パシフィック わか

鶏とヤギと犬がファームの仲間。カナダの大自然と共生する、循環させるをモットーに。不便と…

パシフィック わか

鶏とヤギと犬がファームの仲間。カナダの大自然と共生する、循環させるをモットーに。不便といびつ、自己責任が当たり前の生活。

マガジン

  • 自分の健康について(今のところ主に乳がん)

    カナダでは無料で受けられる医療システムがあります。2024年3月ホルモン陽性乳がん診断、4月右胸全摘、腫瘍径1.5cm、リンパ節転移なし、悪性度グレード3。7月から3ヶ月のTC 療法予定。

最近の記事

乳がん術後の化学療法の決断とファームの生活と。

放射線療法は、局所再発のリスクを下げられる可能性でしたが、私には適応がなくなり、再発予防のオプションとして、化学療法を6ヶ月するか3ヶ月かの選択になっています。 ホルモン療法をするのが前提です。 化学療法は、そこから5%のリスクを下げる。 ここまでが前回の記事の内容です。 「放射線ができないので、化学療法を6ヶ月受けて、再発リスクを少しでも下げたいです」 ドクターと2回目のミーティングのさいに、私がした返答です。 3ヶ月も6ヶ月も脱毛による丸坊主は確定です。それなら0

    • 乳がん術後、再発予防の化学療法を受けることにしました。

      「あなたのキズはハート型に塞がってきたね」 「うん、私もそう思ってた」 オンコタイプDXのスコアは28。26未満だったら“化学療法の上乗せ効果なし”と判断されるところ……、 病理診でグレード3。腫瘍の悪性度が高かったことから、仕方のない結果でした。かえってスコア25あたりで悶々とするよりも“やること”一択で良かったと思います。 しかしです。すぐに始めたいのに、できない理由が上記の会話。術後4日目にドレーン抜去してくれたホームケア部門のナースさんと、私は一期一会について

      • 家族がひとつになったと実感。国際結婚15年目に描く夢(長文エッセイ)

        「パパとママって、よく離婚しなかったよね」 夫婦ケンカのたびの離婚騒動で、 子どもたちを振り回していた。 最近はする必要もなくなったけれど、 以前の夫は、怒るとぜんぜん喋らない。 「家族でしょう? ちゃんと話そうよ」 「いや、家族じゃない。子どもたちが大きくなったら、離婚しよう」 「もう、またそれ〜?」 ケンカの理由は些細なことだ。 言語の壁があるので、勘違いだったり、 相互に傾聴がなかったり、 心配性の夫、 短気な私、など……。 それが今の私たちに共通してい

        • 戻ってきた私の日常。術後5週目。

          私の日常とは、家事、畑仕事        動物の世話        家族の雑事を代わる、など。 忙しくなって、先延ばしでしたが、 このほど、日本の母へ電話しました。 「1ヶ月前に乳がんの手術をしたの」 「ええ? 子宮がん?」 「ち・が・う〜。乳ぅがん!」 「ああ、そうだったの。頑張ったんだね。よくやった」 通話中、『わかは頑張った頑張った』の繰り返し。 いつの間にか母は、しっかり耳の遠い、でも可愛い高齢者になったようです。 電話して良かった。 私は子どものころ

        乳がん術後の化学療法の決断とファームの生活と。

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        • 自分の健康について(今のところ主に乳がん)
          5本

        記事

          もうすぐ術後3週間。今後に向けての決意。

          術前にがんの転移を調べる造影CTをしました。 幸いにして転移はなし。 でも、喜べない結果でした。 よくぎっくり腰になります。トシですね。 極めつけがこちら↓ 家族にさえ喫煙者はいないし、住んでいる場所は空気がキレイな田舎です。唯一考えられるのは、ニワトリを飼っていることかもしれない。 機能しなくなった肺の一部はもとに戻らないです。今後は悪化しないように、鶏舎内では防塵マスクを着用することにしました。 自分の健康問題だけで、いくつも記事が書ける年齢になったんですね。本当

