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大谷信盛 参議院議員@共同親権 平成17年3月18日


第162回国会 衆議院 予算委員会第三分科会

第1号 平成17年2月25日

139 大谷信盛

○大谷分科員 
 あと、残り2つの問題について質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 1つは、子供が親に、父と母に愛されているんだということをしっかりと知ってもらえる、そんな社会をつくりたいという観点から質問をさせていただく。そしてもう一つは、不法滞在の外国人がふえていく中、外国人による犯罪というものもふえてきている。そこの入り口も大切だけれども、入ってこられた方がしっかりと日本を好きになって、日本に友達をつくって、そして帰っていく、そしてまた友達に会いに来るという健全な出入国行政ができるようにするためにどのような取り組みをなされているのか。この2つについて残りの時間は議論をさせていただきたいというふうに思います。
 まずもって、我々全体が全体認識をしなければいけませんので、この国で今離婚が増加をしている、その増加している離婚、どんなふうに増加をしてきているのか、具体的な数値。その中で、お父さんとお母さんがおられて、親権というものがありますけれども、これはどっちにどれぐらいいっているのかというような最初の一般的な数字を、まずちょっと認識しているところから教えていただきたいというふうに思います。
 最初は大臣からお願いします。

140 南野知惠子

○南野国務大臣
 先生から、本当に今一番大切な問題点についてお尋ねがございました。  詳しい数字というものについては担当からお答えさせていただきます。

141 寺田逸郎

○寺田政府参考人
 私ども、離婚の数字を全体として把握することはちょっと難しいものでございますから、持ってございません。
 ただ、一般的な話でございますけれども、離婚が非常にふえてきておりまして、かつ、離婚した夫婦の間の子供の養育あるいは面接をめぐってトラブルがふえつつあるということは、十分認識をいたしております。

142 大谷信盛

○大谷分科員
 大臣、数字を知らないんですか。

143 寺田逸郎

○寺田政府参考人
 申しわけございませんが、これは厚生労働省の管轄でございますので、私どもとしては責任を持った数字は承知しておりません。

144 大谷信盛

○大谷分科員
 厚生労働省の数字によると、1000人に2・3人が離婚経験者だというような数字がありますが、かなりの割合で今増加をしてきている。
 そんな中、聞いてもなかなか出てこないんですけれども、ある民間の団体の推計によると、約30万人ぐらいの子供が離婚に巻き込まれている。うち、両方の親に会えているのは半分いたらいいところだろう。すなわち、15万人ぐらいの子供が、引き取られて、お母さんに引き取られたらお父さんに会えない、お父さんに引き取られたらお母さんに会えないという状態があるんですよ。
 これはどう考えても絶対に、お父さんとお母さん、幼稚園や小学生という幼少期には特に、両方の親に愛されているんだ、両方の親に会って、いい意味の影響を受けて育っていくべきだというふうに私は考える。それがもし日本でこの15万人の子供たちにできていないとするならば、絶対に直していかなければいけない。それが厚生労働省なのか、法務省なのか、外務省なのか、そんなことはどうでもいいんですよ。我が国の政府がやらなきゃいけないんですよ。
 これについては、法務大臣はどのようにお考えですか。

145 南野知惠子

○南野国務大臣
 そういう案件につきましては、本当に大切なことであり、子供の心をつくっていくということにおいては、親としてのあり方というものが大切になってくるだろうというふうにも思っております。
 御両親が離婚されました後も、子供が両親双方と面談しながら、双方から愛情を受けることは、子供のこれからの福祉についても大切なことであろうというふうに思っております。

146 大谷信盛

○大谷分科員
 では、どうして15万人の子供たちが親に会えなくなってしまうのかという分析をされておられるんでしょうか。

147 南野知惠子

○南野国務大臣
 それにはいろいろな理由があるだろうと思っておりますので、詳しくは御説明させていただきたいと思っております。

148 寺田逸郎

○寺田政府参考人
 これも私ども余り科学的に分析する立場にございませんけれども、私どもが伺っている紛争例で申しますと、やはり離婚ということが必ずしも通常の状態でないという認識から、両親が離婚後の親について必ずしも共通の認識を持っていない、その辺が問題だろうというふうに考えております。

