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就労移行支援事業所に通っていました

体調を崩して前職を退職してから数年のブランクがあった私。そろそろ体調も回復してきて、就活を考える時期。「さて、どうしたらいいものか」毎月ポスティングされる市の情報誌のお仕事欄を見ながら、漠然とした不安を抱えていました。適応障害を再発させたくない。でも、どうやって? 方法は、あるのだろうか。

右も左もわからない私に、町の事業所が目に入ってきます。A型作業所、B型作業所。どんなことをしているんだろう。全然知らない。ここは、新しい作業所かな「就労移行支援事業所?」ネットで検索してみました。へえ、そういう支援があるんだ。ここなら、何かわかるかもしれない。早速、メールを送って見ました。「見学したいんですけど。」

初めて就労移行支援事業所へ見学に行った日。緊張と不安からか私は前夜、一睡もできていませんでした。徹夜の頭でボーっとしたまま、施設長さんから話を伺いました。40年近く生きてきて就労移行支援の存在を知らなかった私。福祉に限らず、自分に関係ないことは本当に全く無いことになっているんだなと、軽いショックとともに、とても勉強になりました。

私からも、この数年の出来事をお話しました。仕事中毒だったこと、自分で自分にプレッシャーを与えていたこと、抑うつ状態だったこと、薬の禁断症状に耐えていたことなどなど。「パジャマさんの場合、まずは、ここへ来るだけでいいです。来ることから始めましょう」と言われたことが記憶に残っています。そのくらい私は体力がなく、ストレス耐性も低い状態。ブランクとは、そういうことでした。

事業所はすぐに契約して通えるものではなく、定員があって、ちょうど満員だったために私は体験通所という形でしばらく過ごしました。体験中のうちは休んでばかり。初めての環境への不安からストレスを感じて、体調を崩しがちでした。そんな自分が情けなくて落ち込む負のループ… 早く仕事をしたいのに、そうもいかない、待機状態に不満があったのも正直なところでした。

正式に通所メンバーになってから徐々に体調が安定して、通所できる日が増えていきました。やっと前進できたことへの嬉しさ、安心。そして、事業所での職業訓練、提供される知識・情報で、ストレスとの付き合い方や自己分析が捗り、やる気が出てきて、精力的に活動ができるようになりました。事業所のスタッフさんのあたたかいサポートも大変心強かったです。

私は社会人になって以降、自分が何を感じているのか、よく分からなくなっていました。本来感が希薄で、他人軸になっていました。それゆえにストレスを自覚できず、いつも「なんだか体調が悪いけど、市販薬で誤魔化そう」で思考を止めて、結果的に適応障害、うつを拗らせてしまいました。

でも、事業所での職業訓練によって、なんの縛りもないニュートラルで自由な自分に立ち返り、自分はどういうときに幸せを感じるのか、どのような価値観を大切にしたいのかを、改めて整理できたと思います。そして、ストレス対処も以前よりできるようになったと感じています。

1年以上通いましたが、休むこともなくなりました。体調がイマイチな日は、もちろん今でもありますが、そんな厄介な自分の特性を許せるようになったのは、就労移行支援事業所のおかげですね。

このたび内定をいただき、事業所を卒業しました。精神障がい者の社会復帰のロールモデルの1つになれるように、今後も精進したいと思います。新しい世界での新しい自分に、期待と不安で揺れる中年の春です。