【旅行記】ホロコーストが残した負の遺産を巡る旅@ポーランド・クラクフ
2024年5月、2泊3日でポーランドのクラクフという都市に行ってきました。
今回の旅の目的は、アウシュヴィッツ強制収容所と映画「シンドラーのリスト」でも有名なオスカー・シンドラーのホーロー工場を巡り、ホロコーストが残した負の歴史と遺産に触れ、学び、考えること。
小学生の頃、図書館で「アンネの日記」を読み、幼いながらに人間の犯した残酷すぎる歴史にショックを受けた時のことを今でも覚えています。以来、戦争や国際関係、民族、文化に対する関心が強くなり、大学では国際学を専攻。そんな中で“いつか行ってみたい、行かなければならない“と思っていたアウシュヴィッツ強制収容所。
幸いなことに、アウシュヴィッツ博物館唯一の公認日本人ガイドである中谷さんのガイドツアーにも参加することができたので、今回感じたこと、考えたことも含めながら旅行記としてまとめようと思います。
Day1
プラハからクラクフへの移動はライアンエアーを利用。所要時間は1時間10分程度で、1人あたり往復6,000円でした。
18:10 プラハ発 ⇒ 19:20 クラクフ着の便でクラクフへ。
クラクフ空港到着後、電車でクラクフ中央駅へと向かいます。中央駅へは15分ほどですが本数が少ないので注意!乗車券はホームの自動券売機で購入できますが、現金の場合はお釣りが返ってこないようなのでこちらも注意!(大きい現金しか持っていなかった人)乗車後、乗務員から直接購入している人もいました。
クラクフ中央駅に着いたのは20:30頃。翌日は朝から移動だったため、スーパーで食品を購入し、Airbnbで予約した宿へと向かいます。
Airbnbで予約した宿はクラクフ中央駅やバスターミナルからわずか徒歩1分とアクセスが非常に良く、お部屋も綺麗、値段も2泊17,000円ほどと良心的でした。
スーパーで購入したサンドイッチとピエロギで夕食を簡単に済ませ、シャワーを浴びて早めに就寝。夕方のフライトだったこともあり、移動で終わった一日目となりました。
Day2
この日は午前中からアウシュヴィッツ強制収容所のガイドツアーに参加し、クラクフに戻った後は夕方からシンドラーのホーロー工場の見学しました。
アウシュッヴィッツ強制収容所(国立アウシュヴィッツ=ビルケナウ博物館)
アウシュビッツ強制収容所はクラクフからバスで1時間半ほどの距離にあるオシフィエンチムという町にあります。
クラクフ中央駅からアウシュビッツ強制収容所まではバスの他、電車で移動することもできます。今回私たちは往路はバスで、復路は電車で移動しました。往路のバスの乗車券は事前にLajkonic社のネットで予約購入し、復路の電車の乗車券はオシフィエンチム駅の窓口で購入しました。
(※ガイドツアーは何時に終わるか分からないため、帰りのバス等の予約はしないことをオススメします!)
アウシュヴィッツ強制収容所を巡るにあたって、日本人公認ガイドの中谷さんに事前にガイドツアー参加の申し込みをメールで行いました。ガイドツアーの開催可否は10日前に連絡があり、今回無事に中谷さんのガイドツアーに参加させていただくことができました。2024年5月時点で料金は1人150PLN(6,000円)、所要時間は3時間半でした。
10時半からのガイドツアーに参加するため、8時40分クラクフ中央駅発 ⇒ 10時5分アウシュヴィッツ着のバスでアウシュヴィッツへ。
入場棟前で中谷さんとガイドツアー参加者の皆さんと合流し、ガイドツアー開始。博物館入口から長い通路を通って収容所へと向かう際に犠牲となった方々の名前が読み上げられ、漂う空気の重みを感じました。
ガイドツアーでは前半の2時間で第一収容所内を巡り、残りの1時間半で第二収容所を巡りました。
前半の第一収容所では主に建物内での展示や処刑場、ガス室を見学し、第二収容所では広大な収容所内をひたすら歩き、収容されるユダヤ人を運んだ貨車や証拠隠滅のため爆破されたガス室跡、収容施設内を見学しました。第二収容所での見学は屋外のため屋外対策(雨具や日差し対策、防寒具等)をすることをおすすめします。
収容所の施設内には犠牲になった方々の写真や大量の眼鏡や靴、カバン、食器、義足、毛髪等の遺品、縦じまの囚人服、囚人を区別するためのワッペン、大量虐殺に使用された殺虫剤、当時の子どもたちが描いた絵などの様々な写真や物が展示されていました。
アウシュヴィッツを訪れることに対してある程度の精神的ダメージを覚悟していましたが、中谷さんによるガイドはとても淡々としていてそこまで精神的に落ち込むことはありませんでした。中谷さんは過去の過ちを繰り返さないために、日本を含む世界情勢や現代の社会問題と絡めながら淡々と事実を伝えてくださいました。中谷さんのお話は非常に興味深く、考えるきっかけをたくさんいただきました。「皆さんはどう思いますか?」、ガイドツアー中に何度かいただいた中谷さんからの問いについて私はずっと考えています。
シンドラーのホーロー工場
