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四国めぐり旅

8月の初頭。私は、京都の五条から悠々とした足取りで京都駅に向かっていた。私は今から旅を始める。 京都駅までの道筋に面白いもがあった。ひたすらと寺院の掲示板に張り出されていそうな格言が並んでいるのである。人間関係についてや、人生観についてなど。そのジャンルは多岐にわたっていた。その中でも、個人的にかなり目を引かれたものは「友人も私の都合しだいで”アイツ”となる」という言葉だった。まずこの言葉を目にしたとき、寺院がこんなにも攻めた言葉を掲示するのかという驚きと、その寺院に対する

    • 島に行きたい

      • ブリーチブリーチ〜京都到着〜

        普通電車を乗り継いで京都までやってきた。何回か、新幹線を使わずに京都まで行ったことがあるけど、途中の米原についたときの達成感と安堵は、一種の通過儀礼のようなもので、この感情を経てようやく「お!自分は今、旅行しているぞ!」という気持ちが湧いてくる。 京都駅に着いて、最初に行くべき場所は京都タワーの地下の温泉である。僕は、あの温泉の雰囲気がすごく好きだ。少し古臭くて、湯温は熱くて、陳腐な玩具を売っている土産物屋そばにある。少し、淋しい。でも、安心する。だから、今回も温泉に行こう

        • 四国加色脱色めぐり旅

          写真フォルダを眺めていたら(じろじろ)1年ほど前に四国観光にいった際の写真が出てきた。あのときは、「よし、折角だからnoteにでもまとめるか!」と、意気込んで『四国めぐり旅』なんてのを書き始めたのだけど、文章を綴るのにつれ、嫌気がさした。というのも、文章の中の自分がーたぶん脚色旅行記を読みすぎたー現実世界の自分よりも感受性豊かで、頭の切れるやつだったからだ。実際は、旅行中に「ここの街はどのように成り立ったのだろう?」とか「どのようにしてこのような駅の構造になったのだろう」なん

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        四国めぐり旅

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          6本

        記事

          四国めぐり旅 2

          坂出駅からは、特急いちづちに乗り高松駅を目指すことにした。JR四国の新型車である8600系電車がやってきた。車内は清潔感のあるデザインで、新幹線のデザインを彷彿とさせるものだった。シートの倒れ方も背面と座面が同時に倒れるものでこれも新型の新幹線と同じ機構が備わっていた。また、足元にはフットレストまで備わっている。 列車が坂出駅を出発し、カーブに差し掛かるとプシュー、プシューと、空気が漏れているような音がする。というのもこれは列車を空気の力で傾けることにより、カーブを曲がる際

          四国めぐり旅 2

          世界の終わりとハードボイルドワンダーランドを読む→砂の女を読む→近しいものを感じる→壁を読む→街との差は確かな壁を読む→核心へと変わる でもよくあるテーマなだけかもしれない

          世界の終わりとハードボイルドワンダーランドを読む→砂の女を読む→近しいものを感じる→壁を読む→街との差は確かな壁を読む→核心へと変わる でもよくあるテーマなだけかもしれない

          噂の心臓  村上春樹の長編を読みました。こんな結末があってもいいな。という風に感じました。(ハードボイルドワンダーワンドと比べて)壁つながりで、阿部公房の『壁』を読んでみようと思います。なにか発見があるかもしれません。

          噂の心臓  村上春樹の長編を読みました。こんな結末があってもいいな。という風に感じました。(ハードボイルドワンダーワンドと比べて)壁つながりで、阿部公房の『壁』を読んでみようと思います。なにか発見があるかもしれません。

          カラーネガをモノクロ現像

          序 ある日、大量の期限切れカラーネガフィルム(20年ほど期限が過ぎている)を見つけた。現像して像ができるのかもわからない。かといって、そのまま廃棄するのも気が引けてしまう。今のカラーネガフィルムが高すぎるからだ。 私はモノクロ現像をやっているものの、カラー現像には手を出していない。カラーは揃える薬品も多く、工程も多い。どうにかして、このフィルムを利用できないだろうか。そこで思いついたのが ”カラーネガをモノクロプロセスで現像する” というものだ。原理的には可能なはずだ。どち

