【私の体験記④】睡眠薬・抗不安薬の離脱症状を知っていますか?気がつけば混沌の世界にいた【減薬・断薬】
※はじめに お読みください※
私のマガジン(ストレスで病気になった)に、初めてメンタルクリニックに かかった経緯や症状、経過をまとめています。前提として、ストレスにより出る症状、症状が出る順番や進行の仕方、速度は、人により様々であり、誰一人として同じ経過をたどらないことを、ご理解ください。
上記マガジンの記事④で少し触れた「処方薬を減らしたいと主治医に相談。指示どおりに減らすと体が恐ろしい事態に」が、今回の体験談シリーズの話になります。
センシティブな内容だと思いますので、読むことで不安な気持ちになりそうであれば、ブラウザバックしてくださいませ。
読み手の皆さまには、読まない自由があります。
お読みいただく際は、ぜひ、冷静に読んでいただけますと幸いです。
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私は「ベンゾジアゼピン系薬」を医師に処方され、その処方量どおりに2年間常用していました。
そして、医師の指示どおりに減薬・断薬をしました。
その後に体験した(現在も体験している)「離脱症状」について、まだ一般的にはあまり知られていないのではないか? と思い、当事者として体験を伝えたいと考えました。
正直なところ、ネット上にあげることについては、ずっと躊躇していました。私の体験している事は、とてもセンシティブだと思うからです。
しかし、この辛い体験は、他の方にはして欲しくないという想い、願いが私にはあります。
なので、私は勇気を出して、現時点までの体験をネット上にアップすることにしました。
私はベンゾジアゼピンを知らない人間でした。自分で離脱症状を体験して、勉強して初めて知ったことが沢山ありました。
それをシェアできればと思います。
冒頭にも書きましたが、あくまでも一個人の体験談です。「私の身にこんなことが起こりました」という情報にすぎず、医学的・薬学的なアドバイスをするものではありません。この点は、あらかじめご理解ください。
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③(https://note.com/pajamas_de_alive/n/n2887546cb6e3)のつづきです。
7.主治医に「他の疾患の可能性はないか」と言われる
メンタルクリニックには1か月に1回通院していました。
私はそのたびに離脱症状の苦しさを主治医に訴えるのですが『他の疾患の可能性はありませんか?』と、ベンゾジアゼピンの離脱症状だとは認めてもらえませんでした。
もしかしたら、別の大変な病気になっている可能性もあるのかもしれないと不安になった私は、様々な病院へ行きました。
めまいについて、耳鼻科で詳しく検査してもらいましたが異常はなく『自律神経系だと思われます』と言われました。
念の為と、内耳の血流を良くして、めまいを改善させる薬を処方してもらいましたが、めまいが良くなることはありませんでした。(ちなみにこの薬は作用も感じられなければ副作用も感じられませんでした。)
では、脳の問題はないか、MRIを撮ってもらいましたが『とてもきれいです』と褒められてしまいました…
食欲不振、吐き気や胃痛、便秘と下痢について、胃腸内科では『機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群の可能性もありますが、この薬で胃痛が収まって食欲も出てきているなら、大したことはないですよ』とのことでした。
ドクターショッピングをしても、特に大きな疾患は見つけられませんでした。お金だけが出て行きました。
突破口の見えない離脱症状の混沌の中で、私は焦りと不安に急かされながら、さまよい続けていました。
~余談~
生理が数か月止まったことがありました。しかしこれは胃薬の副作用(高プロラクチン血症)と分かり、胃薬を変更したところ、元に戻りました。
また、何回か血液検査をしましたが、特に異常は見られませんでした。
8.薬の飲み忘れで驚くことが起きた
急減・断薬から8か月経っても、相変わらず荒れた海の船上にいるようなフラフラとした めまいが続いていました。
まっすぐ歩いているつもりでも、側溝に落ちそうになったり、家の壁にぶつかったりしていました。
あまりに治らないので「もう一生治らないかもしれないな」と半分諦めていた、そんなある日。
その日は、胃腸内科へ行く日でした。
お昼からの診療に行き、両手いっぱいの胃薬を持っての帰路、夕方。
あれ... なんだか、体が重たい... ダルい… まるで子泣き爺が乗ってるみたい。
そして下半身の脱力感。足が前に進まない。
なんでだ? 私の足、歩け! 前に進め! もう少しでアパートなのに! 自分の体なのに、なんで言う事を聞いてくれないの?
