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趣味を深める楽しさ - フォト検を受けました。

 この度、第18回フォトマスター検定において、3級最優秀個人賞・2級優秀個人賞および3級文部科学大臣賞を受賞しました。大変光栄な賞をいただき、とても嬉しく思うとともに、今の気持ちをここに綴ります。

フォトマスター検定(フォトマスターけんてい)とは、2004年より開始されたフォトマスター検定事務局が実施している写真とカメラに関する知識や技能を問う試験。通称「フォト検」。2006年の第4回検定より文部科学省後援となった。フォトマスター検定事務局は、社団法人国際文化カレッジ内にある。
(Wikipediaより)

カメラを学ぼうと思ったきっかけ

  社会人1年目の終わり、一眼レフカメラを買った。クレジットカードを持っていなかった当時、わたしは福沢諭吉を10人握りしめて、カメラのキタムラに向かった。

 相棒はもう決めていた。
 Nikon D5500。Nikonの初心者向け一眼レフカメラだ。

 もともと写真を撮ることが好きなわたし。一眼レフカメラは、憧れだった。購入前、数々のサイトと家電量販店をチェックした。当時は、数あるメーカーのどこが違うのか、どこが良いのかもわからなかった。ひたすら店頭でカメラを触ってみて、パンフレットを集めた。

 そして決めた、D5500。
 選んだ理由は、”シャッター音がなんかいい!”これだけだった。

 「これ、ください!」

 福沢諭吉を10人握りしめ、何の迷いもなくそう言うと、彼らを差し出した。彼らは店のレジに吸い込まれ、わたしはD5500とキットレンズ2本を手に入れた。
 店員のお姉さんが、液晶の保護フィルムとレンズの保護フィルターを勧めてくれた。それも一緒に買った。

 大きな箱を持って、歩いて帰った。
 光が暖かくて、風が冷たい冬の日だった。

 社会人になってはじめての大きな買い物。大切に使おう、そう決めた。丁寧に開けた箱は、今でも押し入れの中にしまっている。

 そしてこの日から、わたしはカメラの虜になってゆく。

 どこかに行くときは、必ずD5500を持ち歩いた。少しずづ設定を覚え、何冊か初心者向けのカメラのHow to本を買った。せっかく好きになったこと、勉強してみたいと思ったのだ。

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フォト検との出会い

 フォトマスター検定(以下フォト検)の存在を知ったのは、カメラを買った日からそう遠くはない。「カメラや写真に関する検定ってないのかなあ」とネットで調べたことが、きっかけだ。

 本屋に足を運ぶと、問題集が売っていた。

 手にとってパラパラと見た。難しそうだけど、面白そう。試しに買った。この頃は「いつか受けてみたいなあ」と考える程度の気持ちだった。

フォト検に挑む

 それから、3年。相変わらずカメラの虜であるわたしは、シャッターを切る瞬間に己の生を感じるほどになっていた。レンズやストロボなど機材も増えた。カメラも新しくNikon Z6とFUJIFILM X100Fを買った。

 カメラが好きだ。写真も好きだ。
 その時、思った。
「今年はフォト検受けてみようかな」

 最近はカメラのHow to本も開いていない。自分はもう、基本の”き”くらいはわかっていると思っていた。
 本当に、その知識は身についているのか?試してみたくなった。

 フォト検には難易度に合わせて、3級・2級・準1級・1級がある。各級の目安は、以下のとおりである。

◆趣味として楽しんだり、ステップアップのための足掛かりとしての3級
◆趣味をより深めるためや、写真関連業務の基礎知識レベルの2級
◆趣味を極めたり、写真関連業務なら中堅レベルの準1級
◆写真教室の指導者を目指したり、写真関連業務では十分な専門知識と実力を発揮できるレベルの1級
(フォト検 公式テキストより)

 連続する2階級は同日受験可能だ。趣味でやっているわたしは、3級と2級を受験することにした。サイトから受験申込をすると、後には戻れない何かを感じた。
 さてさて、勉強せねば!3年前に買った問題集を引っ張り出し、フォト検のホームページから公式テキストを購入した。

 これが正解だった。フォト検の受験を検討している方は、公式テキストの購入をおすすめする。
 出題範囲が項目ごと分かれ、ところどころに図表が掲載されて、非常にわかりやすい。カメラの知識が多少あれば、すんなり内容が頭に入ってくると思う。

 目次には、カメラ・レンズ・撮影用周辺機材・機材管理・光・撮影・写真の仕上げ・写真文化に関すること・デジタルカメラ・フォトレタッチ・フィルムの11項目。わたしが受験した2級までなら、このテキストを熟読しておけば、確実に点数に結び付くと感じた。

フォト検の勉強方法

 わたしは、ほぼ月曜日から土曜日まで働いている。仕事の日は、夕飯を食べ終えるとだいたい22時過ぎ。
 さらにフォト検は11月。わたしはその翌月に自身の結婚式を控えており、その準備に追われていた。

 そんな生活でいつ勉強する?

