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改めて「解法からの解放」

今回は入試問題などにおける「解法」についてのお話です。この時期になってくると、入試問題を解くための解法を身につけたいと願う大学受験生が多いようです。

まず、解法を知らないと解けない問題があるかどうかですが、これはないというべきでしょう。必要なものがあるとするならば問題形式に対する慣れであり、慣れればそれだけで十分です。逆に解法というものがあったとして、それさえ知っていれば解ける問題があるかどうかですが、これもないと言わざるを得ません。公務員試験の「文章理解」のように解法が比較的有効に見える場合でも最低限の語彙や文法の知識をなくして正解を導くことはできません。公務員試験のように受験科目数が二桁に上る場合であれば試験対策に時間が掛けられない科目もあるでしょうし、配点も相対的に小さいでしょうから解法重視も「あり」だと思います。(かといって文章理解が全滅では教養試験はきびしいと思います。)

一方、最大で6教科8科目(情報を選択する大学を併願すると7教科)の大学入試の場合は、英語や国語の配点は決して小さくなく、共通テストでもこの2つの教科は200点満点(英語はL+R)となっています。こうした試験で確実に得点を挙げるには、文章が読めて書けることが大切です。古文や漢文は「書く」問題は出ませんが、学習過程で「書く」練習をすることで、文法や句法の知識が盤石なものとなります。英語であれ、日本語であれ、文法や語彙を身につけて文を読み、書けるようにし、次いで文章を読み、書けるようにしていくことが受験勉強の中心となるようでなければ、合格点には到達しないものと考えておいたほうがよいでしょう。(古文や漢文はさすがに文章を書く段階まで進める必要はありません。)

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