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おくりびと

コロ日4 27日目
2024年7月2日(火)

日記を書こう書こうと思ううちに7月になってしまって、遅めの梅雨が来る。

先日、初めてお葬式というものに参列した。
今までも親戚とか身近な人が亡くなったことはあったけれど、距離的な関係等で参加できたことがなかった。

先月、元職場の仲間が亡くなってしまった。
まだ51歳だった。母と同い年。

同僚というには歳が離れすぎてて、先輩というには仲の良すぎる関係で、後輩ともいえなくて、仲間と呼ぶしかしっくり来ないような、そんな人。

文字通り、太陽みたいな人だった。根っからの陽キャで、全然知らない人をいきなり飲み会に連れてくるなんてことがしょっちゅうだったけれど、それが不思議と全然不快ではなくて、明るくて元気で楽しくて笑顔の可愛い、その人がいるだけでその場がパッと明るく盛り上がるような、そんなおばちゃん。

その人をよく知る人たちは嫌いな人なんて1人もいなくて、みんな大好きだった。自分よりも他人をケアすることを優先してくれるような、愛に溢れた人だった。

前職でも、いまだに色んな同僚と交流があったり仲良く出来ているのは、この人のおかげと言っても過言ではない(大多数が辞めているけれど)。社内でも社外でも、色んな人を繋げてくれた大切な人だった。

そんな人でも、こうやっていきなり亡くなってしまうのだと、この世の不条理さを痛感する。根本の原因は乳がんだったけれど、まだまだ元気そうだったので生きると思っていたし、なぜ、いつもいい人ばかり早く死んでしまうのだろう?なんて不合理な世の中だと叫びたくなるそんな日に、お葬式に行ったのだ。

お葬式は、すごくカラフルだった。もうめちゃくちゃカラフルだった。

亡くなった本人の意向で、お葬式は厳かな黒とかフォーマルな服装とかではなく、ラフに自由にカラフルにしてほしいと言うことで、それならばと私も青いTシャツを着て行った。アロハシャツの人もいたので全然浮いてなくて安心した。グローバルで自由なお葬式、ほんとに助かる、こうあるべきだよねと心の底から思う。

初めて、棺桶の中の死体に触れる。たくさんの色とりどりのお花に囲まれて眠る、死んでいるはずのその人が、びっくりするほど綺麗で美しくて泣いた。マダムタッソーの蝋人形みたいに綺麗で、でもそこに魂がないということがはっきりとわかった。魂なんて、見たことも触れたこともないのにね。人はやっぱり、目に見えないもので出来ているのだと思う。

『おくりびと』という昔観た映画を思い出した。あれは、こういう美しさを作る人たちの話だったのだと初めてきちんと理解できたような気がする。なんとなく好きな映画だったけれど、もっと好きになれたような気がする。今度、もう一度観てみよう。

目から鱗だったのは、日本語も英語も流暢に操るすごい牧師さんが「graduation to heaven」と言っていたこと。そうか、「死ぬ」っていうのは、「この世からの卒業」なんだと知った。

今までなんとなく「死ぬ」というのは、「この世界からの撤退」みたいなイメージでなんとなくマイナスだった。でもきっと実際はそうではなくて、「卒業」であり、新たな門出なのだ。
そう考えるとそれまでの悲しみがスッと消えて、「こんなtoxicな世の中から卒業出来て本当によかった、おめでとう」と心から思えた。

要するに考え方の問題かもしれないけれど、少なくとも悲しみに暮れて頬を濡らす日々を続けるよりもずっといいような気がする。そして彼女も、それを望んでいるような気がする。

だから「死」というのは全然悲しいことではなくて、むしろ喜ばしいことであり、良い人ばかりがこの世を先に旅立ってしまうのも、要するにそういうことなのかもしれないと思う。彼らは先に卒業できる資格を得るのだ。良い行いをして、使命を果たす。そうして卒業していくという人生のサイクル。来世はまた地球に生まれるかもしれないし、仙人かもしれないし、宇宙の塵かもしれないし、もっと高次元にいけるかもしれないし、わからないけれど。なるほど、生きるというのがなかなかハードモードなのも頷ける。

それでもやっぱり、残される側は辛いよ。物理的にそばにいた人がいなくなるというのは、なんとも言い難い悲しみだと思う。私だって母や父や彼女や友人が亡くなってしまったらとても辛い。それでも、生きていかねばならないという苦行。修行すぎる。人の死も喜ばしいことだと考えられたら、また一歩オトナになるのかなあ。

そんなこんなで、なんだか今年は人の生死に触れる機会が多いような気がする。弟が生まれて、知人が亡くなり、友人は結婚してゆく。人生色々ありすぎるね。

とりあえず、生きているうちはラッキーと思って色々経験してみることにしよう。この間行ったNewJeansの東京ドームライブは本当に最高だった、ありがとう神様。

明日もゆるく生きるぞ。
おやすみ。

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