149 大谷信盛

○大谷分科員
 まあ、そうとも言えますよね。
 2つ3つ指摘させていただいて、同様に2つ3つ提案をさせていただきたいんですけれども、1つは、これがいい悪いという問題じゃないんですよ、統計によると、やはり8割、お母さんの方に親権がつきます。2割、父親の方についているという団体の統計の発表がございます。
 これはなぜかというと、母性優位というのが、家庭裁判所、我が国の民法、裁判所というところで優先されていますから、お母さんにつくだろう。それからもう1つは、現状維持という考え方があって、では今、現時点で離婚をしようとしたときに、どちらと一緒に暮らしていますか、別居したとき、どちらと暮らしていますかというと、お母さんと住んでいることが多いんです。
 また反対に、こういうことがあるんですよ。離婚をしようと思っている、弁護士さんに相談をする、それで裁判になって親権を争う、その前に子供を先にとっておきなさいなんて御指導をする方もおられたりするわけなんですよ。
 何か子供というものが、1つの、離婚の中で犠牲者になっているんです。僕は、ここの部分を何か新しい概念で変えていかない限り、子供たちがどんどんどんどん犠牲になっていってしまうというふうに思っているんですけれども、そんな役目は法務省にありますよね、大臣。

150 寺田逸郎

○寺田政府参考人
 おっしゃるとおり、政府といたしましては、子供の立場というのは、その両親が普通の結婚をしている場合、あるいはそうでない場合を通して重要だというふうに考えておりますので、それについては、やはり子供を言ってみれば取り合うというような事態を避けるということは非常に重要なことだというふうに考えております。
 最近では、離婚が非常にふえてきたことの副産物でもありますけれども、離婚が一般化するにつれまして、離婚に伴って子供の養育あるいは面接についてどういうふうにするかということの取り決めをする基盤が大分できてまいりました。したがいまして、そういう奪い合うということではなくて、取り決めという合意ベースでやっていただくのが適当だろうというふうに考えておりまして、私どもも、民法を所管している立場から、それにできるだけプラスになるような考え方をとってまいりたいというふうには考えております。

151 大谷信盛

○大谷分科員
 特にお父さんの方に親権がなくて、それで、お父さんの方というのはこれまで、どこにそんな統計があるんだと言われたら、僕もまだ主観、また専門にそういうことを仕事にされているある方の主観なんですけれども、お父さん、男性の方は離婚すると再婚率が非常に高いんです。新しい家庭をお築きになられるんです。だから、前の自分の子供にそんなに、会いたい気持ちはあったとしても、会おうという行動はされなかった。
 しかしながら、今は大分我々の文化というか価値観みたいなものが変わってきまして、新しい家庭を持ったとしても、会いたいんですよね。なぜならば、子供たちのことを考えたら、おれが捨てたんじゃない、おれがしっかりとまだ愛しているんだよということを伝えたいわけですよね。そういう権利をしっかりと認めていけていないんだったら、認めていかなきゃいけないと思うんです。
 こういう場合、面接交渉権というのがありまして、離婚するときにやるのか、離婚してからまた裁判所を通じてやるのか。局長おっしゃったように、先に当事者同士でできたらいいんですけれども、異常な事態での決別になっていますから、これは裁判所、人を介してみたいなことになるんですけれども、面接交渉権で、例えば月に何回とか年間何回、何時間みたいに決められます。それで会えるものだと思うと、会えなかったりするわけなんですよ。交渉権で権利をいただいたんですけれども、だめだと親権を持っている側が言うと会えないわけなんですよ。
 なぜだめなんだというと、いやいや、お父さんに会うと、お母さんに会うと、親権を持っている側のお子さんが精神的にプレッシャーを感じるとか非常に苦しむとか精神病になってしまうとかということで、待ってくださいとかだめですとかということを理由にして会えなくなっているんです。裁判所で決めてくれたんだけれども会えないんですけれどもと裁判所にまた言いに行きますよね。そうしたら、また、ではやりましょうということで面接交渉権というのが出てくるんです。それでこれをまたやるわけですよ。
 要するに、罰則がないし、実効が伴っていないんですよ。この辺は実効が伴うように何か変えていかなきゃいけないと思うんですけれども、そんなお気持ち、概念、そんな努力をしているようなところはございますでしょうか。

