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【完全無料講座】AbletonLiveで電子音楽を作る⑤~コードの使い方~

1.はじめに

本講座も第5回目を迎えました。少しずつですが、曲の輪郭が見えてきたでしょうか?

前回はベースライン、今回は「コードの使い方」です。

第1回で、本講座の「7つの条件」なるものを説明しました。

その中にコード進行の排除というのがありました。

本講座では、コード進行を使わない簡単なコードの組み立て方を説明していきます。

2.ドリアンモードにおけるコードの考え方

前回のベースラインと同じで、あまり説明することはありません。

前回から頻出のキーワードが出ますよ~。

Dドリアンは、白鍵ならどこを使ってもよい

ホントこれね。

コードの場合も、白鍵を適当に二つ以上同時に押さえればコードが完成します。例示していきますね。

実際の響きを動画で聴いてみましょう。

どうですが、調性音楽では味わうことができない響きではありませんか?

他にも無数に組み合わせてみてください。

ここで大事なのは、コードネームとかを一切考えない事です。

モードの場合、調性音楽の知識は無駄というか邪魔になります。

コードネームで考える癖がついている人は、いったん忘れましょう。

モードの構成音を使えば、不協和音など存在しないのです。

上の譜例をとりあえず打ち込んでみましょう。

音色は、「Analog」→「Pad」→「Charry Pad.adv」を使います。

もちろん、プリセット一択。何も弄りませんし、エフェクトも追加しません。

ここで、再生する前に一工夫します。

今まで普通にクリップを再生していましたが、ableton liveの「Follow Action」機能を使ってみましょう。この機能は、簡単に言うと、複数のクリップの再生順序をプログラムする機能です。

これは、今後の曲作りで構成を考えるときに非常に役立ちます。

今回は細かい説明をしませんが、下図のように設定すると、一つのクリップの再生が終わると別のクリップを再生するようになり、リズムやベースラインが自動で切り替わるのが分かると思います。

上記の設定をリズムとベースのクリップ毎に全てに設定します。

実際に動画で確認しましょう。

いかがでしよう?ドリアンの響き、Follow Action機能が分かりましたか?

Follow Action機能を詳しく知りたい方はマニュアル↓を参照してください。

余談ですが、Abletonリファレンスは、とても分かりやすく記載されていますので、気になる項目・機能は熟読することをお勧めします。

3.ドリアンコードにおける幾つかのパターン

さて、

「いくら自由とはいえ、一定のパターンはないの?」

という初心者の怨嗟の声が聞こえてきます。

そもそもパターンを求めることは音楽において間違いなのですが、ステップアップのための基礎として幾つかのパターンを例示したいと思います。

【パターン①】2度積みコード

ここでいう度数(2度)とは、ルート(レ)の音から数えて二つ目の音(ミ)を指します。「レ」と「ミ」を同時に鳴らすということです。

くどいですが、コードネーム等は一切考えないこと。今までの常識を一旦忘れて響きを確認しましょう。

【パターン②】3度積みコード

ルート(レ)の音から数えて3つ目の音(ファ)を指します。

「レ」と「ファ」を同時に鳴らせばOKですね。

早速動画で響きを確認しましょう。2度積みと聞こえ方が変わるのが分かると思います。

もうお気づきの方も多いと思いますが、

4度積み、5度積み、6度積み、7度積みと同じ理屈でコードを作ることができます。

同じ原理なので譜例とかは省略します。そのかわり、少し発展した形を紹介していきたいと思います。

【パターン③】4度積みコード(発展)

まず、譜例をご覧ください。

発展とはいえ何のことはない、4度積みで三和音にしただけです。

三和音にすると、一気に音の広がり・響きがリッチになります。

動画で響きを確認しましょう。

この4度積みコードは、電子音楽において「よく使われる定番のコード」です。覚えておいて損はないでしょう。4和音にする方法もありますよ。

【パターン④】特性音(第6音)を使ったコード(発展)

Dドリアンスケールの特性音は、

ルート「レ」から数えて6番目の音「シ」でしたね。

ベースラインの時にもお話しましたが、ルートと第六音だけでは音程が離れているのでキツイ感じになります。それは同時に鳴らすコードの場合も全く同じです。よって他の度数を混ぜてやることによって、エグイ感じを緩和することができます。

譜例を見てみましょう。

ルート「レ」と特性音「シ」は変わりません。その間に2度、3度、4度、5度、7度の音を足しています。

譜例の最後の二つは「応用」です。特性音から数えて4度の音を加えています。この特性音に4度積みは「緊張感」を付加することができます。

実際の響きは動画で確認しましょう。毎回言っていることですが、必ず動画で響きを確認しましょう。出来れば、鍵盤弾いて色々試してみましょう。鍵盤弾けない人はDAWで打ち込んで研究してくださいね。

他にも色々ありますが、今までのパターンを使えば無数のバリエーションを作ることができると思いますので、この辺で辞めときます(笑)。

もちろん、コードを並べる順番は、どこから始めてもOKですよ。

最後に私の作ったパターンを紹介します。

とくに何も考えず、

白鍵を弾いて気に入った響きを繋げていくイメージです。同じ音はタイで繋げてもよいし、繋がなくても構いません。

とにかく、何度も弾いて、良い響きを探求してオリジナルコードを発見してください。

【パターン⑤オリジナルコードの探求】

上記、譜例を打ち込みした図↓

ベースラインの作成方法で説明した「Inv」を適用↓

「Rev」を適用↓

では、コードの響きを動画で確認してみましょう。

ここまでで、少なくても7~8個ぐらいのコードパターンは出来たハズ。

もっと作りこむことはできるけど。この辺で辞めとくのも手です。

なぜなら、曲を構成する段階で変更も出来るし、追加もできるからです。

最初から作り込まないのは、曲作りにおいて案外大事なポイントです。

4.おわりに

ポイントをまとめます。

①コードネームは考えない
②Dドリアンスケールの構成音のみ使う
③組み合わせ方は自由
④上手くできない場合、n度積みの和音を使う
⑤AbletonLiveの「Inv」「Rev」機能でバリエーションを増やす

こんな感じでしょうか?第5回は、この辺りで終わりたいと思います。

ここまでで、大分曲の骨格が出来上がってきました。完成までもう一歩ですね。次回で本講座も最終回となります。「曲の構成とLead音による装飾」になります。お楽しみに!!

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