見出し画像

ペアーズアドバイザリーボード〜有識者の知見から考える

「若者の恋愛離れ」が世間で話題を集めています。
2022年6月14日に公表された内閣府の『令和4年版男女共同参画白書』では、20代女性の約5割、男性の約7割が「配偶者、恋人はいない」と回答。20代独身男性の約4割がデート経験なしという結果も公表されています。

「恋愛離れ」は、恋愛への関心が低い方や交際相手がほしいけれど、活動していない方が増えているため起きていると言われています。

なぜ、恋愛離れが起きるのでしょうか? 

Pairs(ペアーズ)を運営する弊社・エウレカは、外部有識者による「少子化・未婚化の改善について考えるアドバイザリーボード」を設置。

2020年5月19日、第1回アドバイザリーボードで「若者の恋愛離れ」について、有識者を集めて議論していただきました。

【アドバイザリーボード参加者】
治部 れんげ氏(ジャーナリスト・昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員)(座長)
板本 洋子氏(NPO法人 全国地域結婚支援センター代表)
白河 桃子氏(昭和女子大学 客員教授・相模女子大学 特任教授・東京大学 大学院情報学環客員研究員) 
藤本 耕平氏(若者研究マーケッター・東北芸術工科大学非常勤講師)
山田 昌弘氏(中央大学文学部教授)

恋愛離れが起きている理由

恋愛離れが起きている理由は1つではありません。複雑な社会的、心理的、経済的な原因があると思われます。恋愛離れの理由について、アドバイザリーボードにお集まりいただいた有識者のみなさまのコメントを一部紹介していきます。

進行は座長である治部氏によっておこなわれました。

治部れんげ氏

恋愛を優先しない

最近は「必ず恋愛しなければならない」という固定観念が希薄化しています。SNSの普及によって、人とつながっているという意識があり、寂しさを感じないうえ、自分主導の人生にある程度満足しているといえます。恋愛離れについて、有識者のコメントを紹介します。

山田氏は、「恋愛の優先順位が下がってきた。恋愛自体を楽しもうという人が、ここ20年の間で確実に減っている」とコメント。

2000年ごろからの20年を振り返りました。

山田昌弘氏

板本氏は、「ネット社会で孤独感はなくなり、たくさんの人が『いいね』と応えてくれる。それ自体が仲間意識だっていうことになっている」とコメント。 インターネット社会の影響を挙げました。

板本洋子氏

白河氏は、「もともと日本人は恋愛が好きだったかというと、そんなことは全くありません。一番結婚率が高かった世代では、20%くらいがお見合い結婚です。恋愛経験なく結婚した人もいます」とコメント。

今の若者に限らず、日本人は恋愛経験がない人が多いと教えてくれました。

白河桃子氏

自分主体の恋愛観がもたらす交際相手への過度な期待

若者の恋愛観は、どちらかというと自分主体となる傾向にあり、自分が幸せになるために相手を選ぶことが結婚の目的になっています。また、その目的を果たすために理想の結婚相手を求めます。そのため、実現されないと別離したり、交際相手を探すことを諦めてしまう傾向があります。

藤本氏は、恋愛離れについて「自分が幸せになるために、どのような人が合うんだろうという、自分主体で理想論を語る若者が増えている」とコメント。

自分主体の恋愛観により、相手への期待が強くなっている傾向を指摘しました。

藤本 耕平氏

無駄な時間を使いたくない

恋愛離れと関連するものに「時間」が挙げられます。働く時間が長ければ長いほど、恋愛の機会に恵まれません。

白河氏は、恋愛と時間について「恋愛において、無駄な時間を使いたくないというのが1つあります。忙しい人は時間が残っていません。短い時間の中で、その時間をいかに使うかが今後の鍵になってくると思います」とコメント。