          もうすぐ術後3週間。今後に向けての決意。

          私と乳がん――手術前後の記録。家族とカナダの病院で出会った方々について。

          私の家族とは、夫と2人の娘たちのことですが。 ちょっと遠方に住む夫の両親は、私の手術翌日、毛布や果物、たくさんの手作りケーキやおかずになるパイを宅急便で送ってくれました。 ちなみに日本には高齢の母がおりますが、手術のことをまだ知らせていません。それでなくてもカナダにいるだけで心配をかけているのに、信心深い母は仏壇の前にいる時間をさらに長くする。私が完全に回復するまでは、高齢者向けのジム通いで、健康的でいてほしいと思っています。 とにかく私の術後の経過は良好。 ヘッダー写

          私と乳がん――手術前後の記録。家族とカナダの病院で出会った方々について。

          Let's do Easter egg hunt ! 復活祭のイースターに思うこと

          今年2024年、3月31日。 昨年2023年、4月9日。 2022年に至っては、4月17日。 イースターほど動く休日は、珍しいと思います。 実は春分の日を過ぎたあとの満月から数えて、最初にくる日曜日だから、なんですって。 イースター直前直後の金曜日から月曜日までが休日扱い。雪どけの時期と重なるカナダでは、キリストの復活祭と春を祝うための重要な行事になります。 さて、この記事ではエッグハントにちなんで、大人のための推理ゲームをしたいと思います。 お題は「うちは卵農家ですが

          Let's do Easter egg hunt ! 復活祭のイースターに思うこと

          日本は20日が春分の日、カナダは19日。いつもは時差で1日遅れですが、季節の分け目は同じ時を共有できるんですね。 雪どけのあと最初に咲くのはヘーゼルナッツ。落ち葉ばかりの山中に2,3mmのピンクの花がひっそり、可憐に。活動を始めた蜜蜂が受粉し、盛夏にリスの食料になります。

          日本は20日が春分の日、カナダは19日。いつもは時差で1日遅れですが、季節の分け目は同じ時を共有できるんですね。 雪どけのあと最初に咲くのはヘーゼルナッツ。落ち葉ばかりの山中に2,3mmのピンクの花がひっそり、可憐に。活動を始めた蜜蜂が受粉し、盛夏にリスの食料になります。

          不安になっても始まらないし。乳がん告知後の心境。

          2024年3月11日。私には忘れられない日になりました。 カナダはホームドクター制です。 がん告知は、毎年お世話になっている女医さんからの電話でした。 本当にいい先生で、いつも結果が出れば、良くも悪くもすぐに電話をくれます。ほかのドクターによくあるのは、結果が悪くて再診が必要な場合だけ連絡、患者が知りたければ、別途の電話予約で教えてもらいます。 私は1ヶ月前に胸のしこりに気がつきました。すぐ電話したその翌日に緊急で診てくださり(通常の診察は1,2週間後のところ)、超音波

          不安になっても始まらないし。乳がん告知後の心境。

          赤くないボルシチは、カナダの【ドゥホボール派】の人々の伝統

          ◆ビーツが入ると赤くなる。でも入っていないボルシチもある。 ちょうど小腹が空いたときに、街で人気のローカルカフェに寄ったのですが。 コーヒーにサンドイッチをオーダーする気でいたら、メニューに『Doukhobor Borscht』がありました。 カナダはまだまだ寒いです。メニューを見たとたん、温かいスープが欲しくなりました。ポテトにトマト、人参。バターやクリームのコクが嬉しい。 こちらにはベーコンが少し入っていて現代風。しかし、Doukhobor(英語発音するとドゥカボ

          赤くないボルシチは、カナダの【ドゥホボール派】の人々の伝統

          カタフーラ犬の今昔物語。木登りする珍しい犬?

