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しをよむ

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毎週日曜日に、詩の感想を書いてみています。 更新時間は気まぐれ。
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記事一覧

【しをよむ131】金子光晴「奴隷根性の唄」——時間と心身の余裕がないのは奴隷。

一、二週間に一編、詩を読んで感想など書いてみようと思います。 金子光晴「奴隷根性の唄」(…

稲見晶
3年前
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【しをよむ131】高村光太郎「ぼろぼろな駝鳥」(2回目)——食べて、生きるための力。

一、二週間に一編、詩を読んで感想など書いてみようと思います。 高村光太郎「ぼろぼろな駝鳥…

稲見晶
3年前
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【しをよむ130】川崎洋「なぜ」——科学と物語を生む。

一、二週間に一編、詩を読んで感想など書いてみようと思います。 川崎洋「なぜ」(田中和雄編…

稲見晶
3年前
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【しをよむ127】栗原貞子「生ましめんかな —原子爆弾秘話—」——肯定には理由も要ら…

一、二週間に一編、詩を読んで感想など書いてみようと思います。 栗原貞子「生ましめんかな …

稲見晶
3年前
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【しをよむ126】真壁仁「峠」——開けた視界の先に。

一週間に一編、詩を読んで感想など書いてみようと思います。 真壁仁「峠」(田中和雄編『ポケ…

稲見晶
3年前
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【しをよむ125】河井酔茗「ゆずりは」(2回目)——譲ったとしてもなにひとつ失われず…

一週間に一編、詩を読んで感想など書いてみようと思います。 河井酔茗「ゆずりは」(田中和雄…

稲見晶
3年前
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【しをよむ123】新川和江「わたしを束ねないで」(2回目)——人間関係の名付けは第三者のため。

一週間に一編、詩を読んで感想など書いてみようと思います。 新川和江「わたしを束ねないで」(田中和雄編『ポケット詩集』(童話社)より) 以前にこの詩を読んだ記事はこちら: 「名付け」や「生活」の枠を飛び出してどこまでも飛んでいくような疾走感。 木下牧子作曲の合唱曲の印象も合わさり、この詩を読むたびに風を感じます。 ガッチリとした感想はおおむね前回で語り終えてしまったので、 今回は軽めにいきます。 扱いやすく小分けにされるのを拒むこの作品。 先日読んだ石垣りん「表札」と

【しをよむ122】会田綱雄「伝説」——夜に生きるもの。

一週間に一編、詩を読んで感想など書いてみようと思います。 会田綱雄「伝説」(田中和雄編『…

稲見晶
3年前
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【しをよむ121】吉野弘「祝婚歌」(2回目)——推しキャラはかわいいし推しカプは尊い…

一週間に一編、詩を読んで感想など書いてみようと思います。 吉野弘「祝婚歌」(田中和雄編『…

稲見晶
3年前
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【しをよむ120】高橋睦郎「鳩」——駆け引きというにはあからさまで。

一週間に一編、詩を読んで感想など書いてみようと思います。 高橋睦郎「鳩」(田中和雄編『ポ…

稲見晶
3年前
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【しをよむ119】井上ひさし「なのだソング」——ひたすら猫の話をさせてください。

一週間に一編、詩を読んで感想など書いてみようと思います。 井上ひさし「なのだソング」(田…

稲見晶
3年前
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【しをよむ118】茨木のり子「汲む —Y・Yに—」——ゴツゴツの幹から今年も新芽が出る…

一週間に一編、詩を読んで感想など書いてみようと思います。 茨木のり子「汲む —Y・Yに—」…

稲見晶
3年前
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【しをよむ117】山之口貘「求婚の広告」——まだ見ぬどこかのすばらしいあなた。

一週間に一編、詩を読んで感想など書いてみようと思います。 山之口貘「求婚の広告」(田中和…

稲見晶
3年前

【しをよむ116】濱口國雄「便所掃除」——私たちが人体である限り。

週間に一編、詩を読んで感想など書いてみようと思います。 濱口國雄「便所掃除」(田中和雄編『ポケット詩集』(童話社)より) タイトルから察せられる通り、読んでいるうちに顔をしかめて鼻にシワを寄せたくなる感じです。 短い文で一つ一つの場面を描くことで、掃除を追体験している気にさせられます。おそらく作者がここで書いているのは男性用トイレなので、 女性の身である私が想像する様子とは多かれ少なかれ異なっているとは思いますが。 公衆便所(和式)を掃除するひとの語りなのですが、 私が