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おおたとしまさ×尾崎英子「中学受験でわが子を守る“最強の親“になるために」を振り返って〜『勇者たちの中学受験』『きみの鐘が鳴る』W刊行記念

2022年11月15日に下北沢の本屋B &Bさんで行われた、教育ジャーナリストのおおたとしまささんとのトークイベントはおかげさまで来店、オンラインとたくさんのご参加をいただきました。50人集まれば盛況というところに70人以上のご参加があったと聞きますので、本当にありがたいことです。

アーカイブでご購入できるようになっております。
ご興味のある方はぜひ!


おおたさんの新刊『勇者たちの中学受験』は発売前からベストセラー入りするという盛り上がりを見せ、その影響にあやかるように、拙著『きみの鐘が鳴る』も発売初日から大きく動きを見せ、数日で重版がかかるという反響の大きさに驚いております。イベント自体も中学受験という厳しい世界をテーマにしながらも、温かい会となりました。
わたし自身も一人の保護者としてアーカイブを見返してみまして、自分が喋っているところを見るのは苦手なのですが、しかしおおたさんのお話は本当に深くて、濃くて、ご参加いただいた方にもそうでない方にも、レビューとしてシェアしたいな、なんて思い、ひさしぶりにnote を開いた次第。

さてさて、尾崎目線で選ぶ! ダイジェスト3 
(文章は正確に書き写しているのではなく、要約しておりますのであしからず)

①〈37分から45分あたり〉
「中学受験を失敗にさせてしまうのは大人」
←これ、わたしが発言したのですがそこからおおたさんが中学受験の構造について話してくれます。
Aという塾がここまでハイレベルなことをさせてみたら結果が出た、するとBという塾はそれよりもさらにハイレベルなものを取り入れていく。
学校側が意図的にハイレベルな問題を作っているのではなく、子供たちができることがどんどんハイレベルになっていくからどんどん問題を難しくしなくてはならなくなってしまう。とくトップ層が上がってくるとベースのテキストもそうなってくるから、あんまりそれとは関係ないんだけどな、って子達まで引っ張られた勉強になってしまう、これが中学受験の構造であり、(受験というものの)宿命。
これ、本当にうなずくことしきり。うちの場合は御三家なんて目指してません、というご家庭でも、塾のテキストのベースがそこに合わせられているからtoo muchになる。
親の役割として、引き算が大事だな、という話にもなりました。

②〈1時間21分あたり〉
「第一志望に受かったとしてもいわゆる燃え尽き症候群的なものであったり、受験の中に自分が存在していないということがある」
←ご参加くださった方にご発言いただき、それにたいするおおたさんの返答です。娘を徹底的に管理しマイクロマネージメントした結果、第一志望に合格できたものの、終わってから娘が燃え尽きてしまった。自分は大変なことをしてしまったと葛藤の1年半を過ごしてきましたとのこと。
『きみの鐘が鳴る』でもテーマは、「君の受験、君の人生」というのがあって、それは『勇者たちの中学受験』にも通じるところでした。中学受験はある程度大人の手が入らないことには回らないのが事実なのですが、距離感はとても大事。
大人が過度に管理すれば、要領のいい子の場合、それをこなせてしまって成果が出たりすることもありますが、それでなんとか第一志望に受かったとして、その後が大変だということもよく聞きます。
「受験の中に自分が存在していない」という言葉は、わたしの中でとても重く響きました。

③〈1時間40分前後〉
「(自分の中にある)魔物があばれている時に、この魔物が暴れるのはこの子の成績が悪いからだと思っちゃうと危険なんですよね。子供を変えようとしちゃうから、こっち(自分の中の魔物)を制御しなきゃならない」
←おおたさんはこのあと、その魔物と対峙することは勇気がいることで大変だけど、それができるのが子供を守れる親なのではないか、と話されて、本当にそうだな、と首がもげそうなほど頷いたわたしです。
中学受験の伴走をするのは、自分自身の追憶の旅のようでもあるなとわたしは自身の経験で感じました。
わたし自身が中学受験の経験者であること、母がとても教育熱心だったことも関係があるとは思います。
子供が学ぶ姿を、かつての自分と重ね合わせたりすることも多かった。
その中で、いろんなことを思い出し、子供の頃に消化できなかった感情というのも予想外に溢れ出てきたりと、感情も忙しくなったものです。
すると、子供のままの、未熟な自分があぶりだされてしまう。
それに振り回されるのは本当に危険で、戦わないといけないのは、自分の中にある魔物だった……たしかにそうなんですよね。

ざっとですが、尾崎目線のダイジェストを綴ってみました。
2時間に及ぶ会ですので、たくさん話しており、シリアスなことだけではなく笑える場面も多く、緩急のあるひと時となりました。

どちらの本も併せてお読みいただけると、立体的に中学受験の世界に入り込めるかと思います。

『勇者たちの中学受験〜わが子が本気になったとき、わたしの目が覚めたとき』
おおたとしまさ著

『きみの鐘が鳴る』
尾崎英子著


終了後にはサイン会。ご来場いただいたみなさん、ありがとうございました!


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