかで流れたら

体をふるわせる低音が、2発ずつで倍速になっていく。すでにこの音が、タイトルのとおり「Boom」と鳴っているようにきこえる。

上昇していく効果音にさそわれ、4つ打ちのベーシックなAメロへ。《欲しい 大音量の》と歌っていながら、その声は淡々としている。

業を煮やしたかのように切りこんでくるハードなラップ。だんだんと喉をしめていき、半ばシャウトのような《WOW!》へたどりつく。

「まあ落ちつけよ」と、バスドラムの数が半分になる。メロウな歌唱とシンセサイザーが雰囲気をつくる。それらが、連打されたバスドラムとともに幕のうしろへ——空間系のエフェクトだけが深くのこり、サビへの準備が整う。

彼女たちのほかの曲とおなじように、《make you》の文法で歌われるサビ。タイトルの《Boom》がつづく。階段を一歩ずつのぼるかのようなリズム。いかにもテクノなシンセサイザーがうねっている。

2回しめで、一瞬ダークなコードをしめすベース音もアクセント。ひかえめだったヴォーカルが、《La la la la la la》と、KARAのヒット曲のようにコーラスを入れる。

2番のAメロから、ラップなしでBメロへ。さらにサビが終わると、スペイシーな間奏パート。チョップされたヴォーカルに強いエフェクトがかけられ、キレと同時に伸びやかさもある。

3度目の加速するバスドラム連打から、ラストのサビへ。《La la la la la la》の小節おわりに「Fu!」と入れてテンションをあげる。

着地もきれいに《Boom》のかけ声で、《虹の向こうへ》の踏みきりは万全だ。


#音楽 #小説 #短編小説 #創作 #ショートショート #note初心者 #NiziU

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