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この言葉が映像化されたら?

楽しみにしてました!

今年11月5日(金)に映画館とNetflixで「ボクたちはみんな大人になれなかった」が公開・配信されました。いぇい!

私の場合は、今夏に原作を読み終えてから、23日の祝日にNetflixで映画を観ました。

映画では、世相を表す文章から始まり、主人公・佐藤とその周りの人々の半生を断片的に描いています。東京オリンピックの旗が街灯についている2020年から「逆再生的に」時代を遡って、そして最後はマスク必須の現代を生きる、という感じです。1995年から2020年までの25年間を124分に凝縮されているので、私はひとつ、ひとつの時代を走馬灯のように感じました。

90年代〜00年代のシーンは特に印象的。ファッションはカラフルでポップ。その時代に流行った音楽、CD・レコードのジャケット、雑誌の記事や事件事故のニュース、デバイスの変化も合わさって空気感が醸し出されています。探し当てた美術さんやスタッフさんに対して「すごい!」の一言に尽きます。

美術さんや小道具さんの技術力や交渉力は賞賛に値しますが、21歳の若者から46歳を森山未來さん一人で演じているのもすごいんです。20代と40代の肌の質感は比較できませんが、髪の寝癖やうねりからおしゃれパーマへ変身(変貌?)は「『東京』という街に染まっていっている証なのか!」と上京した人の気持ちの変化を感じました。この感情、東京在住の私には理解しにくい部分であります。だから、映画や小説で地方から東京に来たシーンを観たり読んだりすると「春を迎えることって切ないんだな」と思います。

だいぶ映画と関係ない私的な話なのですが、主人公の佐藤が制作会社の面接を受けているシーンで、「私の採用の時と似てる」と。こうやって同僚と並んで社長の質問に答えたなあと、季節は映画と真逆の冬でしたが、じぶんの頃を思い出しました。

□書籍の感想はこちら

文庫本の帯に映画化されると決まってから本を読み始めたので、読んでいる時点から、「この文章がどんなふうに映像化されるのだろうか」とイメージしながら文字を追っていました。まあ、東京に住んでいるし、かろうじて90年代に生きていたので地名とか固有名詞を見るだけで空気感などを手に取るように分かるんですけどね。

今、これを書きながら、Spotifyで配信されているこの映画の「公開&配信記念Potcast」(全4回の対談形式)を聞いています。

□公開&配信記念Podcast|ビターズ・エンドはこちら

「この番組では…監督の森義仁さん、原作の燃え殻さん、脚本の高田亮さんをお招きし、司会進行の兵庫慎司さんと共に、本作が映画化が決定されるまでのお話、そこから脚本の組み立てるまでのお話、原作の燃え殻さんとの打ち合わせ時のエピソード、森山未来さん、伊藤沙莉さんなどの出演者の方々との現場でのエピシードなど、製作から完成までのお話を中心に、4人でじっくりお話します。」

これを聞いたら中身が気になって映画を観ちゃいます。


…というわけで無理やり総括に入りますが、小説を読み終えてからでも、映画を観てから小説を読んでも楽しめる映画だと思います。

P.S .「俳優・森山未來」だから現実が様になっているように見えるんだよな、と。