          カラーネガをモノクロ現像

          ハードボイルドワンダーランド続編説

          村上春樹の新作が発表されるらしい。以前、彼は『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』の続編を書くとQandAで返答していた。(『そうだ村上さんに聞いてみよう』より) そして今回のタイトルは、過去に『世界の終わり・・・』の前身として書かれた小説と同じだ。 個人的に『世界の終わり・・・』は愛読書ではあるが、”足りない”小説だった。村上春樹の描くストーリーの尺が、私の中での尺よりも遥かに短かった。かといって、凝縮されているという感じもしなかった。もっと続いてほしい類の小説

          ハードボイルドワンダーランド続編説

          少し実験をしています

          少し実験をしています

          鉄道1000kmの旅

           出発日の朝。これから、3泊4日の旅がはじまる。#1の記事で「長く、旅をしよう」なんて書いて得意になっていたが、今回は4日間の旅だ。しかし、まだ小僧の私には一人で家を出て4日間も旅を続けるということだけで十分ビッグイベントである。  前述の#1にもある通り、今回は一筆書きに切符で旅をすることにした。一筆書き切符を使うと、通常より安い運賃で長く移動することができる。大変優れた発券の仕方だ。今回発見した切符はおよそ12000円ほどで全工程は1000kmに及ぶ。単純計算で行くと、1

          鉄道1000kmの旅

          一筆書き1000kmの旅

          安く、長く旅をしよう  旅の中で家路をたどり始めると、なんだか寂しい気持ちになる。旅の中で「往路」と「復路」という概念がある以上避けることのできない問題である。どうしたら「寂しさ」から逃れることできるのだろうか。答えは簡単である。旅の中に「復路」を作らなければいいのだ。つまり、往復する経路をなくして、片道のみにすればいいのだ。  日本の鉄道には面白い切符の発券の仕方がある。例えば東京ー東京といったような変な切符を買うことができる。切符の仕組みを説明すると、この切符の中には様

          一筆書き1000kmの旅

          ノンデジ旅 #5

          3日目  最終日がやってきた。短い旅だった。行く場所はもう決めていた。三角だ。しかし、ただ三隅に用事があるのではない。A列車で行こうという九州のD &S 列車に乗る為だ。  しかし、私には気掛かりなことがある。あまり、熊本市内を回れていないのである。熊本城ですら、まともな姿を見ていない。どうにか時間を割いて、市内観光ー三角という流れで巡ることにした。   熊本地震以来、熊本城の姿は見ていない。10年前に来たときは、天守閣の偉大さに感服したものだった。熊本城を見物する時間が

          ノンデジ旅 #5

          ノンデジ旅 #4

           一夜が明け、旅の高揚感に満ちた朝。フェリーを使って長崎県島原に行くことにした。調べてみると、熊本港ー島原港の区間を二社が運行しているらしい。一つは30分で片道1100円。もう一つは1時間で630円というものだった。時間はお金でお金で買えるのか〜と思いながらも、迷いなく後者のフェリーを予約した。熊本駅ー熊本港を結ぶシャトルバスが運行されているようで、前日に予約が必要とのことだったが、空きがあったので当日に乗車、乗船することができた。  熊本港につき乗船をしようと並んでいると

          ノンデジ旅 #4

          ノンデジ旅 #3

          2年ぶりに出発だ  ノンデジタルで旅をする。そんなテーマを決めたのは、去年の冬ごろ。無情に旅をしたくなった。しかし、ただ旅をするだけではつまらない。何か自分の中でテーマを決めたい。悩んだ末に思い浮かんだのが、デジタル機器を一切使用しないで旅をするというスタイルだった。  バックパックの中身はシンプルだ。地図、時刻表、カメラ、財布、手帳そして、替えの下着が少々。なにか、身軽な気がする。全ての持ち物に、干渉することのない役割が振られているのは非常に気持ちが良い。一つ一つのものに

          ノンデジ旅 #3

           ノンデジ旅 〜旅の目的地〜 #2

          序章 ここ二年ほどは好きなように旅行できない日々が続いた。家を離れることがなく、地蔵のようにただ一つの場所に居座り続けた。退屈な日々だった。自分の中で、何か狭まってきているような感覚だった。 コロナ禍の中で私は高校へ進学することになった。受験前に高校へ思い描いていた夢と希望は水の泡のように消えてしまった。行事や修学旅行がなくなってしまった。ある一種の大きな魅力が生徒から奪われたのである。 狭くなった何かを取り返しに行こう。旅をすることに決めた。 旅の目的地 さてどこに

           ノンデジ旅 〜旅の目的地〜 #2