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PrejectRCL ZET REQUIEM:NOVELIZED 04-悪食ノ果テ 小説本文パート
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PROJECT RCL ZET REQUIEM:NOVELIZED
第4章:悪食ノ果テ
●文:Hi-GO!
●執筆補佐:ゾンリー/らいおね
●挿絵:Hi-GO!/補欠/ててん/トナミカンジ/のばでぃ/メカクリア
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※第1章~3章は以下になります。先にお読み頂く事を推奨いたします。
◆2024/08/08……あとがきコーナーにラセニアの過去の姿を追加
キャラクター紹介
▼シエル
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▼ブロッサム・シエル
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▼オメガ・シエル
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▼アルエット
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▼パッシィ
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▼ペロケ
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▼イロンデル
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▼ジョーヌ
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▼ロゼ
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▼グレイシア
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▼ウェクト
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▼リバース・ナイツ
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▼ラセニア
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▼ゼットルーパー
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▼ゼットール
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▼ネージュ
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▼ラファール
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▼ダイン
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▼グレイシス
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【PROJECT RCL ZET REQUIEM:NOVELIZED 04-悪食ノ果テ】
の小説本文パートのみの記事になります。
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【人物相関図】
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FILE:Ⅰ
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シエルがSEブロックに辿り着くと、ネージュから通信が入った。
外は相変わらずジャミングが張り巡らされているため、要塞に到達している飛空艇以外は直接通信が難しい。だが今回はグレイシスが搭乗している船の端末から中継することで回線に接続している。
「シエル、聞こえる? マザーエルフの調査班の安否が確認されたわ。残念ながら彼らはリバースの連中によって全滅……ヤツら、銃が効かないから本当に厄介ね……」
「そんな……私の指示でみんなが……」
自分が調査を命じたばかりに仲間が犠牲になってしまった。それは何度経験しても慣れるものではなく、シエルは通信中であることを忘れてしばらく沈黙していた。
「シエル、司令官がそんな弱気になってたらダメよ。みんなあなたを信じてついてきたのだから胸を張って。マザーの居場所にも心当たりがあるんでしょ?」
「ええ……恐らくこのヴァルハラの動力炉に組み込まれているはずよ……あの主砲の力はそうとしか思えない……」
過剰な威力に加えて地形の再構築現象。ただの兵器には不可能な性能だ。事象に干渉するほどの大きな力といえばマザーエルフの存在以外、現状の技術力ではありえない。
「えー……そんなことになってるの……? うーん……なら、取り返さないとね。調査班のみんなのためにも……!」
