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スモールM&Aと補助金

BATONZでM&AアドバイザーをやっていますパートナーCFOのまあーつんです。いかにして案件をまとめるかが自分の役目ですがなかなか難しいものです。

今回は補助金と絡めてスモールM&Aを述べたいと思います。


1. 事業承継補助金

 第一番目はM&Aを伴う事業承継を行うと補助金を出すという事業承継補助金というものがありました。この補助金は令和2年度補正予算によって実施されるもので、今年までで数回実施されています。

 今年度の補助金は実施事務局が決まった段階ですので、どのような補助金になるかは執筆時点でわかっていません。ただ、わかっているのは親族承継ではない事業承継を行う際にM’&Aを使うと補助金交付対象になるというものです。

 補助金が採択されたいがゆえにM&Aを実施するというのは本末転倒だと思いますが、M&Aを実施した場合に補助金が出ることがあることを知ってM&Aの案件を探そうとする人はいます。それでM&Aがうまく行くかどうかはわかりません。

 あくまで補助金の有無とは関係なくM&Aを実施するのが本筋だと思うのですが如何でしょうか?


2. 事業再構築補助金

 第二番目は事業再構築補助金に触れます。この事業再構築補助金は予算規模1兆円を超える者であり、一時は「持続化給付金」の後継制度だと思われていた時期もありました。

 事業再構築を行う際に会社法上の事業再編スキームを使うと補助金が出るというものです。会社法上の事業再編スキームには会社合併や事業譲渡が含まれていることから、これらを実施することで補助金が出る場合があるということです。

 ただ、この補助金が言う事業再構築は事業再編行為以外にいくつかの類型があり、更に事業再構築要件を満たす必要があります。事業再構築要件には製品の新規性と市場の新規性の二つの要件を満たす必要があり、この要件を満たすことはかなり難易度が高いように見えます。

 ここでは事業再構築とはということを述べることは控えますが、先の事業承継補助金と同じように、補助金ありきで事業再構築は困難だということを指摘するにとどめます。


3. 若干の考察

 国がM&Aの準備といったものに対して補助金を出すことは意外にも思えますが、補助金を出してでも国はM&Aを推奨する背景には何があるのでしょうか?
それは事業承継を促すことと、事業再編を促すことにあります。

 言い換えるならば、事業承継補助金や事業再構築補助金はどちらも雇用を守ること、中小企業を再編し個々の中小企業の稼ぐ力を上げることにあります。その背景には後継者不足で企業が閉鎖されることを防ぐこと、規模の拡大で企業体力をつけることがあります。

 では何ゆえ補助金を使ってまでM&Aを推奨するのかですが、理由は競争力強化と雇用の確保の二つがあるようです。「あるようです」とは、実際に言質を取ったわけではありませんが公募要領はそのように読めると判断せざるを得ないからです。

 しかし、M&Aは補助金を使って行う施策であるかどうかといわれると、補助金にはなじまないと個人的には思っています。ただ事業再編に当たり補助金の出番もやむを得ないかな、という気がするのです。

一般社団法人日本パートナーCFO協会メンバ
まあーつん

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