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基礎スタイリング講座No.3〜ストーリー編〜

こんにちは。
アートディレクターのおざきです。

基礎スタイリング講座No.2〜床編〜
に続き、第3弾。
(亀のような更新ですがお付き合いください…)

今回は、ストーリー編。


ディスプレイとスタイリングの違い

突然ですがみなさんは
ディスプレイとスタイリングの違いはなんだと思いますか?

ディスプレイ:
表示(する)、展示(する)、陳列(する)、掲示(する)、露呈(する)、誇示(する)、展示品、飾り付け、見せる、示す、などの意味
スタイリング:
様式・型。また、ある形や様式に整えること。
効果的なスタイルをかたちづくること。


私が思うに

アートボード 1

今回このnoteの講座の名前を
ディスプレイ講座ではなくて、スタイリング講座にしています。

どうやったら物語が作れるようになるのか?

今回はそのお話をしたいと思います。


大切にしているのは「物語を感じるかどうか」


2枚の写真を見比べて見てください。

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あなたはどっちの写真の方が
引き込まれましたか?

多くの方は、後半の方を選ぶのではないのでしょうか。

もちろん正解はないのですが、

後半の写真の方が物語を感じるから

なのではないかと私は思います。

同じもの、同じ場所、同じ時間、同じカメラ
で撮影してもこれだけの変化があるのです。


物語を生み出すコツ ①レイヤーをつくろう

主にスタイリングを作っている材料は
このどれかに分類できます。

①メイン→主役
(②サブ→脇役)
③背景 
④つなぎ

まずメインを決めること、そして脇役を決める
そこからどんな世界観を作っていくのか?
これがテクニックになってゆきます。

今回で言えば

スクリーンショット 2020-05-18 19.35.01

こうなります。

まず一番に目が行く場所がはっきりしています。

さっきの例では、

メインが決まっているのにメインに目がいかないことがわかります。

スクリーンショット 2020-05-18 19.38.59

どうしたらメインに目が行くのか・・・?

上記の話を生かし、レイヤーを作ってみます。

スクリーンショット 2020-05-18 19.47.04

レイヤーを作ることで、画面上でグッと立体感が出ます。
急に物語が生まれる予感!

メインを決めて、パッと見てそこに目が行くように配置をする。


物語を生み出すコツ ②設定をつくろう

私が物を選ぶ時には、全部設定を決めています。
今回のケーキの写真では

「一人暮らしのおやつタイム」

というテーマを決めていました。

なぜ設定を決めると良いのかというと
物語が生まれやすくなる
見ている人が無意識に想像してくれる
のです。



実はこの1枚の中にも設定を作ったことにより
様々な物語が…!

スクリーンショット 2020-05-18 20.10.40

ただ置く、ただカットする、のではなくて
設定に出てくる登場人物はどんな気持ちで
どんな行動をとって、どんなことを考えているのか?

(今回は自分でケーキを焼いて一人で食べたのが少し寂しかったのでノスタルジックに笑)

自分なりにストーリーを考えて
その人がどんな行動をとるのかを考えるだけで配置は変わってきます
ディスプレイ→スタイリングになるのです。


楽しく、少ない要素から考えることが大切!


まずは、メイン、つなぎ、この2つを決めて少ない要素から
物語を作る
のをお勧めします。
そこから徐々に要素を増やすとコツをつかみやすいです。

スクリーンショット 2020-05-18 20.22.03

急にたくさんのものを配置すると
楽しめなかったり、めちゃくちゃな設定になったりします。

これを毎回私は仕事で考えて配置をしています。


このレイヤーと物語を活かした一例として、

「おふたりで営むお菓子屋さん」
パティシエのおふたりに送ったコンセプトはcoeur a coeur(心と心)
心を込めて送っている笑顔のおふたりをイメージして
2人だったらどんな空間になるのか?を考えました。

ただプレゼントやボックスを配置するのではなくて
ボックスを開けたり、リボンをといてみたり。

人の気配を感じる場所を目指しました。

天真爛漫で可愛い新婦様の人柄が分かるような
ドタバタ感のあるゲストテーブル。


実はどこかに、お菓子の型も隠れています。
(少しファンタジー要素も入れたかったので、現実に全て
忠実ではありませんが)
メインはプレゼントボックス。

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スクリーンショット 2020-05-19 0.17.12


器は綺麗に積みあげてみたり
レシピを貼り付けてみたり
お花のお水をあげていたら何か発見して
思わず食器棚の前にじょうろを置いて次こと始めちゃうかなとか
扉は閉めないで、あえて開けて誰かの気配を感じさせたり…

この1枚からでも私が語れるストーリーはたくさん…。
そのため、メイン要素はあえて散らしています。
そうすることで、目にいろんなものが入ってきて
思わずキョロキョロしてしまう空間に。

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スクリーンショット 2020-05-19 0.22.10

仲良くアルバムを読むのであれば
コースターではなくて、あえてレースでマグカップを繋いでみたり。
(マグはおふたりの愛用品を持ってきてもらいました)

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スタイリングをしているときは
ついついニヤニヤしながら物語を作ってしまいますね…。

喜んでもらえる空間を全力で隅から隅まで、作りあげます。
本当に幸せな仕事です。

色々書きましたが、楽しんでやることが一番だなと
元も子もないことも思ったり!


ここまで読んでくださりありがとうございました。


次は

基礎スタイリング講座No.4〜物の置き方編〜

です。お楽しみに!




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