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【私の体験記②】睡眠薬・抗不安薬の離脱症状を知っていますか?気がつけば混沌の世界にいた【減薬・断薬】

※はじめに お読みください※

この記事は、あくまで一個人の体験談記です。
医療関係者による監修は入っておりません。

私のマガジン(ストレスで病気になった)に、初めてメンタルクリニックに かかった経緯や症状、経過をまとめています。前提として、ストレスにより出る症状、症状が出る順番や進行の仕方、速度は、人により様々であり、誰一人として同じ経過をたどらないことを、ご理解ください。

上記マガジンの記事④で少し触れた「処方薬を減らしたいと主治医に相談。指示どおりに減らすと体が恐ろしい事態に」が、今回の体験談シリーズの話になります。

センシティブな内容だと思いますので、読むことで不安な気持ちになりそうであれば、ブラウザバックしてくださいませ。
読み手の皆さまには、読まない自由があります。

お読みいただく際は、ぜひ、冷静に読んでいただけますと幸いです。

***

私は「ベンゾジアゼピン系薬」を医師に処方され、その処方量どおりに2年間常用していました。

そして、医師の指示どおりに減薬・断薬をしました。

その後に体験した(現在も体験している)「離脱症状」について、まだ一般的にはあまり知られていないのではないか? と思い、当事者として体験を伝えたいと考えました。

正直なところ、ネット上にあげることについては、ずっと躊躇していました。私の体験している事は、とてもセンシティブだと思うからです。

しかし、この辛い体験は、他の方にはして欲しくないという想い、願いが私にはあります。

なので、私は勇気を出して、現時点までの体験をネット上にアップすることにしました。

私はベンゾジアゼピンを知らない人間でした。自分で離脱症状を体験して、勉強して初めて知ったことが沢山ありました。
それをシェアできればと思います。

冒頭にも書きましたが、あくまでも一個人の体験談です。「私の身にこんなことが起こりました」という情報にすぎず、医学的・薬学的なアドバイスをするものではありません。この点は、あらかじめご理解ください。

【重要なお願い】
1.薬の自己判断での急な減薬・一気断薬は危険です。まずは主治医にご相談ください。
2.私は医療者ではありません。ですので、私は医学的な質問にお答えすることはできません。
3.この記事で得た情報からいかなるトラブルが発生しても、私は一切責任を持ちません。
4.この記事は投薬治療や精神科・心療内科での医療行為を全て否定するものではありません。

***

①(https://note.com/pajamas_de_alive/n/na770f504e565)のつづきです。

3.ベンゾジアゼピン!? 何それ

私が飲んでいた2つの薬は「ベンゾジアゼピン」という種類だと分かりました。そして、薬を減らすと「離脱症状」が出る人がいるということも知りました。

離脱症状(退薬症状、禁断症状)
依存性のある薬物などの反復使用を中止することから起こる病的な症状。
(厚生労働省 e-ヘルスネットより引用)

私の体験した症状はベンゾジアゼピンの離脱症状に ほぼ一致していました。

… 離脱症状の話を主治医から聞いたことは一度もないぞ?
私が2年、毎日かかさず飲んでいた薬って、止めたり減らしたりするのが難しい薬なの? 

ネットには、読むだけで怖くなる情報がたくさんありました。
しかし、全ての情報が真実かどうかは分かりませんでした。混乱しました。

もし本当なら、なんで先生は教えてくれなかったんだろう?
私の方も、自分からちゃんと質問したことがなかった。
今度病院に行ったときに、先生に聞いてみよう。

減薬・断薬から1か月後、日常生活を這ってでもなんとかこなせるようになり、主治医のいる かかりつけのメンタルクリニックへ行きました。
そして、この1か月間に起きた前述の出来事を話しました(仕事は1か月休みました。)
主治医は『へぇ~』と軽い反応を示すのみでした。

私は、最も聞きたかったベンゾジアゼピンの離脱症状について、勇気を出して聞いてみました。
「先生、私の症状って、薬を減らしたことで出た、離脱症状ってやつじゃないんですか?」

すると、主治医は私に顔をグッと近づけ、急に目をカッと見開いて
『この薬に、離脱症状なんてものは、ありません! いいですか? ありません!!』と言いました。
(バック・トゥ・ザ・フューチャーのドクみたいでした…)

私はこの時、主治医は嘘をついていると思いました。
その理由は、急に態度が変わり威圧的になったこと。
『ありません』と何故か2回も言ったこと。
そして、こんな激しい主治医の反応は、今までの2年間の診療で1度も無かったことでした。
ベンゾジアゼピンの離脱症状は、やっぱりあるんだ...

そして主治医は話を続けました。
『薬を減らして出た症状は、元々出ていた症状、原疾患です。薬で抑えていたものが、抑えられなくて出ているだけです。』

ベンゾジアゼピンは根本治療の薬じゃなくて、対症療法だってことを言いたいのかしら? 服用していれば、治るものではないの? それじゃあ、薬を飲み続けても、ストレスの根本原因を取り除かないとダメってことですよね?

ベンゾジアゼピンを飲む前(2年前)は、めまい、吐き気、尋常じゃない肩こり、食欲不振、不眠等は既に出ていました。
原疾患と言ってもいいでしょう。

でも、手が震えて字が書けない、常に地震が起きてる感じがする、手足が焼けるように熱い、光で目が開けられない、耳をつんざく大きな耳鳴りが鳴り止まないって、以前は出ていなかった症状ですよ?
これらは「前は出ていなかった原疾患」とでも言うのですか?

