日常から学ぶ論理的思考力➁
今回は↑のnoteの続きです。(完結編)
テーマは「思考力」
仮説思考と抽象化思考の基礎について書いたので、是非最後まで読んでみて下さい。
【結論・全体から】考える
<論理的思考力はメンドクサイ>
「働くとは何かについてレポートを書き、提出しなさい」
もしこんな課題が出たら、まず何から取り掛かりますか?
とりあえず何か文章を書き始める。もしくは、「働く 目的」でとりあえず検索し、文章を参考にする。こんな方も少なくないと思います。
しかし、実は多少遠回りでも、全体の見通しや仮説を立ててから作業に取り掛かった方がより早く、より良いレポートが作れるのです。
この考え方を「仮説思考」と言ったりします。
<なぜ結論・全体から考えると早く済むのか>
そのロジックは以下の通りです。
仮説(仮の結論)を立てるとそこに辿り着くための道筋が見えるようになる⇒今やるべきことが見えてくる⇒それ以外のこと(無駄なこと)をしなくて済む。
逆に、情報収集から始めると、こうなります。
とりあえず情報収集⇒やめ時が分からない⇒情報をパズルのように組み合わせる⇒自分でもよくわからない文章が完成する⇒場合によっては、全体の方針を変え、情報収集をやり直す。
そのため、結論から・全体から考えること、
何を考えるべきかをまず考えることが大事なのです。
<日常から考える>
「友人のために、お祝いのプレゼントを買う」
そんな時、とりあえず近場のモールに行き、散策しながらプレゼントを探すのは時間がかかります。
まず、相手の趣向を考え、案が浮かばなければネットでザックリ(必要最小限に)調べ、何を買うか大体のアタリ(仮説)をつけてから、その専門店に行く。
こちらの手順の方が、より早くより良いプレゼントを買うことができるのではないでしょうか。
論理的思考力(仮説思考力)は「面倒で一見遠回りだが、実は近道」というような、急がば回れの手法だと言えます。
<余談>
上記の例の目的は「良いプレゼントを買うこと」だったため、目的達成のためには結論(仮説)から、全体から考えることが効果的でした。
しかし、「プレゼント選びを楽しむこと」が目的だった場合、どうなるでしょう。おそらく、モールに行って散策すること自体が目的のうちに含まれるのではないでしょうか?
よく、「女性の買い物は長い」と言われることがありますが、それはそんな些細な目的の違いに起因するものなのかもしれません。
身近な「目的の違い」の例
習得が目的:ビジネス書、参考書、講座
過程を楽しむ:小説、アニメ、ドラマ
【単純に】考え、発想する
これは創作者が他のジャンルの作品を見て「自分の作品に活かせるところが無いか」を探す際に使われるような思考法です。
➀観察対象の本質を見抜く(抽象化)
<なぜ、この本はヒットしている(面白い)のか>
「全体の流れは、主人公の暗い過去(読者の共感)、ヒロインとの出会い(幸せ)、二人に訪れる危機(絶望)、乗り越える」
⇒読み手の感情の起伏、その持っていき方が滑らか
「キャラとしては、ヒロインは天真爛漫、主人公はシャイ」
⇒共感されやすい主人公像
「舞台・題材は学校×将棋」
⇒独特かつ興味深い
等々
➁本質を結びつける(学びを活かす)
「共感を生むストーリー」
「愛すべきキャラクター」
⇒これらの要素は自分の創作活動にも活かせそうだな
➂具体化する(形にする)
「よし、この学びを自分の作ろうとしている楽曲制作にも活かそう。」
「特にキャラへの"共感"が大事そうだ。」
「音楽×物語×共感」をテーマに、数曲合わせて一つの物語ができるような楽曲を作ってみよう。
「まず、主人公への共感と親近感⇒幸せ⇒絶望⇒乗り越えるの流れに沿って考えてみて……。」
<余談(就活生の方へ)>
就活をしていると、「趣味を仕事にするな」というアドバイスを送る大人に出会ったりします。
そのように言う理由は、「もし趣味を職業にしてしまったら、上記の例のように、純粋に作品を楽しむことができなくなるから」ではないでしょうか?
(楽しむから学び・吸収へ目的が変化しているため)
もし、それでも趣味や好きなものを仕事にしたい方は、それなりの覚悟が必要だと思います。
「受け手」ではなく、「提供する側」になることについて、是非しっかり考えてみてください。
この抽象化思考は、たとえ話やなぞかけの思考プロセスと似ているので、もしこの力を鍛えたいと思ったら、チェックしてみると良いかもしれません。(書籍としては「地頭力を鍛える」がお勧めです。)
書籍紹介
全体から結論から考えることについて書かれた本。
問題解決の全体像が見えるため、問題解決本の一冊目としてもおすすめ。
抽象化思考に特化した本。起業や独立を目指す方にもおすすめ。
「新たな発想をするために特別なことをする必要はない。すべてのヒントは日常の中にある。前田裕二がメモをとる姿をみているとそう思う」秋元康
最後までお読みいただきありがとうございました。
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