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映画「死刑にいたる病」を観る

Netflixで観る
明らかに重くなると思える映画を敢えて観る
日常では決して経験出来ない重さをリアリティとして味わうために

と、タイトルとキャッチから勝手に想像して観たら、重さを感じる前に映画に置いてきぼりにされてしまった

心理描写で鋭くえぐる作品と思っていたが、グロテスクなシーンが随所に挿入され、その過剰さ故に逆に興ざめしてしまう、制作者はそのカットを撮りたいんだろうけど、それがこの作品にどれだけ効果的な演出になっているのか

主演や脇を固めるまだ若い役者も、鋭い目で演技をし、それぞれの役を見事に作り上げている
しかし、この作品の主要な登場者は、我々が普段接することの無い、非日常の人格を有するは人物である

その人物が作中の人格に至るプロセスの描写が希薄であれば、リアルに受け入れられず、役者の演技もただ前のめりになっているように感じられる
観る側が、その人物に感情を寄せれなくなるのである

これは脚本の問題かもしれないが、私の貧相な理解力が要因しれない

後半の拘置所の面会場での撮影手法や演出も工夫しているが、この作品での手法なのか、その不容易な演出により映画の世界から現実に戻されてしまう

この監督、凄みのある作品を産み出しており、好きな作品ばかりなんだけど、

この作品は、映画が始まる前に、監督・役者を含め制作者側が世界観を作り上げているしまい、観客は置いけきぼりにされている

ただ、見方を変えてサイコパスのエンターテイメント作品と捉えるなら、これでいいのかもしれない

どうでもいいが、阿曽山大噴火が傍聴席で何度も写っている
この作品に出演させる意図は何なのであろう


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