          ◆この犬のブリーダーに語り継がれてきた歴史 17世紀――。 フランス人開拓者がアメリカ大陸、ルイジアナの湿原に入植し、見た目が奇妙な犬に出会います。 オオカミのよう。でも人懐っこい。 明らかに短毛で、足が長い犬の血が入っている。 それが“ウルフ・ドッグ”。 その100年ほど前、入植を断念、退却時にスペイン人が置いていった猟犬とアカオオカミとの子孫だった。 このときにフランスから持ち込まれた猟犬の血も入り、カタフーラは犬種として確立していくことに。 ボースロン、グレー

          カタフーラ犬の今昔物語。木登りする珍しい犬?

          【牧羊犬】多くの種類の中からピッタリを見つけるまで

          牧歌的なカナダの田舎に欠かせない牧羊犬と牧畜犬ですが、何種類もの中から家畜の種類に適した犬を探します。 たとえば牛のファームなら、heeler:牛の踵(ヒール)を軽く噛むなりして群れを誘導する犬。オーストラリアン・キャトル・ドッグが有名です。 近所のファームにはその犬がいますが、牛に蹴られて片目が見えなくなったらしいとか、歯が折れたとか。人間が蹴られた場合、死亡事故まであるので、体を張ってくれる貴重な犬です。 日本での牧羊犬というと「過去にそうだったので、たくさん運動さ

          【牧羊犬】多くの種類の中からピッタリを見つけるまで

          【冬アルバム②】雪の結晶2024

          今年に入ってから、ようやく冬らしく雪が降りました。(積雪量は30〜50cm。場所により風通しにより異なる)とにかく嬉しいのは、つるつるの氷の道を転ばないように、慎重に歩かなくてもよくなり、ザクザク歩くことができます! でも喜んでばかりはいられなくて、雪かき。やっと終わったと思ったら屋根からまた落ちてきて、もう一度です。 積もるような雪が降っているということは、気温が上がってきたからです。最近はマイナス5℃〜0℃。シャツ1枚で雪かきしています。 住んでいるのは、カナダの田

          【冬アルバム②】雪の結晶2024

          【冬アルバム①】氷と霜の世界2023

          ❅ 上の写真はクリスマスに集めた自然素材が凍ったところ。(赤:ローズヒップ、オレゴングレープの葉。緑:アザミの葉、松葉) カナダの中部地方のファームにいます。冬真っ盛りの今はマイナス10℃からマイナス30℃の気温。寒い年はマイナス40℃から50℃になる場所なので、マイナス10℃に上がる昼間は暖かいと思ったり。 例年の積雪は1mのところ、今年は少なくて20cmくらい。それでもニワトリとヤギは外へ出られない(出たくない)深さ。(ご近所の牛や馬は強くて普通に外で過ごしている)

          【冬アルバム①】氷と霜の世界2023

          【空色アルバム】withコットンウッド秋〜冬

          カナダの中部地方の自然をお届けしています。 今回はコットンウッドというポプラの大木とその背景の空の色をアルバムにしました。春になると綿そっくりのタネを飛ばすのが名前の由来です。秋にはうちの周りを一気に華やかにしてくれます。 まずは、その木に近づいてみましょう。上の写真の黄色い木です。後ろにヤギたちが写っていますが、人懐っこすぎて、放牧日和のピーカンにヤギなしでの撮影はできません。ちなみにヤギはこの葉っぱを好んで食べます。 ここからは動物なしで、純粋に空の色を追いかけてい

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          【空色アルバム】withコットンウッド秋〜冬

          街で知らない人から話しかけられるようになった

          若いころにはなかったけれど、ひとりで街を歩いていると、道をきかれたり、ふと立ち止まった瞬間に話しかけられることが多くなった。 私が日本へ一時帰国したときのことだから、久しぶりの街並みを余す所なく焼きつけようと見渡していたせいなのか、バスの行き先をワクワクと眺めていたり、エコな形の車に見とれてもいた。さぞかし良いタイミングで現れたヒマ人に見えたと思う。 外国人にも道を尋ねられた。私が海外在住を思わせる物をいっさい持っていなくても、知らない人に片手を上げて「ハイ」と挨拶してし

          街で知らない人から話しかけられるようになった