見出し画像

四国めぐり旅 2

坂出駅からは、特急いちづちに乗り高松駅を目指すことにした。JR四国の新型車である8600系電車がやってきた。車内は清潔感のあるデザインで、新幹線のデザインを彷彿とさせるものだった。シートの倒れ方も背面と座面が同時に倒れるものでこれも新型の新幹線と同じ機構が備わっていた。また、足元にはフットレストまで備わっている。

列車が坂出駅を出発し、カーブに差し掛かるとプシュー、プシューと、空気が漏れているような音がする。というのもこれは列車を空気の力で傾けることにより、カーブを曲がる際の遠心力を軽減して、乗り心地を維持したままより高速で曲がることができるというものだ。実はこれも新幹線に備わっている機構であり、8600系はリトル新幹線のようにも感じられる。

列車は15分ほどで高松駅についた。しかし、何か違和感を感じる。高松から徳島の方へと続く路線があるにも関わらず、高松がJR四国の終着駅であるかのように線路には車止めが置かれている。つまり、坂出方面から徳島方面へ行きたい場合には高松駅折り返す必要があるのである。

折り返し

これはどういったことだろうかと考えたときに、私は大まかに2つの仮説を立てた。まず1つ目は、高松駅をできるだけ近くまで港に近づけたいという理由だ。高松は港町であり、船の往来が盛んである。その港の近くに駅があれば、利便性の向上につながる。駅を港に近づけることを優先した結果、スペースがなくなり折り返し構造を採用したというもの。2つ目は、かつての高松駅が始発駅・終着駅の役割をしていたのではないかというものだ。かつては、瀬戸大橋のような本州四国連絡橋はなく、連絡船のみが人の足となった。そういったことを考えると、高松が四国の連絡口となることは想像に難くない。

そんなことを考えながら私は高松駅に降り立った。でも、そんなことを本当に考えたのか、もう忘れている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?