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好きだった書くことが苦しくなり、書くことで救われる(24/1追記)

1年半更新が途絶えていたnoteを再開します。
これは、また書こうと思い立つきっかけとなったお話です。


好きだったはずの書くことが苦しくなる

フリーランスとして独立後、仕事につながればと思い、noteを始めました。
twitterも始めて、こちらは毎日発信することに。

元々文章を書くことは好きで、割と得意にしていました。
学生時代から壁新聞や学内情報誌の作成に熱を入れ、社会人になってからも日常的に仲間や部下に向けて発信をし、顧客に向けてメルマガを出し、一時期は宣伝物を作成する仕事もしていました。

でも、なかなか書けない。
ネタはたくさん浮かぶものの、いざ書いてみると、セールスにつなげることに意識が行き過ぎたり、セルフブランディングとやらが気になったり、それらのノウハウやセオリーにとらわれたり。
何度も書き直しているうちに、最初に考えていた内容と違うものになり果て、何がおもしろいのか分からなくなる。なかなか発信できずに、書くのが苦しくなる。
何とか発信にこぎつけても、反応が思わしくなくて落ち込み、もっと書くのが重くなる。
数少ないフォロアーから解除されたりして、さらに落ち込む・・・。

そしてとうとう、書くことをストップしてしまいました。

きっかけは、書く仕事

それから半年あまり。
私を救ってくれたのは、いくつかの「書く仕事」でした。

まずは、企業の内定者フォローをサポートするサービスで、学生が提出した学習レポートを添削してコメントする、という仕事です。
様々な仕事をしている人が集まるプロジェクト形式で運営されていて、急に欠員が出たためにお声かけをもらっての途中参加でした。

始めたばかりのサービスで、走りながら形をつくっていく段階とのことだったので、どんなコメントを書けばよいか自分なりに考えながら取り組みました。

レポートの文面から、どんな学生で、これからの社会人生活に対してどんな期待や不安を抱えているかを想像して、安易に励まさずに、勇気づけになりそうな言葉をかけたり。
学生が書いてくる自分の考えに対して、上から目線の否定・指摘や助言、説教じみた表現を避けながら、書いてくれた内容を受け止め整理した上で、別の視点や具体的な行動を提案したり。
厳しくなりすぎないように言葉づかいや作文のフィードバックをしたり、やっつけ程度にしか書いて来ない学生には自分と向き合ってみることを促したり。

すると、メンバーの皆さんからこんな評価をいただけたのです。

・言うべきことを、淡々と、柔らかく伝えてくれる。言葉のチョイスが的確
・固くなく、ちょうどよい軽さで、前向きな気持ちにさせてくれる推進力がある
・しっかり受け止めてくれて、兄貴分みたいな愛情を感じる

やがてマネジメントチームの一員として、他のメンバーのコメント確認やマニュアルの作成を担当するようになりました。

この様子を見聞きしていたチームの運営者から、書く楽しさを思い出させてくれる、ある仕事をいただきました。

その仕事とは、苦境から脱しようとしている中小企業の経営者に、プランと意気込みをインタビューしてA4サイズ1枚にまとめる、というものです。
15ページにわたる事業計画と1時間のインタビューの内容を、専門的な話もわかりやすく紹介しながら、トップの思いと事業のポイントをバランスよく組み込んで、触れて欲しいことや載せたらまずい点などにも配慮して作成しました。

のべ2ヶ月間で12社、経営者の方々の想いをひたすら聴き、書き続け、その情熱と夢中な姿に触れているうちに、だんだん書く楽しさがよみがえってきました。

そして何より、人のやりたいことや伝えたいことを聴かせてもらって文章化するという営みに、たまらない魅力を感じてきたのです。

書くことでよろこばれ、勇気をもらう

そんな私のインタビュー記事を見て、会社のホームページを再構築したいから手伝ってくれないか、という依頼が。

アピールしたいことが変わってきたり、別の表現をしたいと思っているものの、何年もホームページに手をつけられずにいるので、そろそろ全面的に見直したい。自分たちが何者かが分かり、言いたいことが伝わって、お付き合いしたいと思える企業に興味を持ってもらえるものにしたい、とのこと。そして

小澤さんなら、私達が言いたいことをうまく形にしてくれるんじゃないか

こう言っていただいたのです。
もちろんよろこんでお受けしました。

さっそく会社の皆さんに、現在やっていることや伝えたいことをディスカッションしていただきました。その中から、大切にしていることやこだわり、発せられた言葉をていねいに摘み取って整理し、全体構成とコピー、文章を作成してお渡ししました。
するとこんな反応が。

・理解してくれて、受け止めて言葉にしてくれる、という安心感がありました。
・自分達がやっていることの整理になり、そのディレクション力に感動しました。
・自分の会社のつもりで考えてくれているのが伝わって来るんですよね。
・作っていただいた原稿を見て、やる気になりました!

