#48オヤジのエプロン 野菜
お正月に帰郷できなかったので久しぶりの実家に
住んでいる所から数駅程の距離なのに行くとなると遠く感じる
重い腰を持ち上げて いざ出発
満面の笑みで出迎えてくれる母を見ると唯一の親孝行ができたのではないかと思う
父はというと自分の部屋で新聞を読みながら待っている
部屋をノックし挨拶すると
「おう 来たか」
といつも通りの返答
嬉しさをどうにか隠しているが
隠しきれていない喜びがドバドバと溢れ出している
父は孫のために畑をやっている
季節ごとに10種類前後
”自分の作った野菜を泥だらけになりながら引っこ抜かせてやりたい”
ただこの思いだけで続けている父の野菜は格別に美味しい
今回は大根、ネギ、里芋を収穫
片っ端から 引っこ抜いていく孫の姿を今日も満足そうに眺めていた
父は無口で厳格な性格
子供が出来るまで少し距離があったが
孫が出来てからその距離は少しづつ近づいてきたように感じる
相変わらず1分以上会話は続かないが
。。。。
リュックに野菜を詰め込み 我が家へ
10数年したら息子たちも独り立ちしてくるのだろう
厳格な父とちがってアレクサな私は昔のオヤジに比べるとフレンドリーな関係だが男の子は滅多に帰って来ないという(私もそうだが)
きっと久しぶりに顔を見せに帰って来た息子を見たら泣いてしまうかもしれない
” 分かっているなら たまには帰ってやれよ ”
もう一人の私が耳元で囁く
また 新聞越しの
「おう 来たか」を
聞きに行くかな
#48オヤジのエプロン
親孝行
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