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Emerson Lake & Palmer / Tarkus

■Emerson Lake & Palmer / Tarkus
■収録曲:Side 1 - Tarkus(20:40) a:Eruption b:Stones of Years c:Iconoclast d:Mass e:Manticore f:Battlefield g:Aquatarkus // Side 2 - 1.Jeremy Bender(1:41) 2.Bitches Crystal(3:54) 3.The Only Way(3:50) 4.Infinite Space(3:18) 5.A Time and a Place(3:00) 6.Are You Ready Eddy?(2:09)
■パーソネル:Keith Emerson(key) Greg Lake(vo,b,g) Carl Palmer(dr)
■リリース:1971年6月
■カバー・アート:William Neal

 お馬鹿なライヴは楽しめるものの、終盤になるにつれスタジオ盤に勢いがなくなってきたELPですが、70年代には優れた大曲を数多く発表していました。展覧会の絵、タルカス、永遠の謎、トリロジー、悪の経典#9、海賊、将校と紳士の回顧録などなどです。

 そうした中でも極めつけの1曲が、このタルカスです。 なぜ極め付けか!火山の中で卵から孵ったタルカスが散々大暴れし、あらゆる敵をボコボコに粉砕し、最後の戦いで、マンティコアに蠍の尻尾で目を突かれて敗れ、海に帰ってゆくという超お馬鹿なストーリーとウイリアム・ニールのイラストが異常に好きだからなんです。

 この超御馬鹿なストーリーを大真面目に演奏するお馬鹿さを考えると、もう笑ってしまいそうなのですが、彼らの演奏を聴くとそういったことはどうでもよくなってしまいます。ただただ、凄まじいのです。(曲名等々は後付けだそうですが...)

 ELPは、卓越したテクニックを誇るキース・エマーソンを中心とするトリオです。むしろ、テクニック云々よりも、聴くべきは破天荒極まりないぶっ飛んだ彼のセンスです。

 クラシックに元ネタのある曲が多いといわれていますが、それにジャズからのパクリフレーズやカントリーまでもロックの中に糞味噌に混ぜ込んだパーカッシブな音楽の小気味よさは他に比較すべきアーチストを見出し得ないのではないでしょうか。

 今でこそELPのクローンのようなバンドはわんさかといますが、似ている部分があるとしても、それはほんの表面をなぞった程度に過ぎないように思います。このことは、ELPのアルバムを一聴すれば明らかな限りです。

 タルカスには、タイトル曲の他にも、カントリー・フィーリングたっぷりのジェレミー・ベンダー、チャーチ・オルガンが美しいジ・オンリー・ウェイ、ぶち切れぎみのロックンロール、アー・ユー・レディー・エディーなどバラエティーに富んだ曲が並んでいます。


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