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映画「母性」を観る

全く予備知識なくNetflixで観る
恥ずかしながらエンドタイトルで原作が湊かなえと初めて知った
そうなると、たくさんの人たちが色々なところで書評を書かれているので、私ごときが内容のコメントなど出来るはずがないが、
さすがと感じたのは、それぞれの人物の性格を感じて観ていると、転機となるシーンのセリフが想定している真逆のことを言う、観る側を見事に裏切り、またそれが伏線となり終盤で回収に繋げていく、見事である


老眼がきつく、ここ数年すっかり本から遠ざかっていたが、こういう作品観ると原作が読みたくなる

作品は、カメラに向かっての独白、正面から人物を捉えるカメラワーク、屋外シーンも不要なモノを排除し人物を際立せている
しっかりと映画という箱庭をつくあげている
それに応じるように全ての役者が張りつめた演技をしている
いわゆる正当な日本映画ですね
どっしり腰をすえて作品を作っている感があり、好きな作り方です

なんとなく寝転がって観てたが、途中から正座して観ることになってしまった

ジェンダーについて、世の中が色々な騒がしくなってきているけど、「母性」なんですよね
こういう観客に刺さり混むテーマの作品を、どんどん映像化して欲しいものです

どうでもいいが、高畑淳子、矢吹満、大地真央クラスになるとスバ抜けた演技力で脇を固めるが、テレビやCMで素顔を見せたり、ふざけたりするのを何度も見てると、それが強烈に残り、今回のような作品のときには違和感を覚えてしまう

ハリウッドで言うと、少ない出演シーンでも強烈なインパクトを与えるモーガン・フリーマンやローレンス・フィッシュバーンがテレビで繰り返し素顔見せてふざけるのを見れば、次回の作品では興ざめしてしまうだろう

舞台挨拶やインタビューで、照れた素振りで短く受け答えしていた昔の俳優は、自己演出もあるんだろうけど旨かったと思ってしまう

とにかく、観て良かったと思える作品でした


個人的なことですが、廣木監督のことをWikipediaで見ると、中村幻児に師事と記載、中村監督作品を劇場でリアルタイムで観たのは高校生のころ、自分を映画好きに誘ってくれた人の名前を久し振りに見るととても嬉しい
               了










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