あぁ、頭がボーッとしてきた…
そして、アパートを目の前にして、ついに私の足は1歩も動かなくなりました。両手にビニール袋を持ったまま、アパートを呆然と見て立ち尽くしている状態。
愕然としました。
いったい全体、私の体に、脳に、何が起こっているのか。混乱しました。
立ち尽くしている間に、思考力の低下した頭でゆっくり原因を考えました。
病院に行って疲れた? 確かに疲れたけど、待合室はずっと座ってたから足が疲れてることはないと思う。
ぼーっとするのは、風邪? でも熱っぽくはないし... あ!
もしかしたら、朝の分のブロマゼパムを飲み忘れた…?
あぁ、多分そうだ。多分。
それで、脳が「ブロマゼパム血中濃度が下がりマシタ。よって、正常に動きマセン」って暴走してる=離脱症状かもしれない。しまった!
しかし、そうと分かれば、立ちすくむ私のイマココの目標は…【家にたどり着き、夕食を食べて夕食後分の薬を飲んで、安静にすること】でした。
なんとしても、足を動かして、家に帰ってやる!
脳に酸素を送り込むイメージで大きく深呼吸を繰り返し、体中のエネルギーを足に集中させました。
すると、足は半歩だけ動きました。半歩でも、私にとっては大きな前進でした。
よし、そのまま半歩ずつゆっくりゆっくり歩き続けよう。
あぁ、めちゃくちゃ辛い。辛過ぎる。
だけど、今は踏ん張れ。家に帰るんだ。
自分を奮い立たせました。
そして「なんでこんな目に合ってるんだろう」と悔しくて泣きました。
泣きながら すり足で道路を進み、階段を上り、家にたどり着いた時にはエネルギーが底を尽きかけていました。私はすぐにベッドに突っ伏しました。
その後は、床を四つ這いで移動して、夕飯という名のカロリーメイト1本を10分以上かけて食べてブロマゼパムを飲み、そしてまたベッドに突っ伏して、シャワーも浴びず、そのまま寝ました。
翌日になっても体調は優れず、1日ほぼ横になって過ごしました。
翌々日。ブロマゼパムの血中濃度が安定したのか、起き上がることができました。それから、私は本当に一昨日ブロマゼパムを飲み忘れたのか、ボーっとした頭で何度も薬の数を確認しました。
確かに飲み忘れていました。
「私は思考力が低下していて、薬を飲み忘れることがあるんだ」と自覚しました。
また「私には薬を飲みたいという欲求がない」ことも分かりました。(そりゃあそうです。止めたいのですから。薬への渇望はないのです。)
そしてまた、不思議な現象が起きました。
なんと、あのしつこかった めまいが、少し回復していたのです。
ふらつきはするものの、船上のような感覚はなくなりました。
一生治らないかもしれないと思っていためまいが、1回分を飲み忘れ(急減薬)→1回飛ばしたのは無視して、いつも通りの時間・量で飲む→数日かけて血中濃度を安定させることで、日常生活にあまり支障がないレベルに戻っていたのです。
しかし、これは「たまたま」だと、勉強していたので分かっていました。
怪我の功名のようなもので、偶然だろうなと。むしろ、悪化していた可能性が十分にありました。
だから、飲み忘れるなんてことは、怖くてできない!
飲む量、時間は間違えないようにしようと誓ったのでした。
~余談~
誓ったのにもかかわらず、人間は慣れると物事が疎かになるもの。
それに、思考力の低下と飲みたい欲求がないことにより、私はこの後も飲み忘れを起こす事になります。つづきで書きます。
(⑤https://note.com/pajamas_de_alive/n/n49574f208248につづく)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。