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マウンテンのライブ、その魅力とは?『Live - The Road Goes Ever On』で解明 - 熱狂の17分、『Nantucket Sleighride』

Mountain / Live - The Road Goes Ever On、邦題「暗黒への挑戦」は、マウンテンの中で、最も好きなアルバムです。収録時間は短いですが、マウンテンの肝は、全てこの中に詰まっています。(当時の邦題をつける人は「暗黒」が好きですね。このアルバムに暗黒の要素はありません。あるとしたらメンバーの確執かな。変な邦題?)マウンテンが気になったなら、これと悪の華の2枚を聴くことをお勧めします。彼らは、ライブバンドです。特にライブでは、そのダイナミックな演奏スタイルと、即興性豊かなセッションで聴衆を圧倒してきました。こじんまりしたスタジオテイクより、絶対にライブがいいですから。

Mountain / Live - The Road Goes Ever On

バンドの沿革
Mountainは、レスリー・ウェスト(Leslie West), フェリックス・パパラルディ(Felix Pappalardi), コーキー・レイン(Corky Laing), スティーヴ・ナイト(Steve Knight)の4人によって結成されたアメリカのハードロックバンドです。彼らの音楽は、レスリーのユニークなギタートーンとフィーリング、フェリックスのミシガン大学でクラシックを専攻していた経験とクリームのプロデューサーをしていた経験に基づくプロダクションスキル、コーキーのパワフルなダブルベースドラム、スティーヴのキーボードテクスチャーが組み合わさって、独特のロックを創り出しました。

アルバムの制作経緯・特徴
"Live - The Road Goes Ever On"は、1972年にリリースされたMountainのライブアルバムで、悪の華のサイド2に続き彼らの二番目のライブアルバムにあたります。このアルバムには、1969年8月、1971年12月、1972年1月の3つのショーで録音された4曲が収録されており、アルバム制作はバンドのベーシスト兼セカンドボーカリストのフェリックス・パパラルディによって行われました。特に「Nantucket Sleighride」ははサイド2すべてを使った約17分38秒にも及ぶ長尺です。

録音メンバーと担当楽器
録音は、音源によってドラムスの交代時期になります。レスリー・ウェスト:ギター、ボーカル、フェリックス・パパラルディ:ベース、ボーカル、プロダクション、スティーヴ・ナイト:キーボード、N. D. スマート:ドラム(1, 2トラック)、コーキー・レイン:ドラム(3, 4トラック)。

アルバム収録曲
実にコンパクトに4曲が収録されていますが、これがマウンテンの全てと言ってもいいくらい、うまくバンドの良いところが切り取られていると思います。

  1. "Long Red":ドラムで始まるライブならではのグルーヴです。レズリー・ウエストの骨太のギターがいいですね。

  2. "Waiting to Take You Away":クールダウンして、独特のリズムとメロディが魅力。

  3. "Crossroader":ブルース系ハードロック。ボトルネックのプレイがいい味を出しています。

  4. "Nantucket Sleighride":約17分に及ぶ大作であり、ライブパフォーマンスにおいてバンドの演奏能力と音楽的幅広さを示す絶好の例です。この楽曲では、レスリー・ウェストの力強いギターワーク、フェリックス・パパラルディの緻密なベースプレイ、コーキー・レインのドラマ性あふれるドラム、そしてスティーヴ・ナイトのキーボードが見事に融合し、マウンテンの音楽的多様性と深みを存分に発揮しています。と言っても、そんなにテクニカルなタイプではないですね。ちなみに、冗長な日本でのライブのテイクより、絶対、こちらです。昔の人たちは「ナンタケ」と略称していたそうですよ。

まとめ

"Live - The Road Goes Ever On"は、Mountainのライブパフォーマンスの迫力と彼らの音楽的技術を堪能できるアルバムです。マウンテンがライブでどのように聴衆との一体感を生み出し、音楽を通じて強烈な印象を残したかを理解するための鍵を握っています。しかし、マウンテンは、レズリー・ウエストのブルースロック志向(フェリックスがクリームのプロデューサーだったのでエリック・クラプトンを目指していたのでは?)と、フェリックスのプログレ志向の食い違いで、実質的な活動期間は3年程度です。つまり、このアルバムが、実質的なリアルタイム=マウンテンの最後のアルバム、以降の日本のライブは、レズリー・ウエストのバンドにフェリックスが呼ばれたなんちゃってマウンテンだったりと、尻すぼみになってしまいます。重いサティスファクションが入っている雪崩は意外と好きですが、その辺りは、また次回以降に・・・。

マウンテンの活動の詳細はwikiにすごく的確にまとめられているので、そちらをご覧ください。

Mountainの音楽に興味を持った方や、彼らのライブパフォーマンスの真髄を味わいたい方には、このアルバムをぜひお勧めします。時間をかけてじっくりと聴き込むまでもなく、感性さえ合えば、一瞬で、その魅力に気づくことができるでしょう。

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