152 寺田逸郎

○寺田政府参考人
 おっしゃるように、この問題は、争いになれば、まず家事調停がございまして、さらに家事審判というような形で解決されるのが一般でございます。ただし、この家事調停あるいは家事審判で決まりましたことを、まさに御指摘のとおり強制的に履行するという道がないわけです。
 この問題は、本質的にはやはり裁判所で強制するというよりは当事者の共通の認識の上に立って行われないとスムーズにいかないということから、これまでは極力強制ということは避けてきているのが実情ではございますけれども、しかし、おっしゃるとおり、強制の道が全くないというのではやはり問題はあろうかという認識は持っております。
 家事審判の世界で申し上げますと、履行勧告という制度がございまして、裁判所の方から、決まったことはきっちりおやりになったらどうですかという勧告をまず差し上げます。それでもだめな場合どうするかというと、法律的には強制執行ができないわけではございませんで、ただ、直接手を下すということが国家権力の側からはできませんので、間接強制といいまして、その約束を守らなければお金を払う、そういうことになりますよということをもって間接的に強制するという道が残されているわけでございます。
 ただ、これも非常に難しいのは、当事者の方であらかじめこの間接強制にふさわしいような内容の取り決めなりなんなりを前提にして審判をなさるあるいは調停をなさるということになりませんと、具体的に、ただ単に、月に例えば1回会うというような程度の取り決めでは強制ができないという問題がございます。
 ただ、この問題も、次第にこういう認識が深まってくるにつれまして、約束そのもの、取り決めそのもの、あるいは審判そのものも具体的に詳しくなる傾向にございますので、私ども、そういうことを見守ってまいりたいというふうに考えております。

153 大谷信盛

○大谷分科員
 民法の中に面接交渉権というのをしっかりと書き込んで、そういうものがあるんだよと、裁判で争ったときに、権利ですよというだけじゃなくて、しっかりと法律となって書き込まれているみたいなことは考えられませんか。

154 寺田逸郎

○寺田政府参考人
 戦後も何回か身分法と言われます民法の中の身分編について検討したことがございます。この面接交渉権につきましても、離婚後の子供の養育、面接の広いいろいろな法律問題の一環として検討された経緯はございますが、必ずしも具体的な権利として書き込むのが適当かどうかといういろいろな議論がございまして、現在のところストレートにそのことが示されているわけではございませんが、しかし観念的にはこの権利というものはあるという認識で民法が解釈されている、そういう状況にございます。

155 大谷信盛

○大谷分科員
 時間がないので、次にもう1つ提案させてもらいます。
 共同親権、要するに結婚中は共同親権ですよね、お父さんにもお母さんにも親権がありますよね。親が別れようとも、子供にとっては親はその二人なんですから、これはやはり親子のつながりがあるんですから、これは離婚しても共同親権ということで新しい概念をつくっていくようなことを提案されている有識者がおられて、私は、ああ、なるほどな、それであったら面接交渉権だの云々かんぬんだのというような、けんかではなくて、しっかりと、会う権利も含めて、育てる義務も含めて持てるというふうに思ったんですけれども、この点についてはどのようにお考えですか。
 すべて子供に、お父さん、お母さんから愛されているんだよということを達成するという観点から答えてくださいね。法の解釈論とか法律でこうなっていますという話をしているんじゃないですから。

156 寺田逸郎

○寺田政府参考人
 おっしゃる共同での親権、共同での監護というようなことは、アメリカでも認められている制度でございまして、決してあり得ない制度ではございません。また、委員御指摘のように、本来であれば離婚後も両親が子供をそれぞれ見守っているという姿勢を示すという意味でも、一つのあり得る考え方だろうというふうには思われます。
 ただ、日本の現状を考えますと、先ほど、いろいろなトラブルがなお絶えないわけでございますけれども、離婚後も両親が、まあ離婚というのも1つの人間関係だと割り切って、その中で子供を双方でうまく守ってやれるという土壌があるかどうかというのが一つの大きな決め手になるわけでございまして、それがないまま、ただ共同親権、共同監護ということになりますと、結局は取り合いということを離婚後も持ち越してしまうというようなことになりかねないわけでございます。
 したがいまして、簡単にその制度を導入するかどうかということは問題でございますが、しかし委員の御指摘のように、これはやはり共同のある種の枠組みの中で物事を解決していくという、考え方自体は非常に重要な考え方だと思いますので、私どもも、今後もこの研究は怠りなくさせていただきたいというふうに考えております。

