最近ハマってる浪曲のこと

この頃、浪曲にどハマりしている。
広沢虎造という浪曲師をご存知だろうか。

「浪曲」ってなに?どんな曲?

と思ったそこのあなた、私も数ヶ月前まではそんな状態でした。

平家物語の琵琶法師みたいなもんと思って貰えばわかりやすいだろうか。
つって音声でしか聴いた事がないのでどんなカッコでやってるかわからないのだが、
要は三味線の伴奏に乗って節をつけたり歌を挟んだりしながら語るスタイルの古典芸能です。

後ろで三味線を弾いているお姉さんが「ひぃや!!」「ふぅわ!!」「えっよぉ♪」と話に合わせて謎の嬌声を入れてくれているのが気狂い染みてとても面白いのでぜひ聴いてみてね。

で、その広沢虎造の「清水次郎長」を延々と聴いているんだけど、次郎長も子分もきっぷが良くて人情に厚くて本当に本当にカッコイイ。

私は今のところ大瀬の半五郎推しです。
この半五郎さんは兄を殺された仇討ちでめちゃくちゃ人殺しをした後で次郎長の子分になるんだけど、賢くて男前で人から慕われるんだよね。


人殺しまくる人がなぜ慕われるの??
という理解し難い価値観ですよね。博徒って不思議。
でも聴いていると、あぁ義理難くて行動力が凄まじくてかっこいい、
痺れる、となるからますます不思議だ、浪曲は。
講談も侠客の話が多いし、昔の人はヤクザさんの世界を「カッコいい」と思う感性が広くあったんでしょうね。

でもこの堅苦しくタテマエと綺麗ごとばっかりエセ道徳的で野暮な一般市民が蔓延る令和の御代に生きる構成員の一人としては、
ここまで別ルールの世界は新鮮で小気味よくある種の憧れすら感じられます。
多様性ってこういうこと。本物のタブー。

親分子分の、「この人のためなら命をかける」という関係性もアツい。

「あっしは赤の他人のお前さんに惚れて子分になったんだ。そんなお前さんに斬られるなら本望だ」
という、男同士の恋愛にも似たアツい子弟関係。

こういう信頼関係を誰かと築くことができたら、人生に張り合いが出てくるでしょうね。

そのためにはまず、自分がどういう人間か見せなくちゃならねえ。

こうして、「仲間がほしいなら自分を出しまくるに限る」というところに戻ってくるのでした。

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