 絞り出した時間は”1時間の昼休み”
 昼食を飲み込み、テキストを読み込むことにした。
 項目の最後にある確認テストを解く。知らないところには線を引き、付箋を貼る。テキストを1周したら、今度は知らない箇所だけを読み返し、それを潰していく。テキストだけでは理解できないことは、調べたりもした。学生の頃と同じ勉強法だ。

 試験直前には、3年前に買った過去問を当日の試験と仮定して解いた。時間配分は、そこで覚えた。

 勉強期間は、受験申込をした夏からだいたい2~3か月だろうか。ほぼ毎日、1時間だけ集中して勉強した。家ではほとんど勉強しなかったので、夫からは、テキストを枕にして寝ているように見えたかもしれない。

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そして受験、合格発表、優秀賞受賞

 迎えた試験当日。会場では消毒用アルコールの設置や座席のソーシャルディスタンスが配慮されていた。3級は午前、2級は午後だ。
 試験時間は80分。3級・2級はともに60問。(上級ほど問題数が増える。)すべてマークシート方式だ。時間が経過すると、途中退出も可能である。

 席に着き、鉛筆と消しゴムを並べる。学生時代を思い出した。空き時間は自分の苦手な項目だけ確認し、試験中は問題の読み間違えとマークミスに気を付けた。3級を受け終わった時点で手応えを感じた。
 昼食は近くのカフェでとり、午後に2級を受けて、終了。問題用紙は持ち帰った。

 後日、ホームページに出た解答速報で自己採点した。わたしは合格を確信した。年末に届いた結果通知では、両級とも合格だった。

 その数日後のことだ。驚いたことに3級最優秀個人賞・2級優秀個人賞の知らせが届いた。嬉しい。勉強した結果が、賞状になったのだ。

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 合格者の声として、合格体験記を寄稿した。

 さらに驚いたことに、2月下旬にもう1枚賞状が届いた。賞状は、筒に入っていた。なんと3級で文部科学大臣賞をいただいたのだ。

文部科学大臣賞選考基準

《表彰の趣旨・目的》
 文部科学省後援フォトマスター/写真とカメラの実用知識試験において、特に成績の優秀な合格者を表彰することによってその優れた技能を讚えるとともに、多数の受験者や生涯学習として写真とカメラに関する学習に取り組む人々の励みとする。
《3級、2級、準1級、1級 各級個人賞と選考基準》
 各級個人賞は、「フォトマスター検定」合格者から優秀な成績を収めたものを1名選出し、文部科学大臣賞個人賞として表彰する。但し、過去に文部科学大臣賞を受賞したことのない者とする。
 選考基準としては「公益財団法人 国際文化カレッジ 優秀賞等選考基準」に従って選考された、各級の最優秀個人賞受賞者とする。但し、最優秀個人賞受賞者が複数の場合には、フォトマスター検定の受験経歴とその得点等の評価、あるいは必要に応じて写真活動に関する作文や写真に関する経歴書等の提出を求め、総合的に判断して1名に絞って表彰するものとする。また、該当者に文部科学大臣賞の受賞歴がある場合には、次順位の者を表彰するものとする。
(公式ホームページより)

 えー!!!!マジ!?!?!?人生に1回しか受賞できないっぽい!?
 超嬉しい!!!!!!!!!!フォト検受けてよかった!!!!!

 おっと、取り乱してしまった。それほど、喜びは大きい。
 ”シャッター音がなんかいい!”で選んだNikon D5000を手にしてから、4年が経っていた。当時、カメラの知識はゼロだった。
 わたしはカメラを通して、学ぶ喜びを確かに感じていた。

 知らないことは、まだまだたくさんある。知りたいこともたくさんある。今後は準1級・1級にも挑戦したい。今回、準1級の合格率は45.05%、1級は22.15%だったそうだ。実に、面白そうだ。

好きなことを学ぶこと

 現在、スマートフォンを含むカメラはみな高性能である。シャッターを押せば綺麗な写真が撮れる時代だ。気軽に写真に残すことができる今、写真が好きな人は世界中にたくさんいるだろう。

 今でこそ、カメラ・写真との向き合い方が問われるのではないだろうか。

 シャッターを押せば写る、ではなぜ写真が撮れるのか。こういう写真が撮りたい、ではどうやれば撮れるのか。好きなことに対して生まれてくる疑問に向き合うと、きっと新しい世界が見えてくる。

 好きなことを学ぶのは楽しい。カメラや写真が好きな方は、そのきっかけとして、フォト検を受けてみてはいかがだろうか。

 それでは、良い写真生活を。


🌸わたしが寄稿した文章が合格者の声として載っています!


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