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元キャプテンから、全キャプテンへの推薦図書①

この季節、外に一歩も出られない僕(コロナ療養中)が部屋でやることとすれば、本を読むか甲子園を見るか。なので、これをいい機会に高校時代を振り返っています。

自称“キャプテンぽくないキャプテン”

プロフィールにもあるように、僕は高校三年生の時に野球部のキャプテンとして春夏2回甲子園に出場しました。

よく「大変だったでしょう」と言われますが、大変なんかじゃすまされないほど大変。例えるならクソデカ動物園を一人で管理する感じです。(それは言い過ぎ)

それに加え、僕は「人の上に立つ」ことと「人を引っ張る」ことが苦手でした。そこで僕がとった手法は、「人と対等に立って」、「人のケツをたたく」。

ちょうど夏の大会が100回記念大会でした。

こうして独自の手法で乗り越えたキャプテン生活でしたが、大学で「キャプテンやってました」というと「えー!見えなーい!」という若干失礼ともとれるセリフをしばしば頂きます。

そんな僕でもキャプテンをやり遂げられた裏には、大切な2冊の本がありました。


D.カーネギー『人を動かす』

言わずと知れた名著。

3年のキャプテンなり立ての時はなかなか思うようにいかない毎日。「こんな僕でもキャプテンになったからには人を動かしたい!」と思い、そのタイトルとベストセラーの文字に惹かれ真っ先に手に取った本でした。

この本の個人的に好きなところは原則とともに具体的なエピソードが記されている点。本書に記されているお手本から、自分なりのやり方を考え実践することができます。

この本の中にはいくつか原則がありますが、ありきたりに抜粋してもつまらないので特にキャプテンに覚えておいてほしいことを抜き出していきます。


人を動かす三原則

1.盗人にも五分の理を認める
2.重要感をもたせる
3.人の立場に身を置く

まずはこの人を動かす3原則から紹介。
詳しい説明はぜひ本書を。

この本には度々“自己重要感”という大事な言葉が出てきます。

「自分は重要な人間だ」というように世間から認められたい欲というのは、人間みな持っているもの。仮に「そんな欲僕にはない!」という人がいても、認められて嬉しくない人はいません。人間って正直。

キャプテンは、この自己重要感をみんなに持たせるのが大事
人が自立的に動くためにはこの自己重要感が持てない組織だと無理です。

特に僕が在籍していた部活は120人近くおり、何もしないとこれがだんだん薄れていくのが大きな課題でした。

よく120人もいてキャプテン大変だったでしょと言われますが、逆に120人もいなかったら甲子園に出れていなかったと思います。120人もいるからこそ、まとまった時の力は計り知れないものに

でも、やはりそれだけいると試合に出られない人の自己重要感が下がってしまうことが難点でした。

そうなると、練習に身が入らなかったり禁止されていることをしてしまったり。怒られる必要のなかった人たちも怒られてしまい負の連鎖が起きてしまいます。

そこで重要になってくる次の原則。


人を変える9原則

1.まず褒める
2.遠回しに注意を与える
3.自分の過ちを話す
4.命令をしない
5.顔をつぶさない
6.わずかなことでも褒める
7.期待をかける
8.激励する
9.喜んで協力させる

※重要なやつ太字にしようとしたのですがどれも重要すぎてやめました。

文脈で言い換えるならば、
まず褒め、相手の間違いを正す前に自分の非と相手の言い分を認め、
偉ぶらず上からものを言わず、褒めることで自尊心を満たし、
期待と発破をかけてやる気に火をつけ、
自発的に動いてもらう。

こんな感じでしょうか。
キャプテンにしては部員に対して少し遜りすぎな気もしますが、僕はこれを意識して努力していました。

もちろん褒めるだけではなく、間違っていることに対しては「間違っている」と言う努力をしてきたし、それを言っても言い返されないために、私生活にはめちゃくちゃ気を張っていました。

でも、それだけではどこか言いっぱなしで満足している自分が。
言うだけ言っても、チームのみんなは動いてくれるとは限らないことに悩んでいた僕はさっそく本に書かれていたことを実践しました。

関係ないけど、1番好きな写真。
※優勝決まって泣いてる谷に手を伸ばす2人


まず褒める、自己開示→好かれる努力をする

僕たちの部活では練習中のミスに対して厳しく攻め立てることを「評価の声」と言っていました。

この評価の声、聞こえはいいのですが、中身はほぼ言葉の暴力。「評価の声、率先して言うやつ嫌われがち」というのはもはや花東あるある。

ミス一つ許さない姿勢は大事ですが、ここまでいくとミスを恐れるプレーが出てきてしまうし言う側も無責任に言って満足してしまうようになります。

そこで、評価の声以上にいいプレーに対する褒めの言葉を増やそうと努力しました。方法はいたって単純。誰よりもいいプレーに対して褒めまくります。

そうすることで、「エラーをしないように」ではなく「良いプレーで褒められるように」という思考に変わってきます。お互いがお互いを褒めあうチームってなんかいいですよね。

次に、自己開示をする。
僕は偉そうにしている先輩があまり好きではなかったので、あえて「後輩からナメられるキャプテン」を目指していました。

キャプテンが積極的に舐められるおかげで少しは部内の過度な上下関係を減らせたのではないかと思います。

初の2年連続甲子園出場を決めてくれた後輩には感謝。

同い年の部員に対しても悩みを聞くと同様にちゃんと自分の悩みも伝えるようにしていました。

その分、いうことはきちんと言う。そこのメリハリは意識することが大切です。


結論。人を変えたいなら、まずは自分から。

よく耳にすると思いますが、結論こういうことです。

「話を聞いてもらえない」「うまくまとめられない」
という悩みの根本的な原因は、自分にあるのだという自覚を持つことから始めるべきです。

逆の立場で考えた時、「こいつの話なら聞いてもいいかも」「こんな人にならついていってやってもいいかも」と思うような行動をしていますか?

時々自分も原点に返らねばというときは、この本のことを思い出します。
最後に、この本で好きなフレーズを3つほど。

友を得るには、相手の関心を引こうとするよりも、相手に純粋な関心を寄せることだ。

運命がレモンをくれたら、それでレモネードを作る努力をしよう。

議論から最大の利益を得る唯一の方法は、議論を避けることである。

以上、僕の勝手な推薦図書その1でした。

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