ガイドツアー終了後、クラクフに戻った後はシンドラーのホーロー工場へと向かいます。当時、ユダヤ人を自身の工場で雇用することで約1,200人以上のユダヤ人の命を救ったとされるオスカー・シンドラー。スティーブン・スピルバーグ監督によって映画「シンドラーのリスト」も製作されていますので、ぜひ来館前に鑑賞されることをおすすめします。
工場に向かう前、少し時間があったので当時強制収容所に移送されるユダヤ人が集められたゲットーの英雄広場やユダヤ人の居住区を囲んだゲットーの壁を見学しました。
ホーロー工場は事前予約をして訪問しました。2024年5月時点の入場料は1人36PLN(1,440円)で、全てを見て回るには2時間はかかりました。
工場内は博物館となっており、ナチス占領下前後におけるクラクフの様子やユダヤ人の暮らしの様子、ナチスによるポーランド侵攻の様子などの写真や資料、歴史物が展示されていました。展示品のなかには人間の皮膚で作られたシガレットケースがあり、とても衝撃的でした。また、当時ホーロー工場で働いていた方のインタビューを見ることができるシネマスクリーンがあったり、オスカー・シンドラーの執務室が再現されていたりと博物館としてのクオリティが非常に高く感じました。
この博物館では、アウシュヴィッツには展示されていない収容所移送前のユダヤ人の暮らしの様子に触れることができたと同時に、当時のクラクフで暮らすユダヤ人一人ひとりに今の私たちと同じように生活があったこと、そしてその生活が無残にも奪われてしまったことを生々しく感じ、とても心が痛みました。
気付けば閉館時間近く。2時間ほどかけて館内を巡りましたが、一つ一つじっくり見て回るには時間が足りませんでした。
朝から晩までホロコーストという負の歴史に触れることでたくさんのことを学び、感じ、考えることができた有意義で貴重な一日となりました。この日に得たことをいつまでも忘れず、人間の犯した過ちを繰り返さないためにどうするべきか、よく考えて行動することを深く意識しようと思います。
旧市街とクラクフグルメ
一日歩き回った後は夕食をとるため事前に調べていた行きたいお店へと向かいます。
このお店はピエロギの種類が豊富で、今回私たちは揚げピエロギとボルシチとノンアルコールのビールを注文(アルコールが無かったのが残念)。ボルシチは酸っぱくて個人的には好きではありませんでしたが、スープの中に入っていたピエロギが美味しかったです。
追加でサーモンとほうれん草のピエロギとブルーベリーとチーズのピエロギを2個ずつ注文。1個単位で注文できるのも魅力的!この二種がとても美味しくて大皿で注文すればよかった~と少し後悔。クラクフに行ったらまた絶対行く!!!!!お値段は合計100PLN(4,000円)でした。
一旦お腹を満たした後は旧市街広場へ。クラクフの旧市街広場はとても広く、屋台もたくさん出ており、大変賑わっておりました。20時58分というなんとも中途半端な時間に花火が打ち上がり、変なところでヨーロッパを感じる。(変な時間に急に打ち上がる花火、これヨーロッパあるあるなんか???)
旧市街広場を見て回った後は、夕飯第二弾へ!(?)
こちらも事前に目星をつけていたポーランド料理のお店。マッシュルームスープと自家製ソーセージ、ビール二種を注文。ボリュームたっぷりで食べ応え抜群。お値段は合計120PLN(4,800円)でした。前回のベネチア旅行での反省を活かしつつ、食べたいものを食べられる範囲で楽しんだ。
時刻は22時45分。夜風で酔いを覚ましながら歩いてお宿へと帰りました。
Day3
最終日は昼過ぎのフライトでプラハに戻るため、午前中のわずかな時間で旧市街周辺を観光。
9時前には宿をチェックアウトし、旧市街へ。
昨晩の夜の景色とはまた違った美しい景色。
旧市街広場にある170年以上続く老舗のチョコレートショップに行きました。
ホットチョコレートの飲み比べセットとショーケースに並ぶチョコレートの中から4粒ほどを注文。
お値段は合計51PLN(2,040円)でした。濃厚な甘みとチョコレートの香りに癒される。
帰りにお土産として板チョコも購入。
板チョコは甘すぎず、ビターで濃厚な味わいでとても美味しかったです。
クラクフ中央駅から空港に向かう電車にタッチの差で乗り遅れるというトラブルが発生しましたが、出発時間を30分早く勘違いしており、結果フライトに間に合うことができました。今回は勘違いに救われたけどいつも時間ギリギリで行動してしまうところ、いい加減やめたい。時間に限らず、常に余裕のある女でいたいものです。
そんなこんなで帰りのライアンエアーは1時間ほど遅延して出発。今回も大きなトラブルもなく無事にプラハに帰ってくることができて良かったです。
次回以降の旅行に向けての反省点・備忘録
現金は最低限だけ換金する。現金ある分だけ使い切ろうとして無駄な出費につながるため。お店や公共交通機関での利便性も悪い。(クラクフは99%キャッシュレス)
ギリギリでいつも生きることをやめる。30分前行動する。
脱完璧主義。計画通りいかなくても落ち込まない。そりゃ、計画通りいかないこともあるよ。
今回のクラクフ旅行のvlogはYoutubeにもアップロードしておりますので、宜しければご覧ください♫
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