ますます、人の言いたいことを形にするのが楽しくなりました。
同時に、自分の書いたものが人の力になれるんだ、とも。

そしてもうひとつ大きな出来事が。
先にあげた添削の仕事で書いた私のコメントを見て「ファンになりました」という方が現れたのです。

お話をうかがったところ、このように言ってくれました。

短いレポートの文面だけで相手がどんな人かを想像し、相手の先のことを思い、指摘やアドバイスも相手が受け入れやすいように、水がすっと浸透するようにすんなり入る美しい言葉と文章は、その人に向けてのひとつの作品、小説みたいだな、と思って。

その方は、新入社員向けの研修を提供していて、参加者が提出するレポートへの添削を通じて一緒に育成に関わってくれないか、というオファーでした。
付け加えて言われた言葉が
「そのままの、小澤ワールド全開でお願いします」

自分が書いたものに自信が持て、
そして書くことに勇気が出るひとことでした。

書けずに苦しんだけれど、誰かがやりたいことや伝えたいことなら、誰かのために書くことなら、楽しくいきいきとやれて、価値を提供できる。
「いいね」と言ってくれる人、必要としてくれる人がいて、自分も楽しい。これを仕事にできたら・・・

そう考えるようになりました。

想いをかなえる手助けになったら

言いたいこと、やりたいこと、望みなど、
相手の想いを受け止め、文章や形にして表現する。
伝えたい相手に適した言葉にする。

こういう仕事って、何て言えばいいだろう?
どうやって名乗ればいいだろう?

私が尊敬・敬愛している友人に、フリーのスタイリストとして独立し、ゼロから始めて様々なことにチャレンジしながら有名人に指名されるまでになった人がいます。
彼女に相談してみたところ、
ワードデザイナー
という呼称を贈ってくれました。

普通にライターなどとするよりも、
言葉を形にする人
という感じがいいんじゃないか、と。

そして、こんなうれしい言葉も。

小澤さんといえば、にこにこ楽しそうに聞いてくれる。
だから、うれしくて話したくなるんですよね。

そういえばこれまで、年齢や立場、関係性を問わず、いろんな人から
「つい話しちゃうんだよね」
とよく言われたっけ。

本当に楽しく聴いていました。
話してくれるのがうれしくて。
楽しい話とは言えないつらいことも、
話してくれるのをうれしく感じながら聴いていました。

なぜなら、話してくれることには、
相手の想いがたくさんつまっているから。

私の書くことが、言葉にすることが、
その想いをかなえる手助けになったら、もっとうれしい。

そして、書けずに悩み苦しんだとき、書く機会をいただくことで救われたので、今度は私が書くことで、言葉にすることで、誰かの役に何かしら立てたらいいな、と思っています。

。.:・°+.。.:・°

今回、書く楽しさを思い出し、また新たなよろこびを知ったのをきっかけに、しばらく更新が止まっているnoteを再び始めてみることにしました。書く楽しさをとよろこびを、たくさん味わいたくて。

よろこびの羽化(追記)

※2024/1/7 に追記

それから1年半。

想いを聴いて言葉にする活動は、
「書くこと」から
「直接伝えること」
「コミュニケーション支援」
へと広がっています。

最初は
「言いたいことを言葉に
 やりたいことをカタチに」
というキャッチフレーズで、パンフレットやプレゼン資料、サマリーの作成など、情報を整理して伝えたいことを言語化するお手伝いを中心にしていました。

そんな中、縁あってお受けした研修をきっかけに、仕事で悩みや課題を抱えている人たちが元気になったり、気持ちが楽になったり、改善に向けて背中を押すような言葉を発信することがメインとなっています。

たとえば、仕事の現場には
「なかなか言い出せない困りごと」
「うまく言葉にできない悩み」
「わかって欲しい苦労」
があるものです。
現場に入り込んで、それらを引き出し
「これならできそう」
「自分たちでよくしていこう」
と思えるような伝え方と接し方で、改善のアイディアを提供する。

また、様々な人が集まる職場には
「言いたいことがうまく伝わらない」
「イライラやすれ違いが多い」
といったコミュニケーションの問題がつきものです。
自分たちではなかなか気づきにくい
「伝える」「話をきく」「理解する」
といった際のクセや傾向を知り、修正するきっかけになるような研修プログラムを提供する。

このような活動を通じて、
職場環境や人間関係をよくしたり、
物事をスムーズに進みやすくする、といった
「気分よく働ける職場」
をつくるお手伝いをしています。

悩みや課題を抱えて暗かった表情が明るくなり、前向きになってくれるのが、たまらなくうれしい。
役に立てているんだ、という実感。

1年半前に思い出した
「書く楽しさ」は、
そんなよろこびに羽化しています。



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