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ストレスとアロスタティック負荷

アロスタシスとホメオスタシス 


生体を維持する働きに「アロスタシス」と「ホメオスタシス」というのがある。
アロは「変動する」という意味で、ホメオは「同じ」という意味だ。
生体を安定させようとするということでは、どちらもおなじ働きのように思えるが違う。

たとえば、運動をして、心拍数が上がり、汗が吹き出し、息は切れるが、運動をやめると、心拍数は落ち着き、汗のせいで体温は下がっていく。

このような生理的な反応は、ホメオスタシスの働きのおかげだ。

しかし、有害なストレス負荷がかかると、このような自動的に安定してさせることは難しい。
安定させるにはエネルギーの供給が不可欠だ。それが続くと、体が消耗していく。

アロスタティック負荷

アロスタティック負荷というのは、一般的によく言われる「ストレスがたまって…」という状況だ。
この状況を 神経.内分泌系の研究者であるB マキューアンが最初に「アロスタティック負荷」と呼んだ。

この負荷にやられやすい人とそうでない人との違いは、遺伝子であったり、個人の情動的反応の違いが関連しているという。

対処行動や方法が同じではないことが、病気になったりならなかったりすることを説明するのだ。
ということは、後天的な学習によっても、うまく対処できている人の真似をすることで、適切な対処を学び、経験することが可能になるのではないだろうか。

ストレスへの対処法を学ぶ

ぼくの関心は、こういった情動的反応についてだ。心や思考はこのことに強く関係しているに違いない。
対処方法について述べている人は多くないが、それを学ぶことは、病気の予防や改善に貢献するはずだ。

それには心理的傾向を学ぶだけではうまくいかす、能動的な思考を使う必要がある。
哲学をうまく使えば、きっと、これまで克服できなかった課題を克服できるはずだ。

学びはまだまだ続く。

参考文献:
*B マキューアン ストレスに負けない脳 早川書房
*Daniel D.Chiras   ヒトの生物学 丸善株式会社