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哲学:アウフヘーベンで描くデッサン

アウフヘーベンという耳慣れない言葉に触れることがある。
一般的にはAとBを足して新しいCを生み出すことだと言われるようだ。

しかし、斎藤幸平氏によるとそうではなくて、
「自分の知が否定されるような矛盾に耐えて考え抜き、悪いところは棄て、良いところは残しつつ、より高次の知を生み出していく」
という。

そういった意味では、ぼくの実験材料であるデッサンによく合う。

鉛筆デッサン

出来るところは出来るとし、出来ないところは出来ないとする。そこから新しい自分を発見する。

それはこれまでの自分とは違うものだ。

そして、さらに新しい自分への挑戦によって得た良いところは残しつつ、悪いところは修正していく。それを繰り返し積み上げていく。そうすると、また新しい自分に出会うものだ。

それは誰かの評価を気にすることではなく、自分との闘いといえば大袈裟だが、自分自身を乗り越えていくことでもある。

そこから何が生まれるかはわからない。

優劣を気にするのでもなく、ただ、これまでの自分とは違う自分を発見するだけだ。

何をするにしても、哲学的な思考は、本能に従う感情とは違ったものを生み出すのではないだろうか。

哲学をどう使うかは人それぞれだが、難しいことを覚えるよりも、実践でどう使うかが問われるのは毎度のことだ。

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