そんな大きな怒りの感情が私の頭を駆け巡りましたが、口を衝いて出ることはありませんでした。
私は、ネットで調べて知っていたのです。

ベンゾジアゼピンの離脱症状を認めない精神科・心療内科医が、日本にも、世界にもいるということを。

これはとても不思議なことです。
毎日のようにベンゾジアゼピンを処方しているのに、離脱症状を知らない?
勉強しないことなのでしょうか。私にはその辺は分かりません。

私の主治医は、ベンゾジアゼピンの離脱症状の存在を否定しました。
この現実を突きつけられ、私はショックを受けました。
主治医に対して信頼を失いました。
この先生とは、この先の治療を前向きに続けていけないなと思いました。

そして「インフォームド・コンセント」が十分でなかったことに憤りました。

私はこの2年、何のために真面目にクリニックに通って、会社を1年も休職してたんだろう…

4.ベンゾジアゼピンを勉強!

ベンゾジアゼピンを実際に服用して離脱症状に悩み、戦っている方々や、それを経て断薬に成功された方のブログや情報サイトを調べていくと、私がまず最初に読むべきは「アシュトンマニュアル」というものであることが分かりました。

「アシュトンマニュアル」はベンゾジアゼピンの作用、作用機序、種類、力価、半減期、作用時間、副作用、耐性、離脱症状、減薬の心構え、減薬の手順例などが示されたものです。
イギリスのニューカッスル大学神経科学研究所のヘザー・アシュトン名誉教授が作成されました。アシュトン教授は2019年9月にお亡くなりになりました。謹んで敬意と感謝を申し上げます。

アシュトンマニュアルは日本語を含む10か国語に翻訳され、インターネットで公開されています→(Benzo Case Japan
ネット上で読めるHTML版もありますし、ダウンロードできるPDF版もあります。翻訳、監修者の皆様には厚く御礼申し上げます。とてもとても助かっています。

さて、私はアシュトンマニュアルでベンゾジアゼピンの「基本の基」を勉強しました。
読んで個人的に驚いたことが、5つありました。

①急減薬、一気断薬は危険
ベンゾジアゼピンは、長期飲み続けると効かなくなってくる可能性がある。そのため長期服用していると、減薬していないのに離脱症状が出始める。
イギリスでは「ベンゾジアゼピンは長期使用には不適当であり、一般に2~4週間に限ってのみ処方されるべき」との結論を下している。
④離脱症状には大きく個人差があり、まったく同じものがない
断薬後も離脱症状が年単位で続く人もいる

私はまず、上記①について自分で検証してみました。
主治医の指示した減・断薬量は、急な減薬、断薬にあたるのか?
これには「ジアゼパム換算」を使えばいいとのことでした。ジアゼパムは、最も古いベンゾジアゼピンのうちの1つです。

薬によって作用する力(力価)が違うので、自分が今飲んでいるベンゾジアゼピンを一律ジアゼパムに置き換えて考えた場合「ジアゼパムを1日どのくらいの量飲んでいることになるのか」が分かる換算方法です。

ジアゼパム換算でネット検索すれば、すぐに計算式が出てきました。わたしの場合の減・断薬量を換算すると... ブロマゼパム2mg+フルトプラゼパム2mg=ジアゼパム約10mg となりました。

あれ? 感覚的に減・断薬した量は少しだと思ってたんだけど? ブロマゼパムは朝・夕それぞれ飲んでた量を半分ずつにして、フルトプラゼパムは就寝前の薬1錠を止めただけだよ?

でも、換算すると… なんだか多い気がする。いや、なんだかどころじゃない。これって、急な減・断薬じゃないの!?
だとすると、主治医にとても危険なことを指示され、私は素直にそれに従ってしまったことになる。

なんて従順な患者だったんだ、私は!
なんで自分で考えたり調べたりしなかったんだ!
後悔に苛まれました。胸が押しつぶされました。そして、主治医はもしかしたら、ベンゾジアゼピンのベターbetterな減薬方法を知らないのではないか? と疑問に思いました。

また、アシュトンマニュアルによると減・断薬については「半減期(血中濃度が半分になるまでの期間)」≒(作用時間が予測できる)も考慮する必要があるようでした。
半減期が短い薬は1日の間で【薬を飲む→離脱症状→薬を飲む→離脱症状】を繰り返してしまったり、半減期が長い薬は【薬を止める→数日後に離脱症状が出る】といった時間差で症状が出てしまうという現象があるとのことでした。

私の飲んでいたブロマゼパムとフルトプラゼパムを、ジアゼパムと比較すると、作用時間は短い方から ブロマゼパム < ジアゼパム < フルトプラゼパム になると分かりました。(参考にさせていただいたページ:元住吉こころみクリニックさん

作用時間が超長いフルトプラゼパムを減らして5日間は何も症状は無く、中くらいのブロマゼパムを減らして寝て翌朝に離脱症状が出始めたので、私の場合はフルトプラゼパムの離脱症状とブロマゼパムの離脱症状が同日に重なってしまって、激烈になってしまったのかな? と想像しました。


(③https://note.com/pajamas_de_alive/n/n2887546cb6e3につづく)

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。