3.11と「想像ラジオ」

想像ラジオ/いとうせいこう

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数週間前に背表紙が気に入ったからという理由で手に取ったこの本。それを今日読もうと思って本を開いて驚いた。

この本の題材は十年前の今日、東日本大震災だった。これもなにかの運命かと感じながら読み進める。

地震による建物の倒壊や津波により生死の境を彷徨う人たちの間にだけ聞こえる「想像ラジオ」。ラジオDJアークの軽妙な語り口調とそのリスナー、さらになにかのきっかけで想像ラジオが聞こえるようになった人たち。そのそれぞれの視点から物語は進行する。

もし、自分が死ぬとき。いったい誰に何の言葉を届けるのだろうか。だれかその言葉に気づいて拾ってくれる人はいるのだろうかと考えた。


僕は同じ東北地方ながら日本海側で津波の被害は無かった。だから彼ら彼女らの心情を推し量ることは出来ないのだけれど、少しは災害や人の命が消えるということについて体温を感じたような気がする。

いつか、南三陸に行ってみたい。

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