可処分時間が短くなるなか、時間の使い方が重要になると考えられます。

恋愛や結婚に伴うリスクを避ける傾向が強まっている

恋愛は、予想外や必ずしも期待通りの結果にならないリスクを含むため、足踏みしてしまいがちです。さらにSNSの普及により、恋愛は当人同士のことだけではなく、周囲にどう評価されているかを気にすることに囚われ、交際に消極的な姿勢を取る傾向が見られます。

日本社会では、周囲と同じ考えや行動を取ることが好意的に捉えられる風潮があります。それは、結婚に対しても同様です。この風潮が婚活や結婚へのプレッシャーを与えていると言えます。
また、交際経験者が減少しているため「自分も婚活・結婚において失敗するのではないか」というプレッシャーを感じる男女が少なくありません。

山田氏は、リスクを避ける傾向について「コミュニティーの中に属し続けるためには、周りから非難されるようなことはしたくない。恋愛よりもコミュニティーに所属し続けることを優先しています」とコメント。

コミュニティー内での出会いはリスクであり、コミュニティー外の人と出会いたいという欲求が生じているとの見解を示しました。

恋愛に積極的になれるのか?恋愛離れから抜け出す方法

では、将来に交際や結婚を希望する人は、恋愛離れから抜け出すためにはどうしたらいいのでしょうか?
そのための方法や、恋愛に対する前向きな考え方について有識者によるコメントを紹介します。

藤本氏は、恋愛離れについて「リアルで接すると緊張するけれど、オンライン上のチャットだと盛り上がることは結構あります。それはオンラインの強みです。チャットの次はオンラインビデオで話すなど、ステップを踏んでいくのは1つの方法だと思います」とコメント。

オンラインの強みを生かして、リスクや失敗に対する恐怖を減らす提案をしました。

ペアーズでは、交際相手を求めているにも関わらず恋愛体験を躊躇している人に対し、自己表現を自然にできる恋活・婚活手法を提供しています。

例えば、AI技術を導入したアルゴリズムによる精度の高いマッチング、豊富な検索機能による最適な相手とのマッチングサポート、プロフィールで自己表現ができること。加えて、共通の興味や価値観を持つ会員と同じコミュニティで出会う機会や、「ビデオデート」※1機能でのコミュニケーションを通じて、マッチング相手と実際に会う前に、相手を知る機会を提供しています。

※1 ビデオデート機能:「ペアーズ」でマッチングしたお相手とペアーズアプリ内でオンラインビデオ通話が楽しめる機能

「恋愛」「結婚」に対する固定概念から抜け出す

例えばフランスでは、別居婚や事実婚を選択する人が多くいます。

藤本氏は結婚について、「いろいろな結婚の形があってもいいということを、絵空事ではなくてリアルにどうやって実感させていくかが大事です」とコメント。
また、白河氏は「別に結婚でなくてもとなれば、もう少し選択肢が増えてくると言い続けています。多様な国のほうが出生率も高いです」とコメントしました。

このように、「恋愛」「結婚」という固定概念から抜け出し、多様な選択肢から選べるようになることが恋愛離れから抜け出すためには大事です。

まとめ

本記事の中で、恋愛離れが起きている理由を4つ挙げました。

1.恋愛を優先しない
2.自分主体の恋愛観がもたらす交際相手への過度な期待
3.恋愛や結婚に伴うリスクを避ける傾向が強まっていること
4.無駄な時間を使いたくない

有識者のコメントをもとに考えられる、恋愛離れを抜け出すための方法は、以下の2つです。

1.オンラインの強みを生かして、オンラインチャットからオンラインビデオで話すなど、ステップを踏んでリスクや失敗に対する恐怖を減らす
2.「恋愛」「結婚」という固定概念から抜け出し、多様な選択肢から選べるようになる

ペアーズは引き続き、アドバイザリーボードを開催する予定です。有識者の方々の知見を参考に、恋活・婚活マッチングアプリを牽引するリーディングカンパニーとして、少子化・未婚化課題の解決に寄与する取り組みを進めてまいります。

他の考察や提案を見てみたいと思う方は、以下のプレスリリースをご覧ください。