ネージュからの檄。すると、そこにコール音が割って入る。
「ん? 何か別の通信が入ったわ。一度切るわね」
シエルが通信を切り替えると、ウェクトの声が響いた。
「ごきげんよう、シエル嬢。あれから調子はいかがかね……?」
「ウェクト! よく口がきけるわね……! アルエットはどこなの?」
「まあ、そう急くな。あの子は塔の天辺で大人しくしておるわい」
「……無事なら今はそれでいいわ。後で絶対取り戻すまでだから」
アルエットの居場所と安否が確認出来て、シエルは内心安堵した。これで、よりミッションに専念できる。
「ほう、大きく出たものだ。塔の天辺まで来るということはロゼ様と相見えるということじゃぞ……?」
「ええ。彼が立ち塞がるなら私は悩まない」
「ほぉ……ゼットルーパーすら満足に斬れん割には随分と覚悟が決まったようじゃの。ならば止めはしまい、見守るだけじゃ。あのお方の足元にひれ伏す姿を、な……」
ウェクトが言い終わると一方的に通信は切られた。
「ッ……まだ斬れないことは見抜かれていたけれど、システマ・オメガのことは伝わっていないようね。考えようによっては当面の切り札になるわ……」
局面において情報は武器になる。システマ・オメガの存在が露見していない現在、シエルの意思にはムラがあると思われても仕方ない。それを逆手に取って『斬れない』と思わせておくことは、事を進めるにあたって有利に働く。
彼女はそのままSEブロックの奥へと歩を進めた。
◆SCENE2
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同時刻。ゼニム敗北を受け、ヴァルハラ内の監視カメラを通して決闘を中継していたリバース・ナイツの騎士達はさっそく通信回線を開き、会話に花を咲かせていた。ちなみにラセニアは今まさに守護ブロックをシエルが進行中で臨戦態勢のため、不参加だ。
「なんだぁ? ゼニムのやつ一番乗りでやられちまったのかよ?!」
「……ロゼ様を目の敵にしてるような奴には当然の報い……」
開口一番、ヒガンは驚きをそのまま口にする。モネアはゼニムの複雑な精神構造を理解してか、小さな声で呟いた。
「ん? モネア、今何か言ったか?」
「い、いえ、なにも……そ、それよりヒガンどうするの……?」
自分で言い出したものの、本心を悟られるのが苦手な彼女はあわてて話題を逸らす。そこへグリオサがすかさず応答した。
「そうですね。モネアさんの言うとおりです。現在SEブロックにはラセニアが待機していますが、まさかゼニムが真っ先に倒されるとは想定外でした……Z-FACTOR係数も高レベルですし……」
「確かに。グリオサ殿の言う通り、彼は団に加入して日は浅いが武器を用いた率直な戦闘力では、我ら守護騎士の中でも随一のはず……それに、オーバードライブまでもが破られるとは……」
幸いグリオサとベラーガが話に乗ってきたのでモネアは安堵した。
「とりあえずアレだな。当たって砕けろ、だ」
「ヒガン! 仮にも仲間が倒されたのです! 少しは団長らしく真面目に対応してください!!」
「あー、あー。うるせぇなぁ……もう『ゲーム』は始まっちまってるし、自分達から仕掛けた手前、ルールを変えるわけにもいかんでしょうが。せっかくロゼ様も許可をくれたってのによぉ……」
逆上するヒガンは声を荒げた。流石にモネアとグリオサもあまりの投げやりな回答に引き気味だが、彼なりの筋があるらしい。
「ふむ……あながちヒガン殿の言うことも的外れではない。現に直接ぶつかる以外、こちらに切れるカードはない……」
意外にもベラーガがヒガンをフォローした。既に手遅れであるからこそ、対峙にあたっての覚悟が大切というのも本当のことである。
「おぉ、ベラーガ師匠わかってるぅ~。OK? グリオっさん!」
「で、ですがせめて各自の制御室は戦いに有利にすべきでは……」
「そんなこと、とっくにみんなやってるだろ? なぁ?」
「あ、あれ、ひょっとして私だけですか? なら急がないと……!」
この各メンバーに全てを投げっぱなしにするという放任方針のため、しばしばこういった事態が発生するものの、各々の能力の高さもあって今までは問題にならずに済んできた側面がある。
「そんなことよりモネアちゃん、随分ゼニムに嫌われてたねぇ」
先ほどのゼニムの激昂を見たヒガンは、また率直に思ったことを口に出していた。
「な、なにもない……一方的な逆怨み…」
「そ? ならいいんだけどさぁ……あんまり内輪でギスギスしたのはよくないと思ってね。一応団長なりの気遣いってヤツ」
「こういう時だけ団長ヅラしなくていいですから……」
回答に詰まるモネアを不憫に思ったのか、諫めるグリオサ。
「む、あの小娘の足が止まったようだ。何かあったのやもしれぬ」
「お、ちょっと様子見てみますかねぇ~」
ベラーガとヒガンのやり取りを最後に通信は一旦中断された。
◆SCENE3
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「アタシの食卓にようこそ☆」
シエルは今、巨大な皿を模したような円卓のフィールドで『甲盾騎のラセニア』と対峙している。騎士の中でも最大であろう巨体の迫力に負けじと歯を食いしばっているが、思い返すとここまでの道中は散々だった。
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