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カブという乗り物

バイクはカブに始まり、カブに終わる


そのように謳われることの多いカブだが、実際に乗ってみるとよくその理由がわかる。

50cc 4st エンジンは一見、かなり非力に思われる。しかし、そこに4速のロータリー式ミッションが加わることによって、全体としての(走りとしての)性能、そして”楽しさ”は、相乗効果を伴って引き上げられる。

もちろん、2stや4st水冷エンジンに無段階変速機を組み合わせたスクーターの方が速い。しかし、速さは楽しさに直結しない。カブはそういった乗り物なのだ。

カブは唯一無二のバイクだ。
スクーターに左足の楽しさを追加し、オートバイから左手の煩わしさを取り払った独自の設計は、他に類を見ない。(しかしながら、クラッチ操作がいずれ恋しくなるのである。バイクはそう単純ではないのだ。)
またその設計のおかげで、停車時にクラッチを切ってニュートラルに入れる必要もなければ、発進時や渋滞時に半クラをする必要もない。

さらに楽しさについて特記するならば、融通の効くギア操作だ。カブはクラッチレバーを持たないにもかかわらず、ブリッピングを行うことができる。ギアを落とす際、シフトを踏むと同時に少しアクセルを煽る。そうすると、簡単に回転数を合わせることができる。(カブのシフトは踏み込むとクラッチが切れるようになっているだ。)

そんな魅力的なカブだが、50ccのモデルに関しては、生産終了が決まっている。これは排ガス規制によるもので、50ccのような小排気のエンジンでは規制に対応するのが難しいそうだ。原付免許で乗れるカブが再び発売するのかは、今の所未定である。

オイル交換、オイルをG1からG3にしたというお話

カブはHondaのG1が指定されている。このオイルに対して不満はない。低音時の粘度も比較的低く、低燃費で始動性もいい。シフトもしっかりと入る。

しかし、ホンダ純正オイルにはG3(“上質な走りを”)が存在する。ゴールドウィングやCB1300などの大型クルーザー向けオイルらしく、価格もG1に比べ2倍ほどする。大きな違いはオイルの構成で、G1が鉱物油と化学合成油を組み合わせたものに対し、G3は全てが化学合成油である。つまり、その分コストがかかっているのである。

とは言っても、カブに入るオイルは1ℓもないので、その価格差は1000円未満だ。ならば、試してみようというのが今回のオイル交換である。

交換後

G3の方がG1に比べ、低温時の粘度が少し高いため、始動性は少し落ちた印象を受けたが、オイルの温度が上がるとG3の”上質な走り”をー50ccのカブでもー少しながら理解することができた。

シフトはより一層入りやすくなり、エンジンは滑らかになった。(気がする)


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