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「フライデー・フォー・フューチャー」   Z世代が牽引する未来のための環境運動

環境やエネルギーに関連する用語には、普段の生活では聞きなれない言葉も多いかもしれません。「地球環境トピック」では、そんな言葉の意味や誕生したきっかけ、背景にある社会問題をわかりやすく解説していきます。

第1回目のテーマは「フライデー・フォー・フューチャー」。若者主導で広まった気候変動への抗議運動が、なぜ国際社会を動かすまでの規模になったのか、その理由に着目します。

「フライデー・フォー・フューチャー(未来のための金曜日)」とは?

フライデー・フォー・フューチャー
2018年8月、スウェーデンの環境活動家(当時15歳)グレタ・トゥーンベリさんが、スウェーデン議会前に一人で座り込み、「気候のための学校ストライキ」をしたことをきっかけに広まった世界的な環境保護運動。毎週金曜日に開催していたため、このような名前がつけられた。

フライデー・フォーフューチャーの立役者 グレタ・トゥーンベリさん

つのらせる危機感が世界中で注目の的に

加速する気候変動へいち早く対応することが求められる現在、若者を中心に世界的な広がりを見せたのがフライデー・フォー・フューチャーです。

2018年8月の金曜日、ちょうど総選挙を控えている時期のスウェーデン議会前で、この抗議活動は行われました。

ストライキでグレタさんが強く主張したことは、迫り来る状況にもっと危機感を持ち、一刻も早く手を打つべきだということ。候補者たちの掲げる政策では気候変動への対策が不十分だと感じたことが、このようなアクションを起こしたグレタさんの動機でもあり、活動を知った人々へ強いインパクトを与えました。

その後、フライデー・フォー・フューチャーは「科学のもとに団結を」というスローガンのもと世界各国に広まり、サミットなどの国際的な会合や、各国の選挙タイミングに合わせて行われる組織化した運動として成長していきます。

地球の未来を守るため、若者が中心となってストライキをしています

2019年3月に行われた一斉ストライキでは、125か国・2000を超える地域で140万人以上が参加。日本でも、2019年2月にFridays For Future Japan(FFFJ)が発足し、同月に日本初のストライキを実施しました。当初の参加者は15名程でしたが、その数を上回る報道陣が集結し、メディアの注目を集める様子もうかがえました。

とはいえ、日本でのストライキ参加者は欧米と比べるとまだ少なく、活動自体もあまり知られていないのが現状です。「ストライキ」や「デモ」という言葉に抱くイメージが欧米とは異なることが、参加を妨げる要因となっているのかもしれません。

「Z世代」旋風が社会を突き動かしている

一人の少女から始まった活動が、ここまでの国際的ムーブメントを巻き起こすまでに至った背景には、一体どのような理由があるのでしょうか? そこには、現代ならではの事情も関係しているようです。

フライデー・フォー・フューチャーの中心的担い手は、1990年代半ばから2010年ごろまでに生まれた「Z世代」と呼ばれる若者たち。彼らの活動は現実空間だけにとどまらず、SNSなどのデジタル領域でも積極的に展開されています。実際に、Instagramには「#fridaysforfuture」とハッシュタグのついた投稿が100万件以上存在していて、そこからはデジタルネイティブ世代が牽引する新しい運動の形が見えてくるようです。

一連の活動はZ世代以外にも影響を与え、環境問題を“自分ごと”として捉える若者世代の主張は、もはや無視できないものになっているといえるでしょう。このことは、2018年12月にポーランドで開催された、国連の気候変動枠組み条約締約国会議(COP24)でグレタさんによるスピーチの場が設けられたことや、ドイツのメルケル首相をはじめ、フライデー・フォー・フューチャーを支持する世界各国の政治家やリーダーが数多く存在することからもうかがえます。

気候変動は、災害の増加や生活用水の減少など、私たちの暮らしにも直結する身近な問題。そのため、一人ひとりが地球環境に対して働きかけることが求められています。

ときには即効性を感じられなかったり、無力感を抱いたりすることもあるかもしれませんが、フライデー・フォー・フューチャーのように、小さなアクションが世界を動かすきっかけになることは大いにあるはずです。あなたの最初の一歩が、より良い未来をつくる大きな一歩につながっているかもしれません。

<おさらいポイント>

・「フライデー・フォー・フューチャー」は、気候変動への対策を訴える運動。環境活動家グレタ・トゥーンベリさんから広まった

・SNSを通じてZ世代の支持を集め、世界的な規模へ

・若者の主張に世界を変えるだけの力があることを示した


パシフィコ・エナジーでは、自然に配慮した安心・安全な発電所の建設と運営を行なっており、未来を生きる皆さまにクリーンで安価なエネルギーを地域共生のもと提供すべく日々、努力しています。

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