57 大谷信盛

○大谷分科員
 この提案だけが、子供たちが親から、父母から愛されているということを知るための唯一の提案だとは私も思っていません。大事なことは、こんなものも含めて、何とか子供たちが離婚後親に会えないというようなことがないようなものを民法の中に織り込んでいく、そんな意識をまずしっかりと持っていただいた上で、御努力を続けていただきたい。
 この問題はずっとこれからも続けていこうというふうに思っていますので、どうぞ長いおつき合いをしていただきたいというふうに思っています。  大臣、夫婦がいて、女性が不貞をされてそれが発覚して、それで離婚だ云々かんぬんだという話になりかけて、次の日の朝は、その女性が自分のおつき合いしている男性のところのアパートに子供を連れていく、その足で弁護士さんに駆け込む。子供は確保していますか、子供は確保しています、ではすぐやりましょうと。親権はこっちにつきます。だんなさん、男の人の方は何もしていないですよね。養育費を払っている。子供が会いたいと言ったら、これは今の日本の社会では会えないんですよ。絶対に異常だというふうに僕は思います。
 それは大人ですから、いろいろなことが人生にあるんだというふうに思います。しかしながら、子供は小学生低学年、これは、家庭裁判所で争っているうちに2年、3年、4年たっていくわけなんですよ。その間、やはり親がもめているということは見ますし、親権をとった方の親は、もしかしたら、あの人はもう他人なんだよ、あの人は君のお父さんやお母さんじゃないんだよというようなことで、捨てられたのかなと思ってしまうことも多々あるというふうに思うんですよね。
 こういうものを、大臣であるならば変えていくという、責務はもちろんですけれども、リーダーシップと意識さえあればできるので、ぜひとも最後に覚悟だけお聞かせいただきたいというふうに思っています。

158 南野知惠子

○南野国務大臣
 私個人の考え方といたしましては、やはり両親に、人と人とどうつき合っていくか、その中に、どう子供を産み、その子供とどうつき合っていくか、いわゆる家族のあり方ということについては、法に依存する前にもっと解決するものがあるのではないかなと思っております。
 お互い人間的にどうしていくのか、両親の仲たがいというのは、特にDV法の観点からするならば、それは子供にとって一つの虐待であるということにもつながってまいります。
 そういう意味では、両親は他人同士であるかもわかりませんが、一つ大きなそこの結合体が、きずなというものがあると思いますので、その心があれば子供は後ろ姿をちゃんと見てくれるのではないか、法律がこうなっているからおまえこっちに来いこっちに来いということの前に、私は、人間的な何かがあっていいのじゃないかなと。それは、その方が持っておられる仲間からのいろいろな助け合いもあるのかもわかりません、話し合いがあるのかもわかりません。そういうことをやっていくことが真の友情であり、夫婦のきずなを強めることであり、親子のきずなを強めることになるんじゃないかなと思っております。
 私も助産婦の仕事をしておりました、看護婦の仕事をしておりました。そういう中にはバラエティーに富んだ家族がございました。その中から、これからもまた、その課題についてはしっかり学んでいこうと思っております。

159 大谷信盛

○大谷分科員
 いや、もう学ばないでも十分人生経験豊かだし、知っていると思いますので、ぜひリーダーシップを発揮してくださいませ。
 最後に、残った時間で、不法滞在の外国人に対する我が国の対応、対策というものを少し御説明いただき、議論をしてみたいというふうに思っています。  かなりふえてきた。表に出ている数字プラスアルファだからわからない、見えていないからわからないといろいろ言われますけれども、どう把握していて、どんな対応を今やっているのか、教えていただけますでしょうか。


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