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スタァライト

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演劇のメタと劇スの特異性:二層展開式少女歌劇のメタフィクション

pishiko https://twitter.com/pishitaro_ https://p4ko.com/ 1.二層展開式少女歌劇のメタフィクション 少女☆歌劇 レヴュースタァライトはメタフィクションであると言える。そもそも、メタフィクションとは何か。一般には、 とされている。では、メタフィクションが観客に与える効果は何か。『あなたは今、この文章を読んでいる。:パラフィクションの誕生』で佐々木は、注目すべきは「不安」であり、それは ことによると述べている。  少

舞台レヴュースタァライト#4 Climax

「少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The LIVE-#4 Climax」を千秋楽にて観劇した。劇場版からスタァライトに入った自分としては、九九組舞台の初の生観劇であり、同時に「二層展開式」の舞台としては最後の観劇となった。 タイトルがClimaxだと分かったときから、#4では何が描かれるのか気になっていた。#3では既に別れる覚悟を決め、それぞれの道を歩み始めていた彼女たちにとって、卒業とは何なのか。それを確かめるため池袋へと向かった。 幕が開き、はじめに照らされたのは

面白い=救われる

フィクションの「面白い」の一つに「救われる」がある。 「面白い」とは何か。「あー、面白かった!」を噛み砕くと、「作品から何らかのメッセージを受け取り、感動した、学びがあった、精神的に満たされた!」になる気がする。この「精神的に満たされた」こそが「救われた」ではないか。 「救い」とは何か。ググる。 超自然的な存在によって、生理的/精神的苦痛から解放されることが救いの一つであると。要するにフィクションに「救われる」とは「報われる」であり「許される」なんじゃないだろうか。

教えてくれ、レヴュースタァライト

レヴュースタァライトは呪いだ。2021年、劇場で初めて観て以来、我々は呪いにかかった。帰り道の電車が怖くなってほしい?トマトを見て思い出してほしい?そんな生ぬるい呪いじゃない、あんたの作った映画で日常全てがスタァライトになっちまったんだよ、TOPPY。 半年も経てば解放される、そう思っていた。しかし、現実、同じ映画を何回も何回もひたすら観ている。 どのレヴューが1番かと言われたら即答できるくらいには「最後のセリフ」がずば抜けて好きだ。 手紙の燃焼シーン、愛城華恋という少

劇スコメンタリー上映の感想

劇スの楽しみの一つに作り手側が、インタビューをエンタメとして開示してくれているというのがあると思う。今後この編成でスタァライトが作られることがほぼ無い以上、こういう形で(実質)新作コンテンツを提供してくれていることは本当にありがたい。感謝感謝です。 おっさん3人が喋っているだけの生配信が2500円らしい。(もっと高くてもいいです) 今までにもいろいろなインタビューがあって、この間のアニメスタイルもかなり喋ってくれていて美味しかった。しかし、今回のコメンタリー上映はそれらを

ピングドラム / ハケンアニメ試写会 / 古川監督トークイベント

ピングドラム[前編]を観た 初見の友人と映画館で視聴。自己紹介すると、今までまともに観たイクニ作品はさらざんまいだけ、あとは途中で離脱。今作もどう考えても自分には合わないと感じていたが、スタァライトにも関連していたり、イクニ作品の中でも特段評判が良かったりで、今回改めて挑戦することにした。あと難しいアニメが分かるのはカッコいいので。 駆け足感は否めなかったが、テンポが良いのでだれずに観れたのは総集編のいいところかも。新カットと思われる実写パート(さらざんまいで見た)はちょ

大場ななはオタクだ

大場ななはクソオタクである。 ①オタクはカウンターに弱い。一番しょうもないと思っていた物の意外な一面に見惚れてしまうと一生忘れられなくなる。我々観客も大場ななの真の姿に度肝を抜かれた。なんだかふわふわした声、謎の髪型と名前、ソシャゲの星1キャラみたいな大場ななのことをこんなにも好きになってしまった。そういえば、大場ななをラスボスとして消費せずに、一人の舞台少女として救ったことも作品としてのカウンターだった。 大場ななも星見純那という舞台少女のオタクである。大場ななは星見純

スタァライトインタビュー記事まとめ

インターネットで無料で観れるものまとめです。個人的にまとめていたものを公開しました。他にもあればコメントなどで教えてください! TV版古川 聖翔音楽学園放送局 新作劇場版公開直前大発表会 - YouTube おトッピー(@d6K1hdPav2c9Dmg)TV版実況ログ 古川・樋口・中村 中村 野島・山田・中村 全員 聖翔音楽学園放送局 vol.9 アニメ放送直前パーティースペシャル - YouTube 再生産古川 聖翔音楽学園放送局 新作劇場版公開直前大発

レヴュースタァライト初見感想(99K リマスター)

はじまり レヴュースタァライトというアニメシリーズを観終わりました。TV版→再編集劇場版を観てから新劇場版を観てきました。 いやーーーー面白かった。 バランスについて何がすごいって、バランスなんですよ。エンタメと奥深さのバランス。独特な演出やワードチョイスをしながら、拗らせない、このバランスがすごいなと思います。 バンクシーンでさらざんまい、ピングドラムっぽさを感じていて、やっぱり古川監督は例の監督の弟子だったんですよ。正直、例の監督の演出のクセについていけなくて、僕

劇場版スタァライトオケコンの音楽すげー!という感想

2月6日、劇場版レヴュースタァライトのオーケストラコンサートを観劇しました。いやーーー良かったですね。良すぎて真矢クロから記憶が曖昧です。普段聴いているサントラのプレイリストがポケット劇スであるとすれば、オケコンは高級劇スでした。本当にありがとうございました。 child stars(幼稚園のテーマ)がもう、本当に良かった、よかったね。わがままハイウェイは確実に右に双葉がいたし、美しき人 或いは其れはのクライマックスは壮大すぎて意味が分からなかった。一番オーケストラ映えして